◆7月号(95巻8号) コロナ禍から考える法学の未来(上)――問題の基礎とガバナンスの視点から

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コロナ禍で問われた法の課題とは一体何であったのか。各種議論の蓄積を糧として日本の法課題を析出し、法学の未来を語る。
<特集 「コロナ禍から考える法学の未来(上)――問題の基礎とガバナンスの視点から」より>

感染症と医療・法・社会

――われわれは感染症危機といかに向き合うべきか

 1 コロナ禍が投げかけた問いは何か――特集全体の解題を兼ねて
 (1) 筆者が抱いた違和感
2020年1月に国内初発例を記録して以来、新型コロナウイルス感染症(以下「コロナ感染症」という)は、社会全体を翻弄し続けてきた。その中では、日常生活や医療、行政、教育、企業活動などざまざまな場面で多岐にわたる問題が発生し、法学においても、種々の法領域でこれまで … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!

——2023年7月号目次——

◇コロナ禍から考える法学の未来(上)
――問題の基礎とガバナンスの視点から

[基礎篇]
感染症と医療・法・社会――われわれは感染症危機といかに向き合うべきか … 米村滋人
予防接種の義務化と奨励策をめぐる法哲学 … 西迫大祐
事細かで穏やかな専制?――法的強制と社会規範のあいだで … 松尾 陽
19世紀フランスにおける社会法の形成と公衆衛生――慈善から連帯へ … 波多野 敏

[ガバナンス篇]
アジャイル・ガバナンスと憲法――ポストコロナの統治システムを考える … 山本龍彦
有事の行政、有事の法――コロナ禍の「政府内コミュニケーション」の態様 … 村上裕一
コロナ禍による財政の変容と財政法の課題 … 藤谷武史
コロナ対応から考える地方自治の課題 … 飯島淳子

◇小特集 公務員制度の分野横断的再検討
――早津裕貴『公務員の法的地位に関する日独比較法研究』を基点として

企画趣旨 … 篠原永明

憲法15条の含意と特殊な勤務関係規律の射程・濃淡――行政法(公務員法)の観点から
下井康史

公務員の雇用・給与保障と労働契約法・憲法――労働法の観点から … 土岐将仁

公務員制度の基本原理と公務員の給与保障――憲法の観点から … 篠原永明

公務員法理論の再構築と横断的対話に向けて … 早津裕貴

公益の実現と法――人々の自発的活動が導く「公益」を考える・11
相続を通じた権利の承継――相続という制度の役割と限界 … 窪田充見

法をめぐるミスコミュニケーション・4-1
法学と情報(工)学のコミュニケーション(上)――法のIT化は難しいのか … 郭 薇

紛争が戦争とならないために――領域支配をめぐる対立の制御における国際法の役割・9
冷戦期デタントの展開とその現代的意義――勢力圏と安全保障をめぐる紛争への対処 … 伊藤一頼

幻の創文社版『憲法綱要』とその批判的検討・7
共和国型憲法の神髄――公私一元・民商二元 … 水林 彪

行政法学のリ・デザイン――二元的思考を超えて・4-2
外部法と内部法の「はざま」(下) … 松戸 浩

平成民法学の歩み出し・23
継続的契約論の融解と昇華――中田裕康『継続的売買の解消』 … 中原太郎

著作権法と刑法の語らい・9
[リツイート事件]著作権法と刑法のリンケージを目指して――リツイート事件を題材に
深町晋也

公判外供述の比較法研究・2-4
ドイツの刑事手続上の公判外供述(4)――直接主義を中心に … 川島享祐

日本的雇用を問い直す・7
「組合に入る意味はあるか」という労働者の問いが投げかける意味とは … 小山敬晴

法律時評

袴田事件再審開始決定の確定と再審法の改正木谷 明

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