◆7月号(89巻8号) ライフサイエンスと知的財産
ライフサイエンス(医薬品・医療機器等)産業の知的財産の取り扱いに注目が高まっている。実務の最新状況に加え、特許権延長登録制度の議論の行方等もフォローし、多角的観点からライフサイエンスと知的財産法制度を検討する。
◆企画趣旨
我が国の産業において、ライフサイエンスの存在感が相対的に増している。
一般的な法律の世界では、「人」と「物」との区別は重要であっても、生物であるか否かの区別は重要ではない。しかし、生物は、他の「物」とは異なり、自己増殖能力を有している「物」であることから、生物が特許権の対象とされた場合、興味深い論点を提示する。 … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!)
—— 2017年7月号目次——
◇特集=ライフサイエンスと知的財産
企画趣旨 … 城山康文
植物の自己増殖と特許権の消尽 … 島並 良
特許権存続期間延長登録制度の在り方
――「オキサリプラチン」事件知財高裁大合議判決をふまえて … 井関涼子
医薬関連発明の新規性及び進歩性に関する最近の裁判例の紹介と考察
… 山内真之・川嵜洋祐
記載要件の論点――ライフサイエンス発明を中心に … 前田 健
知的財産高等裁判所の医薬品分野に関する大合議判決について … 古河謙一
日本におけるパテント・リンケージの運用実務 … 市橋隆昌
後発医薬品の参入とリバース・ペイメント合意 … 山田 篤
米国医薬品関連特許を巡る紛争の概要と近時の動向 … 山本健策
▼小特集 福島原発事故賠償訴訟の現段階と課題
総論――福島原発事故賠償の課題 … 吉村良一
福島原発事故賠償訴訟における国の責任と課題――群馬訴訟前橋地裁判決を中心に
… 下山憲治
原発事故訴訟における損害論の課題――前橋地裁判決の検討から … 若林三奈
避難と不安の正当性――科学技術社会論からの考察 … 平川秀幸
【新連載】債権法判例の行方・1
連載を始めるにあたって
代理権の濫用 … 宮下修一
【連載】グローバル化と法の変容・14 [最終回]
刑事法学における学問共同体の課題 … 松田岳士
【連載】「国家と法」の主要問題・24 [最終回]
9条と司法権――parens patriae訴訟を参考に … 青井未帆
【連載】民法理論の対話と創造・8-1
フランスにおける契約侵害論の構造(上)――契約侵害論の再構築に向けて … 荻野奈緒
【連載】労働法理論の探究・2-2
団交権「保障」の基本問題(下)――「救済」から「促進」へ … 道幸哲也
プラットフォーム・エコノミーと働き方改革【法律時評】 … 石田 眞