◆10月号(85巻11号) 国際法秩序構想の諸系譜と現在

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第2次世界大戦、冷戦を経て、現在の国際法はいかなる法秩序を構想しているのか。法秩序構想のさまざまな系譜を、掘り起こして分析し、それらの現代的意義を探る。

 
<特集「国際法秩序構想の諸系譜と現在」より>

◆特集の趣旨説明に代えて

 日本の法学は、その基礎となる国際法秩序(あるいは世界秩序)の構想において、第2次世界大戦後、長く安定的な時期を過ごしてきた。植民地解放と民主主義にコミットする国際法学(以下、民主主義国際法学という)の潮流も、すべての国家の自律性とその人格の相互承認という原理に基づき、諸国家の利害の均衡と調整を図る(権利主体としての人を国家に置き換えた形の)私法的な秩序構想を描いていた。……(本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!
 

 
 
  

—— 2013年10月号目次 ——

 

◇特集=国際法秩序構想の諸系譜と現在

特集の趣旨説明に代えて … 小畑 郁
国際立憲主義の新たな地平――ヒエラルキー、ヘテラルキー、脱ヨーロッパ化 … 最上敏樹
国際社会の機能主義的結合 … 吾郷眞一
カテコン(抑止する者)という視座
 ――カール・シュミットの秩序思想に基づくEUの現代的可能性 … 西 平等
抵触法と国際法との関係に関する新たな動向
 ――抵触法と国際法との合流について … 横溝 大
国際刑事裁判システムの国際法秩序像――「介入の国際法」の顕在化 … 古谷修一
投資条約仲裁ネットワークの国際(世界)法秩序像 … 濵本正太郎
ヨーロッパにおける憲法多元主義――非階層的な法秩序像の誕生と発展 … 須網隆夫

 

 ▼連続鼎談「新時代の刑事司法制度」を問う

  連続鼎談の開始にあたって … 川崎英明

  第1回 取調べの可視化 … 渕野貴生・小坂井久・村井敏邦

 
 
 
 
競争法は「表現の自由」の破壊者か保護者か(2)
 ――情報社会の新しい秩序の形成期における一試論:欧米の事例から … 市川芳治

福島原発事故による賠償請求権の時効消滅を防ぐ立法措置の必要性 … 水上貴央

ソーシャルゲームと競争秩序――グリー対DeNA損害賠償請求事件 … 舟田正之
 
【連載】イギリス憲法の実像――その歴史的文脈・25 … 戒能通厚
 
【連載】強行法と任意法
民法635条ただし書の強行法規性 … 芦野訓和
 
【連載】刑事訴訟理論の探究
科学的証拠と誤判 … 笹倉香奈
 
生活保護法改正案について【法律時評】 … 木下秀雄