◆5月号(94巻5号) 租税国家のメタモルフォーゼ

★バックナンバーの購入はこちらから★

現代日本の現状は、「租税国家」の理念と現実の乖離が著しい。その変容の諸相を描き出し、法的議論の素材を提供する。

 
<特集 「租税国家のメタモルフォーゼ」より>

◆企画趣旨・総論

 1 課題の設定 経済社会のグローバル化とデジタル化は、国家や法制度が前提としてきた環境条件を動揺させる。これに国家や法がいかに対応すべぎかという問いは、近時の法学にとって最大の関心事の一つである。当然、租税法・財政法もその例外ではない。たとえばわが国財政の構造的財政赤字の直接
の原因は … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!

 
 

——2022年5月号目次——

◇特集 租税国家のメタモルフォーゼ

企画趣旨・総論 … 藤谷武史
租税原則と世代間衡平――国債管理政策の影響 … 神山弘行
「BEPS2.0」の理論的意義と租税国家 … 藤原健太郎
税務行政のデジタル化の将来 … 小塚真啓
租税情報の他の行政目的への活用可能性と法的限界
――ドイツ法における議論 … 田中啓之
資本主義の非物質主義的展開と租税国家 … 諸富 徹
中央銀行の積極化と財政・金融 … 片桐直人
勤労権・生存権・福祉国家――戦後日本における憲法的福祉国家実現の系譜 … 木下昌彦

 

◇小特集 コロナ対応における専門知と日本の政治・社会

趣旨説明および解題――コロナ禍における統治/学問 … 山羽祥貴・栗島智明
日本の新型コロナ対策における専門家助言組織の提言内容の科学的問題点 … 徳田安春
科学的助言・グループボイスの必要性 … 横山広美
科学的助言の憲法学的検討に向けて … 山本健人
統治における科学的集合知の導入――課題と展望 … 岡田順太
科学報道とメディアの自由 … 森口千弘

 

【連載】公益の実現と法――人々の自発的活動が導く「公益」を考える・7-1
プラットフォームとインフラストラクチャーをめぐる法の一般原則(上)
――「法の下の平等」の私法的基礎づけを含めて … 渕 圭吾

【連載】信用の基礎理論構築に向けて・7-3
通達にみる生活保護と「借金」(下) … 太田匡彦

【連載】デジタル・プラットフォームビジネス研究の最前線・11
AIと憲法(上)――アルゴリズム、プライバシー、デモクラシー … 山本龍彦・プラットフォームビジネス研究会

【連載】ミクロ憲法学の可能性・10-2/10-3
法律による「緊急事態」への対応──井上報告へのコメント … 田代滉貴
田代コメントへの再応答 … 井上武史

【連載】憲法訴訟の醸成――実務と学説が導く可能性・13
憲法判例と比例原則――判例法理の内在的発展の可能性 … 柴田憲司

【連載】行政法の基礎理論・10-2 [最終回]
地方行政組織の構成原理に関する一考察(下)――公選制行政委員会の終焉に寄せて … 島村 健

【連載】平成民法学の歩み出し・10
契約法の多元性・再考――小粥太郎「フランス契約法におけるコーズの理論」 … 竹中悟人

 
 

【法律時評】
ロシアによるウクライナ軍事侵攻岩月直樹
(Web日本評論にて全文公開中。会員登録でお読みいただけます。登録は無料です)