◆6月号(86巻6号) 親とは何か――社会的親子をめぐって
生物学的な親子ではないものの一定の法的承認が論議される「社会的親子」について、子どもの監護養育をめぐる関係を中心に親子法の観点から法的評価を試み、「親とは何か」を考察する。
◆企画趣旨
社会的親子という概念は、医学等の発達により、血縁的・遺伝的親子関係の存否が明らかにされるようになり、その反面、生物学的親子ではないが、事実上の親子のように未成熟の子を監護養育している関係が表出し、これを社会的存在と認め、場合によっては一定の法的承認を与える必要を生じたことから、生まれてきたものといわれる。……(本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!)
—— 2014年6月号目次——
◇特集=親とは何か――社会的親子をめぐって
企画趣旨 … 中村 恵
社会的親子に関する覚書 … 許 末恵
生殖補助医療と親子関係 … 中村 恵
未成年養子 … 床谷文雄
国際養子 … 渡辺惺之
未成年後見制度の現状と今後の課題 … 合田篤子
継親子関係をめぐる諸問題――フランス法との比較から … 栗林佳代
里親子関係――里親委託の実践から … 米沢普子
▼小特集 八ッ場ダム訴訟の論点――住民訴訟の新しい視点を探る
八ッ場ダム住民訴訟東京高裁判決の検討
――東京高等裁判所平成25年3月29日判決を対象として … 田村達久
一日校長事件最高裁判決の射程 … 野呂 充
国の直轄公共事業に係る自治体負担金の法的統制――八ッ場ダム住民訴訟を素材として … 人見 剛
【連載】イギリス憲法の実像――その歴史的文脈・31 … 戒能通厚
【連載】憲法学のゆくえ・1-3
[座談会]憲法と刑事法の交錯(後篇) … 亀井源太郎・宍戸常寿・曽我部真裕・山本龍彦
【連載】福島原発事故賠償の研究・3
原発避難者の精神的苦痛は償われているか
――原子力損害賠償紛争審査会による指針の検討を中心に … 除本理史
【連載】強行法と任意法
定款自治と強行法規性 … 稲田和也
【連載】刑事訴訟法理論の探究
合理的疑いの役割 … 高平奇恵
袴田事件の再審開始決定【法律時評】 … 守屋克彦