◆11月号(88巻12号) 消費者契約法の改正
制定後初めて実体法部分についての大きな改正がなされた消費者契約法。本年改正が成った内容を確認し、改正の背景と意義、今後の課題について理論的に迫る。
◆2016年消費者契約法改正の概要と課題
1 はじめに
2016年の第190回国会において、「消費者契約法の一部を改正する法律」(以下、「改正法」という。)が成立し、2016年6月3日に平成28年法律第61号として公布された。同法は、一部の規定を除き、公布の日から起算して1年を経過した日(2017年6月3日)から施行される予定である。 … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!)
—— 2016年11月号目次——
◇特集=消費者契約法の改正
2016年消費者契約法改正の概要と課題 … 山本敬三
[締結過程の規制]
「勧誘」要件のあり方・第三者による不当勧誘 … 鹿野菜穂子
不利益事実の不告知と重要事項 … 山本 豊
困惑類型の追加・不招請勧誘 … 後藤巻則
合理的な判断をすることができない事情を利用した契約の締結 … 宮下修一
取消権の行使期間・取消しの効果 … 松本恒雄
[不当条項規制]
現行規定(8条・9条)の見直し … 原田昌和
不当条項リストの追加・10条の見直し――2016年消費者契約法改正が残した課題
… 大澤 彩
条項使用者不利の原則・その他の論点 … 河上正二
▼小特集 内閣法制局と最高裁判所
──近年の「変化」をどうとらえるか
企画趣旨 … 佐藤岩夫
内閣法制局の現在――「黒子」が政治化するまでの軌跡 … 西川伸一
最高裁判所の現在――違憲審査制と少数意見制の活性化の背景と特徴 … 見平 典
内閣法制局と最高裁判所の現在――「統治=執政」の法的統制のゆくえ … 佐藤岩夫
内閣法制局と最高裁判所―― 一憲法研究者からのコメント … 毛利 透
行政法学からみた「内閣法制局と最高裁判所」 … 中川丈久
裁判所による法治主義・地方自治の破壊
――辺野古訴訟高裁判決の問題点と上告審の課題 … 岡田正則
取締役の監視義務と割合的責任について … 増田友樹
【連載】憲法学からみた最高裁判所裁判官・19
周辺においやられた者の声に耳を傾けた長官――島田仁郎 … 巻 美矢紀
【連載】「国家と法」の主要問題・17
多元主義法理論の共時性と通時性
――サンティ・ロマーノの「制度」概念と憲法秩序の変動 … 江原勝行
【連載】民法理論の対話と創造・4-2
財貨帰属と代位法理(下) … 水津太郎
「共謀罪」と「組織犯罪準備罪」【法律時評】 … 松宮孝明