◆1月号(84巻1号) 刑法学における「犯罪体系論」の意義

★バックナンバーの購入はこちらから★

「犯罪体系論」のもつ意義を、日本の代表的な刑法学者や日本に影響力のある諸外国の体系論を比較しつつ、裁判実務の観点も交えて、あらためて検討する。

  
<特集『刑法学における「犯罪体系論」の意義』より>

◆犯罪体系を論じる現代的意義――企画趣旨

1 はじめに
 刑法学における「犯罪体系論」の意義を検討するという本企画は、刑法学者が日々の講義において悩まされ、かつ、一時代前まではこれが刑法学の最大の論争課題でもあったのに、最近では影の薄い「体系論」のもつ意義を、日本の代表的な刑法学者や日本に影響力のある諸外国の体系論を比較しつつ、かつ、裁判実務の観点も交えて論じてみようというものである。というのも、隣の中国では、近年、これまでのソビエト・ロシア風の犯罪体系論を、ドイツ・日本風の犯罪体系論に置き換えようとする動きが目立っているからである。そこで、あらためて、「犯罪体系論」というのはなぜ必要なのかを考えてみようという次第である。……(本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!
 

——  2012年1月号目次 ——

 

◇特集=刑法学における「犯罪体系論」の意義

犯罪体系を論じる現代的意義――企画趣旨 … 松宮孝明
日本の犯罪体系論:いわゆる小野・団藤体系 … 伊東研祐
佐伯・平野刑法学の犯罪論体系 … 浅田和茂
ドイツにおける近代犯罪論の生成の現代的意義 … 山中敬一
オーストリー刑法学の体系 … 佐川友佳子
フランスの犯罪体系論 … 井上宜裕
ロシア刑法における犯罪体系について … 上田 寛
中国における犯罪論体系をめぐる論争 … 張 明楷 訳:金 光旭
英米の犯罪体系論 … 星 周一郎
裁判実務からみた犯罪体系論の意義 … 安原 浩

 

▼特別企画 情報公開法の改正を巡って――第11回行政法研究フォーラム・上

情報公開法改正法案――情報公開法の10年を踏まえて … 藤原靜雄
行政透明化検討チームにおける情報公開法改正の論点整理 … 三宅 弘
情報公開法改正案の検討――インカメラ審理を中心として … 村上裕章
大阪府の情報公開制度――情報公開審査会の経験から … 鈴木秀美

 
【新連載】財産権保障における「近代」と「前近代」――震災とTPPを契機とする再考・1 … 中島 徹

 
司法研修所編『新問題研究 要件事実』について・上 … 伊藤滋夫

 
互換品インクカートリッジ特許侵害訴訟と独占禁止法 … 舟田正之・伊藤隆史
 

▼特別企画 東日本大震災と法

自然災害と個人情報――支援団体への情報提供をめぐる現状と課題 … 山崎栄一

 
【連載】イギリス憲法の実像――その歴史的文脈・10 … 戒能通厚

青年期に達した製造物責任法【法律時評】 … 松本恒雄