◆3月号(83巻3号) 被拘禁者と国際人権法

★バックナンバーの購入はこちらから★

被拘禁者の国際人権保障の展開の現段階をふまえ、日本の被拘禁者の人権問題に対する国際人権法の意義と課題を具体的に検証し、それへの対応を検討する。

 
<特集「被拘禁者と国際人権法」より>

◆被拘禁者の国際人権保障の展開――企画の趣旨

1 はじめに
 国際人権法は、世界人権宣言1条、5条、9条や市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約と略)7条、9条1項、10条1項などにおいて、拘禁の目的や権限に関係なく、拷問・非人道的取扱い等の禁止、「自由を奪われた者」の尊厳の尊重、を定める。かかる基本原則の下に、警察、刑事施設、少年拘禁施設、出入国管理施設、精神医療施設、軍事施設などすべての拘禁施設で自由を奪われている者(被拘禁者)について、諸権利を確立し、規範体系(人権条約とそのケースロー・一般的意見および「被拘禁者の取扱いに適用される関連国連基準」)と、人権侵害からの救済と防止を図るための人権保障メカニズムを発展させている。……(本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!

 

——  2011年3月号目次 ——

 

◇特集=被拘禁者と国際人権法

被拘禁者の国際人権保障の展開――企画の趣旨 … 今井 直
 
〔第1部〕日本の被拘禁者と国際人権法
被疑者取調べの適正化と国際人権法――弁護人の援助による黙秘権の確保 … 葛野尋之
国際人権法と新監獄法下の受刑者の権利 … 赤池一将
少年の拘禁施設と国際人権法 … 武内謙治
出入国管理施設と国際人権法 … 大橋 毅
精神医療施設と国際人権法 … 永野貫太郎
 
〔第2部〕国際人権保障メカニズムにおける被拘禁者の人権
重層的人権保障システムにおける受刑者の選挙権――欧州人権裁判所の判例を中心に
北村泰三
拷問等禁止条約選択議定書の国内防止メカニズム … 桑山亜也
ヨーロッパ拷問等防止委員会の活動――拘禁施設への国際査察、基準設定 … 里見佳香

 

民法典はどこへいくのか】 その5・完

広く会議を興し、万機公論に決すべし … 加藤雅信

 

シンポジウム=実定法学の基礎法学・1

実定法学の基礎法学――シンポジウム企画趣旨 … 水林 彪
法教義学の性格とその現代的意義――フランス・モデルを念頭に置いて … 吉田克己
法発展における立法・裁判・法解釈学――労働法の立場から … 西谷 敏

 

【連載】イギリス憲法の実像――その歴史的文脈・3… 戒能通厚

 
検察改革の課題――「厚労省元局長無罪事件」に関する最高検察庁の検証報告【法律時評】 … 高田昭正