◆4月号(83巻4号) 法曹養成制度改革の方向性
司法制度改革審議会意見書が発表されてから10年という節目に、その重要な柱であった法曹養成制度と弁護士人口問題を中心に、これまでの改革努力の結果を総括し、目指すべき方向性を検討する。
<特集「法曹養成制度改革の方向性」より>
【座談会】新法曹養成制度が直面する問題と改革の方向性
… 松原 功・土屋美明・古口 章・小幡純子・東澤 靖(司会)
今年2011年は、司法制度改革審議会の意見書が出されてから10年の節目に当たります。この意見書は国民の期待に応える司法制度の構築、司法制度を支える法曹の在り方、そして司法の国民的基盤の確立といった総合的な改革を目指していました。司法制度改革推進本部の設置、司法制度改革推進計画などによって、裁判員制度、行政事件訴訟法の改正や法テラスの設立など、多くの制度改革を実現しました。しかし一方で、法科大学院制度を初め、法曹人口の増員にはまだまだ様々な問題を抱えています。法曹養成制度の改革の今後についてご意見を伺いました。
<「民法改正を考える」より>
【座談会】債権法改正と日本民法の将来
――4月のパブコメ実施を前にして
… 江頭憲治郎・角 紀代恵・児玉隆晴・鹿島秀樹・加藤雅信(司会)
一昨年10月、法務大臣が法制審に対して債権関係の規定について見直し、その要綱を示されたいという答申を出しました。そして翌11月から、法制審に民法(債権関係)部会が設置されました。そこでの第1クールとしての、一通りの検討が昨年12月に終わり、現在、本年4月のパブコメに向けて「民法(債権関係)の改正に関する中間的な論点整理のたたき台」が検討されております。そこで、債権法改正と、そのパブリックコメントについてどのようなスタンスで臨むべきか、先生方にご意見を伺いました。
—— 2011年4月号目次 ——
◇特集=法曹養成制度改革の方向性
《座談会》新法曹養成制度が直面する問題と改革の方向性
… 小幡純子・古口 章・松原 功・土屋美明・東澤 靖(司会)
法曹養成の課題 … 棚瀬孝雄
法科大学院制度は失敗したのか … 後藤 昭
新司法試験の問題点と改善策 … 笠井 治
司法修習の観点から見た新しい法曹養成制度の現状と課題 … 井上裕明
企業法務のニーズと新法曹養成制度 … 井原 宏
韓国の法曹養成制度 … 金 炯
ドイツ法曹の再教育と専門化・上――職業担い手の数が常に増加することに対する応答
… インゴー・センガー 訳:福田清明
《座談会》債権法改正と日本民法の将来――4月のパブコメ実施を前にして
… 江頭憲治郎・角 紀代恵・児玉隆晴・鹿島秀樹・加藤雅信(司会)
〈資料〉私のパブリックコメント … 角 紀代恵・児玉隆晴・鹿島秀樹
シンポジウム=実定法学の基礎法学・2
法をめぐる言説と法過程――現代アメリカを参照して … 会沢 恒
法を選ぶ/法に関わる … 尾崎一郎
法学の学問性――比較法史学の観点から … 小川浩三
【連載】イギリス憲法の実像――その歴史的文脈・4 … 戒能通厚
中国の刑法改正と死刑制度の変更 … 王 雲海
韓国における取調べ映像録画制度 … 閔 永盛
検察審査会による強制起訴――「統治主体」としての「国民」【法律時評】 … 今関源成