◆11月号(89巻12号) 事業再生と倒産手続の現在と将来
資本主義社会に不可欠なインフラである倒産手続の利用が低迷している。
その現状と打開策を分析し、事業再生と倒産手続の将来を第一線の研究者、実務家が展望する。
◆倒産手続活性化の処方箋
本稿で検討対象とするのは、もっぱら中小企業の事業再生を主たる目的とする倒産手続(債務整理手続)である。倒産手続には、法的倒産手続(法的整理)に限らず私的整理手続(私的整理)も含まれる。また、事業者も含め個人を対象とした手続や清算を主たる目的とした手続は検討の対象外とする。 … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!)
—— 2017年11月号目次——
◇特集=事業再生と倒産手続の現在と将来
倒産手続活性化の処方箋 … 中井康之
私的整理による事業再生の現状と法的整理の課題 … 富永浩明
私的整理と倒産手続の連携強化――円滑な連携を可能とするための手続構造
… 山本 研
事業価値を毀損しない倒産法制の可能性――商取引債権保護とDIPファイナンスの優遇
… 杉本純子
魅力ある倒産手続に向けた立法のあり方 … 水元宏典
[座談会]事業再生と倒産手続利用の拡充に向けて
… 山本和彦・笠井正俊・小林信明・田中 亘・多比羅 誠・中西 正
▼小特集 象徴天皇制における生前退位
天皇の「公務」をめぐる混迷 … 高橋和之
有識者会議での議論と天皇の退位等に関する皇室典範特例法 … 小幡純子
イギリスの王位継承ルール――日本の皇位継承ルールとの対比で … 植村勝慶
近代憲法史の中で見た天皇の生前退位 … 西村裕一
次なる独占禁止法制度改正への期待――実態解明と、そのための手続保障 … 向 宣明
【連載】戦後憲法学の70年を語る――高橋・高見憲法学との対話・2-1
第4回 55年体制をどう考えるか――議院内閣制(1)
… 高橋和之・高見勝利/宍戸常寿・林 知更・小島慎司・西村裕一
【連載】原発問題から検証する公法理論・1-2
原子力法制度に求められる機能とは何か(下) … 山下竜一
【連載】民法理論の対話と創造・10-1
表示を論ず(上) … 山城一真
【連載】拐取罪を巡る比較法的・沿革的分析・1-2
ドイツ刑法における未成年者の引離しを巡る議論状況(下)
――両親による子の奪い合い事例を中心に … 深町晋也
【連載】債権法判例の行方・5
契約解除規定の改正が非典型担保に与える影響 … 藤澤治奈
民泊に関する雑考――市場と法規制【法律時評】 … 飯田 高