◆6月号(87巻7号) 刑罰の現実と刑罰政策の新展開

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現在の日本社会における刑罰執行の現場を検証し、刑罰理念の時代適合性・刑罰依存(厳罰化)を批判的に考察するとともに、犯罪論・解釈論の政策性・社会的責任性を確認することを通して、新たな刑罰論・政策論を展望する。

 
<特集「刑罰の現実と刑罰政策の新展開」より>

◆現代社会における刑罰論への一視座

 1 立方の時代・新しい刑事司法制度と刑罰論
 刑事法学、特に刑事実体法学の領域において「立法の時代」ということが言われるようになって久しい。その含意の一つに、わが国社会の様々な次元において生起し続ける新たな根本的と思える多くの変化・事象にも拘わらず、適応性の不十分な既存の法令の解釈・適用で対処してこざるを得なかった「解釈の時代」の終焉を明確に宣言し、新たな局面・新世紀を切り拓いていくことへの意気込みの表明があったことは否定できないであろう。 … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!) 
 
 
 

—— 2015年6月号目次——

 

◇特集=刑罰の現実と刑罰政策の新展開

現代社会における刑罰論への一視座 … 伊東研祐
生命刑(死刑)――国境を越えて見てみれば … 松宮孝明
制裁規範としての自由刑の意味と制度 … 高橋則夫
労役場留置の現状と課題――労役場留置の象徴的運用に向けた試論 … 永田憲史
(1個の行為に対する)懲役と罰金の併科 … 神例康博
刑の執行猶予の判断――全部執行猶予の現状と一部執行猶予の展望 … 小池信太郎
没収・追徴――共犯を素材に … 樋口亮介

 

▼小特集 日仏民法セミナー

 契約と裁判官――契約自由の比較考察

はじめに … 北村一郎
 
Ⅰ 契約の成立と裁判官
  日本側報告 … 竹中悟人 / フランス側報告 … ジャン=バティスト・スーブ 山城一真
 
Ⅱ 契約の内容と裁判官
  日本側報告 … 大村敦志 / フランス側報告 … シリル・グリマルディ (訳・要約)大澤 彩
 
Ⅲ 契約の履行と裁判官
  日本側報告 … 瀬川信久 / フランス側報告 … イヴ=マリ・レティエ 作内良平
 
Ⅳ 契約の消滅と裁判官
  フランス側報告 … ムスタファ・メキ 小林和子 / 日本側報告 … 金山直樹
 
【新連載】「国家と法」の主要問題・1
八月革命・七〇年後――宮澤俊義の8・15 … 石川健治
 
【連載】グローバル化と法の変容・2
グローバル化と比較法 … 松本英実
 
【連載】憲法学のゆくえ・5-3
[座談会]アーキテクチャによる規制と立憲主義の課題(後篇) … 松尾 陽・宍戸常寿・曽我部真裕・山本龍彦
 
【連載】憲法学からみた最高裁判所裁判官・3
法曹一元的理念の体現――大野正男 … 川岸令和
 
米軍普天間飛行場の辺野古移設問題【法律時評】 … 畠山武道