◆4月号(94巻4号) グローバル法vs国際法――国内における実現の場面から

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国際的な規範を国内で実現するためには、どのような方法があり得るのか。様々なアクターと多様化する規範の動きを捉えて検討する。

 
<特集 「グローバル法vs国際法――国内における実現の場面から」より>

◆企画趣旨

 1 シュミットの二元論批判 あまり知られていないことだが、カール・シュミットは二元論を批判している。
 20世紀前半のドイツでは、国際法と国内法を厳格に区別する二元論が、トリーペルやヴァルツらの有力な法学者によって支持され … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!
 
 

——2022年4月号目次——

◇グローバル法vs国際法
――国内における実現の場面から

企画趣旨 … 西 平等
行政主導の国際法の「変型」体制と「棲み分け」観念による国際法の形而上への捨象
――降伏文書・占領管理に由来する法令の取扱いにおけるその成立 … 小畑 郁
国際法適合的な国内法の解釈――入管収容と自由権規約 … 松田浩道
行政機関による国際法規範の国内における実現 … 島村 健
国際人権条約の私人間効力 … 齊藤正彰
国際人権法の審級論――日本国裁判所と仮想の「第四審」 … 齋藤民徒
行政機関による非法的国際規範の国内における実現――ココムとFATF … 興津征雄
ビジネスと人権に関する指導原則の国内的実施
――マルチステークホルダー・アプローチを通じた実効性確保と課題 … 菅原絵美
たばこ規制枠組み条約の国内的実現 … 田中 謙
人権条約の実現における議会の役割
――グローバルな法実践における規範・アクターの多元化の一例として … 髙田陽奈子
国際法史におけるグローバル法理論の可能性――一元論・二元論の原意について … 西 平等

 

◇小特集 “HATE SPEECH IN JAPAN”を論じる

HATE SPEECH IN JAPAN出版の背景と経緯 … 桧垣伸次・奈須祐治
日本型ヘイト・スピーチ法の可能性――第3の道としての非規制的施策 … 桧垣伸次
ヘイトスピーチに対する非規制的アプローチの展開――HATE SPEECH IN JAPAN出版以降の動向を踏まえて … 奈須祐治
書評HATE SPEECH IN JAPAN: THE POSSIBILITY OF A NON-REGULATORY APPROACH
――Ch.9、 Ch.14、 Ch.19を中心に … 市川正人
HATE SPEECH IN JAPANを読む――国際法・憲法・比較憲法の観点から … 木下昌彦

 
 

【連載】公益の実現と法――人々の自発的活動が導く「公益」を考える・6
反トラスト法は「私人による公益の実現」を貫くのか … 大久保直樹

【連載】信用の基礎理論構築に向けて・7-2
通達にみる生活保護と「借金」(中) … 太田匡彦

【連載】デジタル・プラットフォームビジネス研究の最前線・10
Society5.0における新しいガバナンスシステムとサンクションの役割(下)
稻谷龍彦・プラットフォームビジネス研究会

【連載】ミクロ憲法学の可能性・10-1
法律上の緊急事態の理論的検討――「宣言」にどのような意味があるのか … 井上武史

【連載】憲法訴訟の醸成――実務と学説が導く可能性・12
著作権と表現の自由――媒介者の観点から … 小町谷育子

【連載】行政法の基礎理論・10-1
地方行政組織の構成原理に関する一考察(上)――公選制行政委員会の終焉に寄せて … 島村 健

【連載】平成民法学の歩み出し・9
関係的契約理論における解釈理論と解釈学――内田貴『契約の再生』 … 石川博康

 
 

【法律時評】
「成年」・「未成年」の意義と若年成年者の保護――成年年齢引下げを機縁として山本敬三

【判例時評】
「法律上の争訟」に関する宝塚判決の拡大適用の終焉?
──大阪地裁2021(令和3)年4月22日中間判決と福岡高裁那覇支部2021(令和3)年12月15日判決 … 人見 剛

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