◆3月号(90巻3号) 運送法・海商法改正に向けた動き
100年以上前に制定された運送・海商法は改正が予定されている。法改正は理論的・実務的にどのような意味を持つのか。研究者と実務家が対になり改正案の多面的検討を行う。
◆運送法・海商法改正案――今回の改正案の考え方
1 はじめに
商法典のうち、運送および海商に関する部分が改正の俎上に乗っている。これが実現すれば、1899(明治32)年の制定以来大きな改正を経ずに用いられてきた条文が、およそ120年ぶりに現代化され、表記もまた現代語化されることになる。
1995(平成7)年の刑法改正を皮切りに各種の法典は、順次、現代(語)化されてきた。今回の改正案は、商法典(形式的意味における商法)の現代(語)化としては最終バッターに当たり、 … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!)
—— 2018年3月号目次——
◇特集=運送法・海商法改正に向けた動き
――理論と実務からの検証
運送法・海商法改正案――今回の改正案の考え方 … 野村修也
荷送人の義務の理論的検討 … 清水真希子
荷送人の義務の実務的検討 … 雨宮正啓
運送人の責任の理論的検討 … 箱井崇史
運送人の責任の実務的検討 … 池山明義
傭船契約に関する総合的検討――実務的観点から … 山口修司
▼特別企画 PACLのこれまでの活動と課題
… 金山直樹・加藤雅之・曽野裕夫・田岡絵理子・リット・デイビット・高杉 直
▼小特集 アジアにおける日本法教育
――「日本法教育研究センター」10年の回顧と展望
企画趣旨――アジアにおける日本法教育研究センターとは何か、それをどう考えるべきか … 小畑 郁
行政法整備支援からみた法の学識者人材の養成 … 市橋克哉
アジアにおける日本法教育はどうあるべきか――立ち上げ時の模索の経験から … 上地一郎
[座談会]アジアでの日本法教育の新段階――日本法教育研究センター事業10年余の経験から
… 小畑 郁・瓦井由紀・宮島良子・杉田昌平・上地一郎
【連載】戦後憲法学の70年を語る――高橋・高見憲法学との対話・3-2
第8回 憲法訴訟論と審査基準論
… 高橋和之・高見勝利/宍戸常寿・林 知更・小島慎司・西村裕一
【連載】原発問題から検証する公法理論・4-1
新規制基準における原子力安全の論理(上)
――継続的更新性・科学的客観性・民主的正統性・公益適合性確保の視点からの検討
… 岸本太樹
【連載】拐取罪を巡る比較法的・沿革的分析拐取罪を巡る比較法的・沿革的分析・3-2
オーストリア刑法における未成年者の引離しを巡る議論状況(下)
――両親による子の奪い合い事例を中心に … 佐藤陽子
【連載】債権法判例の行方・8
請負における注文者の報酬減額請求権の新設 … 水津太郎
「働き方改革推進整備法案」における政策矛盾【法律時評】 … 野田 進