◆2月号(96巻2号) 「欠乏」の時代を考える
総論・企画趣旨近年、生活の場に商品が供給されない場面が目立つ。たとえば、庶民的な回転ずしのメニューから魚の種類が減る、車を買おうとしても納品が遅い、生乳の廃棄が行われる一方で牛乳が値上がりしたりバターが品薄になる、家を建てようと思っても木材が手配できない、といった不便が生活の諸所でおきている。生産・商取引・物流など多様な活動のどこかが … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!) |
——2024年2月号目次——
総論・企画趣旨 … 松井智予
国内の商品供給の安定について――「欠乏」の諸要因 … 松井智予
国際的な安定調達の課題 … 山路 洋
トラック運送業における優越的地位の濫用問題 … 岡野純司
水資源の公平分配と安定的利用――とくに水道事業の民営化に焦点を当てて
… 七戸克彦
経済生活に必要な金融・情報インフラへのアクセス … 森下哲朗
緊急事態における国家と私的主体の連携──「指定公共機関」を素材として
… 田代滉貴
「労働市場改革」 … 木庭 顕
再生可能エネルギー事業の生態系影響に関する法学的考察
――アメリカにおける再エネ訴訟(太陽光・風力)に焦点を当てて … 小林 寛
●宗教団体とデモクラシー・法・1-2
社会福祉・宗教により貪られる人々の位置(中)
――社会福祉法人制度・宗教法人制度の比較を通して … 太田匡彦
●法をめぐるミスコミュニケーション・6-2
宗教の根源性と法の必要性――櫻井論文を承けて … 尾崎一郎
●紛争が戦争とならないために――領域支配をめぐる対立の制御における国際法の役割・15
グレーゾーン事態対処の法的制御 … 鶴田 順
●公益の実現と法――人々の自発的活動が導く「公益」を考える・13 [最終回]
憲法における「私益」と「公益」の距離
――《反社会的私益の公益性》というアクロバットは可能か? … 駒村圭吾
●幻の創文社版『憲法綱要』とその批判的検討・13
専門知・「市民」・責任――樋口憲法学における地方自治の定位 … 新村とわ
●行政法学のリ・デザイン――二元的思考を超えて・7-2
フォーマルとインフォーマルの「はざま」(下)
――経済行政分野の規制構造に照らして … 友岡史仁
●平成民法学の歩み出し・29
法社会学と結びついた法解釈学――瀬川信久『日本の借地』 … 山城一真
●日中会社法の比較・4
社外取締役・取締役のインセンティブ報酬 … 神田秀樹・朱大明
●著作権法と刑法の語らい・11
[座談会]著作権法と刑法の可能性(2)
… 遠藤聡太・金子敏哉・仲道祐樹・深町晋也・長谷川 遼・前田 健・西貝吉晃=谷川和幸(司会)
●日本的雇用を問い直す・13
賞与と労基法――ボーナスは労働者にとって得か … 山下 昇