◆9月号(89巻10号) 「国際立法」の現在――国連国際法委員会創設70年を契機に考える

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創設70年を迎えた国際法委員会は、「国際法の漸進的発展及び法典化」を担い、多くの「立法」を成功させてきた。この節目に、現代の国際立法はいかなるものかを考察する。

 
<特集「『国際立法』の現在」より>

◆「国際立法」の現在――企画趣旨及び解題

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 主権国家が分立する国際社会において、「立法」は厳密な形では存在し得ない。歴史的に見れば、国際社会における法的統制は相当部分、慣習法によって担われてきた。しかし、諸国の交流の緊密化に従い、不文法たる慣習法による統制では不十分であることが意識されるようになり、条約による統制が求められた。先駆的にはベンサムが18世紀末に国際法規則の明文化の必要性を説き、 … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!
 

—— 2017年9月号目次——

 

◇特集=「国際立法」の現在――国連国際法委員会創設70年を契機に考える

「国際立法」の現在――企画趣旨及び解題 … 寺谷広司
国際法委員会の70年と新たな傾向――国際法の漸進的発達と科学的知識
  … 村瀬信也
国際立法と方法論――国際立法と国際法学 … 吉田 脩
国連安全保障理事会は「国際立法」権限を簒奪したのか?
 ――国際テロリズムと大量破壊兵器の不拡散をめぐって … 佐藤哲夫
国際司法裁判所と「国際立法」――グローバル化時代の国際社会におけるその意義
  … 酒井啓亘
国際法委員会による国際立法と法政策──国家責任条文による対抗措置に対する法的規制の試みを例に
  … 岩月直樹
条約解釈における「後の合意」と「後の慣行」に関するILC結論草案
 ――第1読終了時点における評価 … 阿部克則
「国際立法」を通じた海洋法秩序の形成と発展 … 西本健太郎
国際経済法における国際立法――ILCによる立法の可能性 … 福永有夏
災害時の人の保護 … 植木俊哉
環境分野の国際立法――その特質と課題 … 高村ゆかり

 
 

▼特別企画 いまこそ立憲主義の意義を問う

国民が担う立憲主義 … 佐々木弘通
共謀罪の何が問題か … 髙山佳奈子
 
 
財政憲法の独自性?――ドイツ基本法の債務ブレーキ導入の意義 … 三宅雄彦
 
 
【連載】戦後憲法学の70年を語る――高橋・高見憲法学との対話・1-2
第2回 主権論と国家法人説――ドイツ憲法研究とフランス憲法研究(1)
  … 高橋和之・高見勝利/宍戸常寿・林 知更・小島慎司・西村裕一
 
【連載】民法理論の対話と創造・9-1
個人保証規制のあり方を考える(上)――フランスにおける事業債務の保証規制を手がかりに
  … 齋藤由起
 
【連載】労働法理論の探究・3-1
労働法における法律行為(上)――意思と合理性の史的位相変化 … 米津孝司
 
【連載】債権法判例の行方・3
債権者代位権の転用 … 秋山靖浩
 
国政と都議選――国民目線と都会目線【法律時評】 … 岡田順太
 
福知山線脱線事故刑事裁判を振り返って――最二決平成29年6月12日を素材に【判例時評】
  … 松宮孝明