◆9月号(87巻10号) 過去の不正義と国際法――日韓請求権協定の現在

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日韓基本条約と日韓請求権協定の締結による国交正常化から50年を迎えた今もなお、日本の植民地支配をめぐる議論が続いている。司法の場における国際法上の取り組みを通して、過去の不正義という問題に迫る。

 
<特集「過去の不正義と国際法」より>

◆過去の不正義と国際法

 1 遅れてきた正義
 大韓民国との国歌正常化から、ちょうど半世紀という節目の年を迎えている。「両国民間の関係の歴史的背景と、善隣関係及び主権の相互尊重の原則に基づく両国間の正常化に対する相互の希望とを考慮し」て東京で署名された日韓基本条約が効力を生じたのは、いまから50年を遡る1965年12月18日のことであった。同日には、日韓請求権協定も、同条約に寄り添うように発効している。 … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!) 
 
 
  
 

—— 2015年9月号目次——

 

◇特集=過去の不正義と国際法――日韓請求権協定の現在

過去の不正義と国際法――日韓国交正常化50周年に寄せて … 阿部浩己
日韓請求権協定の射程――何が「解決」されたのか … 申 惠丰
韓国司法における歴史と法――2012年大法院判決を中心に … 金 昌禄
日韓諸条約における植民地支配認識に対する歴史学的考察
 ――基本関係および請求権をめぐる論議を中心に … 吉澤文寿
欧州における「過去の克服」の現在
 ――独伊戦後賠償に関わる国際司法裁判所判決の履行を違憲とするイタリア憲法裁判所判決を素材として
  … 水島朋則
植民地支配犯罪論の再検討――国際法における議論と民衆の法形成 … 前田 朗
国際人権機関の法実践――「過去の不正義」への取り組み … 德川信治

 
 

▼特別企画 辺野古新基地建設問題の法的論点

辺野古新基地建設問題の現状と法的問題点 … 新垣 勉
 
 
米国における再生可能エネルギー法制の下でのRPSとFITの関係性に関する考察
 ――カリフォルニア州の制度を素材として … 小林 寛
 
GPS利用捜査とその法的性質――承諾のない位置情報取得と監視型捜査をめぐって … 指宿 信
 
【連載】憲法学のゆくえ・6-3
[座談会]憲法学と国際法学との対話に向けて(後篇) … 森 肇志・宍戸常寿・曽我部真裕・山本龍彦
 
【連載】憲法学からみた最高裁判所裁判官・6
「公共性の空間を支える柱」としての司法を目指して――滝井繁男 … 見平 典
 
【連載】「国家と法」の主要問題・4
平和と秘密――『永遠平和のために』の秘密条項について … 小島慎司
 
歪んでいく刑事司法と研究者の役割【法律時評】 … 三島 聡