◆10月号(95巻11号) 民事裁判IT化と民事手続法学

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法改正により民事裁判IT化の議論が進む中で浮き彫りになった問題に対して、民事手続法学と他分野の対話を通して検討する。
<特集 「民事裁判IT化と民事手続法学」より>

企画趣旨

 1 背景と問題意識

 2022年5月及び本年6月の民事訴訟法等の改正(令和4年法律第48号及び令和5年法律第53号)により、民事裁判手続IT化の大枠が固まった。
 改正法の内容に関してはすでに各誌で特集が組まれ、立案関係者による座談会等も公表されつつあるから、単にその内容を解説・紹介するような特集は、屋下に屋を架すことになろう。反面 … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!

——2023年10月号目次——

◇民事裁判IT化と民事手続法学

企画趣旨 … 垣内秀介
手続の公開 … 岡野誠樹
手続における「方式」の要求とそのサンクションのあり方 … 佐瀬裕史
e法廷と当事者の対面での手続関与 … 酒井博行
口頭手続を排斥した書面手続の拡大・創設可能性 … 安永祐司
訴訟上の和解の位置付け――和解調書等の閲覧制限の導入とそのインプリケーション … 川嶋隆憲
日本国外からの手続参加と国家主権――国家管轄権の行使と私人の意思との関係性 … 竹下啓介
民事裁判のIT化と時効 … 米倉暢大
各種仕様等の重要性とルール形成のあり方――民事手続法の立場から … 内海博俊
民事裁判手続におけるアーキテクチャの機能とその法的意義・統制 … 成原 慧

◇性犯罪改正の分析・評価

2023年改正の概要とその意義について … 佐藤陽子
不同意性交等・わいせつ罪――新176・177条1項の解釈・運用 … 樋口亮介
性交同意年齢の引上げを巡る諸問題 … 深町晋也
令和5年性犯罪規定の改正と量刑 … 小池信太郎
被害者等の供述の聴取に係る録音録画記録の証拠能力――法制審議会部会における議論の検討 … 堀江慎司

●新連載
日中会社法の比較・1
事業譲渡・株式交換等・会社分割 … 神田秀樹・朱大明

紛争が戦争とならないために――領域支配をめぐる対立の制御における国際法の役割・12
失地回復という問題(上)――ハニシュ諸島紛争とバカシ半島紛争を題材として … 許淑娟

法をめぐるミスコミュニケーション・5-2
「政治」という他者(下)――憲法学から見た「法のミスコミュニケーション」 … 林 知更

幻の創文社版『憲法綱要』とその批判的検討・10
人権と公共の福祉 … 小島慎司

行政法学のリ・デザイン――二元的思考を超えて・6-1
行政法学における「当事者自治」(上)――地域再生エリアマネジメント負担金制度を素材として … 田代滉貴

平成民法学の歩み出し・26
普遍主義的討議理論としての交渉促進規範論――山本顯治「契約交渉関係の法的構造についての一考察(1)~(3・完)――私的自治の再生に向けて」 … 石川博康

日本的雇用を問い直す・10
どうして就業規則に従わなければならないのか――就業規則法理について問い直す … 山川和義

法律時評

トランスジェンダーの権利保障についての裁判所の対応と「文化戦争」木下智史

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