◆7月号(83巻8号) 消費者契約をめぐる法の展望――消費者契約法施行10年に寄せて
消費者契約法施行後10年の節目にあたり、消費者保護を目的とする近時の立法ないしは法改正の現状を把握するとともに、その意義と問題点を洗い出す。
<特集「消費者契約をめぐる法の展望」より>
◆消費者契約法の10年と消費者契約関連法の展望――企画の趣旨を兼ねて
1 はじめに
消費者契約法(平成12年法律第61号)が2001(平成13)年4月1日に施行されてから、10年が経過した。その間、適格消費者団体による差止請求の制度を創設する重要な改正(2007(平成19)年6月7日施行)が行われている。
消費者契約法は、消費者契約を直接の規律対象とする包括的民事ルールとして、消費者私法の中核を占める。同法の施行後、最高裁判決を含めて数多くの裁判例が現れ、同法は、消費者契約に伴うトラブルを解決するための実体法規範として、その重要性は揺るぎないものとなっている。……(本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!)
—— 2011年7月号目次 ——
◇特集=消費者契約をめぐる法の展望――消費者契約法施行10年に寄せて
消費者契約法の10年と消費者契約関連法の展望
――企画の趣旨を兼ねて … 渡辺達徳
契約の勧誘における情報提供 … 宮下修一
消費者取消権 … 丸山絵美子
不当条項規制の意義と展望 … 野澤正充
適格消費者団体による差止請求 … 山本 豊
販売信用取引の現状と課題 … 池本誠司
特定商取引法関連取引の現状と課題 … 齋藤雅弘
高齢消費者の保護のあり方 … 山下純司
山梨県弁護士会の「民法改正に関する総会決議」 … 山梨県弁護士会
▼特別企画 東日本大震災と法
東日本大震災の救援、復興等に関する法令について … 山本庸幸
福島第一原子力発電所事故の検証すべき問題点 … 戒能一成
災害を超えて――国際災害対応法(IDRL)の現状と日本に期待される役割 … 墓田 桂+エリザベス・フェリス
▼日仏物権法セミナー(第1回) 21世紀における所有権と財産――日仏比較研究
日仏物権法セミナー――開催の経緯 … 金山直樹
〈第1部 所有権の諸観念〉
A 所有権――歴史的および比較法的視角から
1. 比較法的視角から … 金山直樹
2. 歴史的視角から … 小柳春一郎
B 所有権の現代的態様
1. 共同所有権 … 平野裕之
2. 所有権の支分権 … 吉井啓子
〈第2部 財の法の未来像〉
1. 財の多様化 … 吉田克己
2. 無体と包括体 … 片山直也
3. 金銭の法的性質 … 森田宏樹
第1回日仏物権法セミナーを終えて――ひとつの総括 … 吉田克己
争点整理の充実・迅速化とその課題・下――その現代的な展開に寄せて … 川嶋四郎
【連載】イギリス憲法の実像――その歴史的文脈・6 … 戒能通厚
東日本大震災と憲法――被災地で考えたこと【法律時評】 … 水島朝穂