◆11月号(94巻12号) 運送法の現在と未来

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運送・海商法制が2018年に改正された。法改正後の状況・解釈論のみならず、技術革新に伴う現代的な論点・課題を網羅的に検討する。

 
<特集 「運送法の現在と未来」より>

◆企画趣旨

「民事法学の火薬庫」としての運送法
 2018年に改正された商法の運送法(運送・海商)について理論的な研究はまだ十分ではない。というとすでに多くの論稿が公表されている中で、先達の神経を逆なでするであろうか。それでも理論的な研究が不十分というのは、「理論」に3つの意味を込めたからである。 … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!

 
 
 

——2022年11月号目次——

◇特集 運送法の現在と未来

企画趣旨――「民事法学の火薬庫」としての運送法 … 得津 晶
運送人の責任と責任減免規定の対抗 … 松田真治
期間制限――物品運送契約の運送品の滅失等の場合の1年、船舶衝突の場合の2年 … 岡田陽介
定期傭船者の対第三者責任――平成30年商法改正後の解釈論の展開 … 増田史子
堪航能力担保義務――国内海上運送の過失責任化を踏まえた公法規制との関係を中心に … 宮崎裕介
船舶先取特権――船舶先取特権を行使しうる債権者及び被担保債権の債務者の範囲 … 大西徳二郎
海上旅客運送――海上旅客運送の安全性確保と運送人の責任 … 南 健悟
船荷証券の電子化に関する法整備の動向 … 小出 篤
自動運航船――自動運航船と民事責任 … 笠原亮一
宇宙運送 … 笹岡愛美

 

◇社会問題・環境問題の「司法化(judiciarisation)」の論点と可能性(下)

――日仏比較の観点から

フランスの労働紛争における裁判官の後退 … アントワーン・リヨン=カーン (水町勇一郎 訳)
日本の「働き方改革」――「司法化」の観点から … 水町勇一郎
フランスの職業病認定(の不十分性)における法と司法の役割――1919年から新型コロナウイルスまで … ジェロム・ペリス (笠木映里 訳)
日本における職業病認定制度の法的構造と訴訟・司法判断の位置づけ――比較法的観点からの分析 … 笠木映里

 
 

カルト集団の政治浸透について――若干の問題整理 … 木庭 顕

 

【連載】信用の基礎理論構築に向けて・8-1
金融機関と顧客の仲介に関する法的課題(上) … 加毛 明

【連載】デジタル・プラットフォームビジネス研究の最前線・16[最終回]
デジタル・プラットフォームにおけるガバナンスとルールメイキング(下)
――あるいは、表現の自由の私法的基礎 … 津野田一馬・プラットフォームビジネス研究会

【連載】紛争が戦争とならないために――領域支配をめぐる対立の制御における国際法の役割・2
自決原則に基づく分離要求への国際連盟理事会の対応
――オーランド諸島帰属問題(1920年) … 西 平等

【連載】憲法訴訟の醸成――実務と学説が導く可能性・18
生活保護基準の改定に係る厚生労働大臣の裁量の範囲について … 巽 智彦

【連載】平成民法学の歩み出し・16
遺産分割における共同相続人間の価値的平等――高木多喜男『遺産分割の法理』 … 石田 剛

【連載】著作権法と刑法の語らい・2
[はるか夢の址事件]刑法としての著作権法をめぐる解釈態度
――著作権法研究者と刑法研究者の発想の対比を通じて … 仲道祐樹

【連載】公判外供述の比較法研究・1-3
アメリカの刑事手続上の公判外供述(3) … 緑 大輔

 

【法律時評】
統一教会の霊感商法等の被害はなぜ根絶できなかったのか紀藤正樹
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