◆5月号(85巻5号) 憲法の射程

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憲法は、どのような意味でどのような程度において規範的規制力を有しているのか、について再点検を行う。憲法学のあり方を模索する。

 
<特集「憲法の射程」より>

◆憲法の射程――本特集企画の趣旨

1 はじめに
 現在、1946年に制定されて以来66年が経過した日本国憲法典の改正は、それ以前には考えられなかったほどの強い現実性を帯びてきている。2012年12月に行われた衆議院選挙において、2009年の政権交代以来3年間日本の統治運営を担っていた民主党政権に対する世論の強い不満を背景として、自由民主党を中心とする保守政権が返り咲いた。今回二度目に首相に就任した安倍晋三は、自民党内の有力政治家中でも強い改憲意欲の持ち主である。……(本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!
 

—— 2013年5月号目次 ——

 

◇特集=憲法の射程

憲法の射程――本特集企画の趣旨 … 山元 一
個人の尊厳と社会通念――事故物件に関する売主の瑕疵担保責任を素材として … 横山美夏
家族関係の刑事的規制 … 髙山佳奈子
公的活動の担い手の多元化と「公法規範」 … 北島周作
国連主要機関による決定の国内実施について
 ――最近の実行からみた憲法学への若干の問題提起 … 石塚智佐
社会労働領域と憲法学 … 武田芳樹
婚外子相続分区別と憲民関係 … 齊藤笑美子
比較憲法の新たな視点 … 松本英実

 

▼小特集 国公法二事件上告審判決の検討

憲法裁判としての国公法二事件上告審判決 … 大久保史郎
憲法判例としての国公法二事件上告審判決 … 中林暁生
国公法二事件上告審判決と合憲性判断の手法 … 市川正人
公務員の政治的行為制限違反罪と職務関連性 … 曽根威彦
 
文献ジャンルとしての憲政評論――高見勝利『政治の混迷と憲法――政権交代を読む』を読んで … 林 知更
 
イギリス憲法における「憲法上の変更」とそのプロセス … 倉持孝司
 
民法(債権法)改正の「中間試案」――民法典の劣化は、果たして防止できるか・下 … 加藤雅信
 
原子力損害賠償責任における免責規定の適用要件に関する考察 … 小林 寛
 
【連載】イギリス憲法の実像――その歴史的文脈・21 … 戒能通厚
 
【連載】強行法と任意法
公法上の取締規定の強行法規性 … 川地宏行
 
投票価値の平等――選挙無効判決と政治の責務【法律時評】 … 只野雅人