◆7月号(86巻8号) 憲法解釈と人事

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憲法「解釈」が時代の争点になっている今、現政権は、人事という営みを梃子にして、自らの憲法解釈を押し通そうとしている。本特集は「人事」を憲法学の対象として、学問的に監視する役割を果たそうとするものである。

 
<特集「憲法解釈と人事」より>

◆「人事」を尽して我意に任す

 一 
 日本の現政権による集団的自衛権の行使容認に向けた動き(憲法解釈変更策動)は、今日、深刻な局面に入っている。
 ここからは、「政治」的駆け引き・「政治」的解決・「政治」的決着があるのみなのかもしれない。だが、ここまでには、法的な「知識」がたたかわされうる場所があった、はずであった。……(本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!)  
 
 
 
 

—— 2014年7月号目次——

 

◇特集=憲法解釈と人事

「人事」を尽して我意に任す … 蟻川恒正
憲法解釈権力――その不在に関する考察 … 蟻川恒正
思想連鎖のなかの「人の支配」と立憲主義 … 山室信一
「憲法の番人」をめぐる抑制と均衡の力学 … 水島朝穂
連邦憲法裁判所をめぐる法と人事――ドイツの場合 … 三宅雄彦
憲法院とコンセイユ・デタ――フランスの2つの憲法解釈機関 … 井上武史
「憲法解釈をめぐる人事」と「人事をめぐる憲法解釈」
 ――アメリカの憲法実践から … 大林啓吾
政治からの人事介入と独立性 … 牧原 出

 

▼小特集 民法766条改正の意義と課題――子の監護に要する費用の分担をめぐって

企画趣旨 … 中村 恵
民法766条の改正と意義――民法の視点から① … 棚村政行
扶養義務(877条以下)との関係――民法の視点から② … 本澤巳代子
養育費と社会保障給付――社会保障法の視点から … 増田幸弘
民法766条1項の改正と養育費に関する実務上の問題について
 ――実務家の立場から … 中山直子
 
 
〈検証・特定秘密保護法〉
刑事手続における特定秘密の取扱い … 斉藤豊治
 
【連載】イギリス憲法の実像――その歴史的文脈・32 … 戒能通厚
 
【連載】憲法学のゆくえ・2-1
イントロダクション … 曽我部真裕
[基調報告]憲法学と司法政治学の対話
 ――違憲審査制と憲法秩序の形成のあり方をめぐって … 見平 典
 
【連載】福島原発事故賠償の研究・4
福島第一原子力発電所事故における東京電力の法的責任 … 大坂恵里
 
【連載】強行法と任意法(最終回)
連載を終えて・上 … 椿 寿夫
 
投資協定仲裁(ISDS)を巡って――TPPの一つの論点【法律時評】 … 鈴木五十三