◆2月号(87巻2号) 労働規制の緩和と労働契約論の課題

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安倍内閣が「成長戦略」の一環として進める労働法分野の規制緩和政策に対し、労働契約論はいかなる応答をなしうるか。規制緩和政策の批判的検討を通して、労働契約論の機能と課題を明らかにする。

 
 
<特集「労働規制の緩和と労働契約論の課題」より>

◆規制緩和政策と労働契約論

 1 規制緩和政策と労働契約
 (1) 本特集の目的
 安倍第2次内閣が2012年の12月に発足して以来、政府は、労働法分野の規制緩和政策を推進してきた。それは、同内閣が主導する経済の「成長戦略」に組み込まれたものであり、労働法分野の多くの領域で、政治情勢の影響を受けつつも、強硬かつ急ピッチで実現に移されようとしている。
 本特集は、労働法分野におけるこうした規制緩和政策について、労働契約論の視点から読み解こうとするものである。 … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!
 
 

—— 2015年2月号目次——

 

◇特集=労働規制の緩和と労働契約論の課題

規制緩和政策と労働契約論 … 野田 進
有期労働契約の無期転換政策のゆくえ――特例の創設と合意の「乱立」からみえるもの … 龔  敏
労働契約法理と限定正社員――「限定」性を形成する合意の労働契約法理上の意義 … 新屋敷恵美子
雇用の安定性を確保する労働者派遣法制とは何か … 高橋賢司
労働時間規制「改革」の動向と課題 … 中窪裕也
解雇法制をめぐる動向と課題 … 野川 忍
雇用特区と労働契約 … 野田 進

 

▼小特集 世論・裁判員裁判と死刑

日本の死刑論/死刑存廃論争の現状と再定位――企画趣旨説明を兼ねて … 伊東研祐
国際世論における日本の死刑――国際(人権)法の視点から … 德川信治
日本の世論は死刑を支持しているのか … 佐藤 舞
裁判員制度と死刑情報の開示――裁判員制度は「死刑の存廃判断の深化」をもたらし得るか … 若林秀樹
国民主権・民主主義は死刑を正統化しうるか――社会契約説の観点から … 関谷 昇
 
《座談会》 代理行為における要件と効果(上)――奥田昌道先生の問題提起を受けて
  … 奥田昌道・能見善久・金山直樹・水津太郎・山城一真・髙 秀成
 
泉南アスベスト事件最高裁判決の意義と問題点 … 松本和彦
 

【連載】憲法学のゆくえ・4-2
[座談会]憲法上の財産権保障と民法(前篇)
 … 水津太郎・宍戸常寿・曽我部真裕・山本龍彦
 
 
 
【連載】福島原発事故賠償の研究・10
原子力発電所事故による風評損害 … 渡邉知行
 
不意打ち解散で政権のリセット、高まる「憲法破壊」の跫音【法律時評】 … 高見勝利