◆1月号(96巻1号) 経済安全保障の法的制御

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リベラルな経済秩序は今後どうなるのか。政府の規制権能に対する適切な法的制御の仕組みを検討し、経済安全保障とは何かを考える。

経済安全保障における法の役割

――企画趣旨と論点

 1 はじめに

 冷戦終結後の四半世紀は、リベラルな経済秩序が国際的に確立・強化され、物品・資金・人・情報などがグローバルに移動しうる状況が生まれた時期であった。しかしその後、新興国の経済的台頭による国際競争の激化や、中国・ロシア等の軍事的脅威の増大を受けて、特に自由主義諸国と権威主義諸国との間で対立と分断が … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!

——2024年1月号目次——

◇経済安全保障の法的制御

経済安全保障における法の役割――企画趣旨と論点 … 伊藤一頼
立憲主義と経済安全保障 … 横大道 聡
経済安全保障と行政庁の裁量処分 … 渡井理佳子
国際貿易法秩序と経済安全保障 … 阿部克則
安全保障化する外国直接投資――対内・対外投資規制の投資条約による統御 … 二杉健斗
金融システムと経済安全保障――全体像と中央銀行デジタル通貨(CBDC)の課題 … 久保田 隆
経済刑法と経済安全保障 … 髙山佳奈子
海洋秩序と経済安全保障――国際法の観点から … 瀬田 真
「経済的威圧」と不干渉原則 … 藤澤 巌

論説

同性婚訴訟第一審判決の分析――婚姻と婚姻効果の平等 … 木村草太

●新連載宗教団体とデモクラシー・法・1-1
企画趣旨 … 木庭 顕
社会福祉・宗教により貪られる人々の位置(上)
――社会福祉法人制度・宗教法人制度の比較を通して … 太田匡彦

信用の基礎理論構築に向けて・10-3
投資商品の販売・助言と利益相反(下) … 行岡睦彦

法をめぐるミスコミュニケーション・6-1
現代日本の政教関係――尾崎論文へのコメント … 櫻井義秀

紛争が戦争とならないために――領域支配をめぐる対立の制御における国際法の役割・14
ビーグル海峡事件――紛争の只中で国際法を語り継ぐ … 小寺智史

幻の創文社版『憲法綱要』とその批判的検討・12
象徴天皇の「務め」とは何か? … 山崎友也

行政法学のリ・デザイン――二元的思考を超えて・7-1
フォーマルとインフォーマルの「はざま」(上)
――経済行政分野の規制構造に照らして … 友岡史仁

平成民法学の歩み出し・28
家族法立法と市民・社会――大村敦志「フランスにおける『立法』と『立法学』――家族法を素材に」 … 幡野弘樹

日中会社法の比較・3
株式公開買付け … 神田秀樹・朱大明

著作権法と刑法の語らい・10
[座談会]著作権法と刑法の可能性(1) … 遠藤聡太・金子敏哉・仲道祐樹・深町晋也・長谷川 遼・前田 健・西貝吉晃=谷川和幸(司会)

日本的雇用を問い直す・12
転勤命令を受けた夫とその妻のこと――ジェンダー平等と日本型福祉社会を問い直す
緒方桂子

法律時評

なにもかも「非正規」の状態を終わらせる
――イスラエル・パレスティナ問題について
西 平等

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