◆8月号(89巻9号) 複合的分断と法
現代社会では人々の規範意識・価値観の極性化や視野狭窄が、相互理解や包摂を困難にしている。複合的分断がもたらす多様な問題に法がどのように応答しようとしているのか探究する。
◆複合的分断と法――特集の趣旨
近時、様々な文脈において社会の「分断」が語られている。今回の特集では、複数の要素の相互作用によってもたらされる複合的分断の深化を現代社会の特徴と捉え、分断がもたらす多様な問題への法的応答の可能性と限界を考える。 … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!)
—— 2017年8月号目次——
◇特集=複合的分断と法
複合的分断と法――特集の趣旨 … 尾崎一郎
グローバル資本規制――「複合的分断と法」の視角から … 藤谷武史
先端生命科学技術の規制――正しさを語る社会を作る … 辰井聡子
ヘイト・スピーチ、ヘイト・クライム規制 … 榎 透
個別労働紛争は個別的か――分断に対する集団性の端緒 … 道幸哲也
「社会問題」としての空き家――多様な視線の交錯 … 角松生史
子どもの貧困――分断から融和への転換点 … 倉田賀世
家族の自由と家族への国家介入 … 水野紀子
▼小特集 不動産登記の未来
――日本登記法研究会設立記念研究大会
企画趣旨 … 武川幸嗣
不動産登記の多様な役割と民法理論――相続と登記の問題を素材に … 石田 剛
登記原因に対する公証制度導入方案について … 藤縄雅啓
不動産表示登記と防災
――循環型社会に対応した地籍情報制度改革の必要性 … 小野伸秋
総括 … 加藤新太郎
コメント … 松岡久和
憲法事例問題の解き方
――2017年司法試験論文式試験公法系第1問を読む … 蟻川恒正
組織犯罪処罰法6条の2第1項の罪にかかる限定解釈の試み … 亀井源太郎
ドイツにおける2016年性刑法改正について
――我が国の性犯罪規定における暴行・脅迫要件の未来 … 深町晋也
【新連載】戦後憲法学の70年を語る――高橋・高見憲法学との対話・1-1
企画趣旨 … 林 知更
第1回 研究の出発点、憲法学の方法論
… 高橋和之・高見勝利/宍戸常寿・林 知更・小島慎司・西村裕一
【連載】民法理論の対話と創造・8-2
フランスにおける契約侵害論の構造(下)――契約侵害論の再構築に向けて … 荻野奈緒
【連載】債権法判例の行方・2
組合財産の帰属関係 … 伊藤栄寿
2017年民法改正――その国制的意味【法律時評】 … 山野目章夫
アジアで一番乗り、台湾で同性婚実現へ――台湾司法院大法官第748号解釈を読み解く【判例時評】
… 鈴木 賢