◆1月号(83巻1号) 相続と財産法理論

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相続に関する諸問題のうち総則、債権法および物権法に関連するテーマについて検討を加え、今後の財産法改正論議における相続法の立ち位置を考える。

 
<特集「相続と財産法理論」より>

◆相続と財産法理論――企画の趣旨

1 はじめに
 (1) 昨年の本誌特集をみると、4月号の「『家族法改正』の課題と展望」、9月号の「民法(債権法)改正 基礎法学・法の歴史の視点から」、10月号の「民法(債権法)改正と労働法」と、民法の改正に関連するテーマが続いてとりあげられている。その他の論考もあわせ見ると、今日、民法改正に向けた議論は対象と視点の広がりを伴いながらますます活発になっているといえよう。
 最近の動きを振り返ってみると、法制審議会民法(債権関係)部会は、2009年11月24日に第1回会議が開催されて以降2010年11月30日現在で19回の会議を重ねている。家族法の分野でも、法制審議会は2010年2月5日「児童虐待防止関連親権制度部会」を設置して親権法の改正を視野に入れた審議を始め、同年8月には「児童虐待防止のための親権に係る制度の見直しに関する中間試案」が発表され、同試案に対する意見募集の結果をふまえて要綱案(第1次案)が公表されるに至っている。……(本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!

 

<対談>

◆行政事件訴訟の展望を語る

taidan1101.JPG 2005年に行われた行政事件訴訟法の改正は単なる法律の改正ではなく、今でも裁判あるいは法律学以外にもいろいろな分野に影響を及ぼし、議論の対象となっています。施行から5年目を契機に、2005年12月に小田急大法廷判決との関係もふまえて、行政事件訴訟法改正の意義と役割、今後の在り方について、元・最高裁判所判事の園部逸夫先生と、小田急線騒音訴訟の弁護団長を務められた斎藤 驍先生に語っていただききました

  

——  2011年1月号目次 ——

 

◇特集=相続と財産法理論

相続と財産法理論――企画の趣旨 … 門広乃里子
民法総則および財産法原理と相続法 … 椿 寿夫

 (※本文内容に一部訂正があります。→訂正・追録履歴
債権法改正と相続法 … 近江幸治
相続回復請求権 …
星野 茂
権利・義務・法的地位の相続性と移転性 …
椿久美子
遺産管理における家族法的側面と財産法的側面 …
吉井啓子
遺産分割と共有物分割 …
佐藤啓子
相続と第三者保護 … 前田 泰

 

【対談】行政事件訴訟の展望を語る … 園部逸夫斎藤 驍

【新連載】イギリス憲法の実像――その歴史的文脈・1 … 戒能通厚

「代理」規律改正のための基本コンセプト私案――一人の「代理」研究者からの提案 … 伊藤 進

 

小特集=裁判員裁判と未必の故意

「裁判員裁判と未必の故意」を問題とする視点 … 松宮孝明
未必の故意とは何か?――概念、学説、司法研究報告書基準の検討 … 玄 守道
裁判員裁判の判決書からみた「殺意」概念 … 半田靖史
問題点の抽出と解決の方向性について … 笠井 治
英米における故意(殺意)の概念とその認定 … 星周一郎 
 
生物多様性保護がつくる社会【法律時評】 … 畠山武道