◆3月号(88巻3号) 集団的労働関係法の時代
非正規労働者・非雇用就業者の拡大により労働組合法を軸とした規制枠組みが機能不全に陥る中、より広い視野で集団的労働関係法を捉え直し、限界を打破するための新たな構造と機能を探る。
◆「集団的労働関係法の時代」認識
1 集団的労働関係法の機能
企業の競争力確保、あるいは長期的な企業財政の悪化等を原因として、使用者は、雇用の合理化や賃金・退職金等の引き下げ変更の実施を余儀なくされることがある。私たちの身の回りで、普通に起こっている問題である。こうした場合、もし集団的労働関係を観念することのできない労働関係のもとでは、労働者は次の2つの対応のいずれかを選択するしかない。 … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!)
—— 2016年3月号目次——
◇特集=集団的労働関係法の時代
「集団的労働関係法の時代」認識 … 野田 進
労働組合法のこれまでとこれからの課題――「労働者」の集団的な利益代表の観点から … 竹内(奥野)寿
集団的労働関係法における権利・義務主体論の再検討 … 富永晃一
団体交渉・労働協約の機能と新たな法的役割
――非正規労働者および非雇用就業者をめぐる解釈問題の検討を通じて … 桑村裕美子
従業員代表制設計の検討課題 … 神吉知郁子
労働組合の変容と不当労働行為制度――労働契約的把握及び裁判所化からの脱却 … 緒方桂子
労働委員会制度の実情と課題 … 山下 昇
▼小特集 動物と法――基礎法学からの考察
企画趣旨 … 浅野有紀
動物保護の法理を考える … 嶋津 格
動物、生類、裁判、法――日本法制史からの俯瞰と問い … 新田一郎
野生動物法とは――人と自然の多様な関係性を託されて … 髙橋満彦
ドイツ憲法から動物保護と法を考える――動物実験規制と人間中心主義克服を中心に … 浅川千尋
動物保護法の日英比較――とくに動物虐待の訴追をめぐって … 青木人志
第三者異議訴訟における対抗要件の抗弁をめぐる要件事実(上)
――差押えと対抗要件具備との先後関係という時的要素の主張・立証責任 … 河村 浩
【連載】憲法学のゆくえ・8-3 [最終回]
[座談会]行政学から見た日本国憲法と憲法学(後篇) … 伊藤正次・宍戸常寿・曽我部真裕・山本龍彦
【連載】憲法学からみた最高裁判所裁判官・11
最若年の最高裁オリジナル・メンバー――河村又介 … 赤坂幸一
【連載】「国家と法」の主要問題・9
ドイツにおけるケルゼン「再発見」と国法学の「変動」の兆し … 高田 篤
トランスナショナルとドメスティックの間で揺れる最高裁【法律時評】 … 山元 一