◆5月号(86巻5号) 岐路に立つ憲法――その基礎概念・再考
憲法改正への強い執着を示す現政権下で、日本の憲法は現在どのような問題に立ち向かい、いかなる展望を描けるか。その基礎概念の再検討を通じて考察する。
◆企画の趣旨
2012年12月の衆議院議員選挙における自民党の大勝に引き続き、2013年7月に行なわれた参議院選挙における安倍政権の大勝という政治状況の中で、日本国憲法は、その制定以来最大の岐路に立っていることは否定すべくもない。「戦後レジームからの脱却」という政治的意欲を本源的なエネルギーとして展開されている現政権による憲法改正運動は、……(本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!)
—— 2014年5月号目次——
◇特集=岐路に立つ憲法――その基礎概念・再考
企画の趣旨 … 山元 一
日本国憲法前文における「国家の名誉」 … 蟻川恒正
(※本文内容に一部訂正があります。→訂正・追録履歴)
日本国憲法と立憲主義――何を考えるべきか … 井上武史
「国民の代表者」と「日本国の象徴」 … 西村裕一
人権と国家権力――「公共の福祉」の多元的機能 … 玉蟲由樹
日本国憲法とデモクラシー … 上田健介
平和主義・国際貢献・集団的自衛権 … 横大道 聡
▼小特集 日仏民法セミナー 損害論──伝統と現代
はじめに … 金山直樹
序論――損害概念について … 森田宏樹
純粋経済損失 … 中原太郎
身体損害 … 幡野弘樹
不法行為における損害と契約における損害との区別 … 齋藤哲志
機会の喪失 … 小林和子
損害軽減義務 … 馬場圭太
集団的損害 … 都筑満雄
環境損害 … 小野寺倫子
総括 … 荻野奈緒
▼特別企画 行政不服審査法改正の論点
行政不服審査法改正の論点 … 前田雅子
行政不服審査法改正と救済態様 … 稲葉一将
行政不服審査法改正と行政不服審査における審理体制のあり方
――審理員・行政不服審査会 … 大橋真由美
地方自治体における行政不服審査 … 洞澤秀雄
(※本文内容に一部訂正があります。→訂正・追録履歴)
執行対象財産を特定できない現状の打開策
――財産照会手続等の創設を含む財産探知人制度の提案 … 小栁茂秀
被疑者取調べにおける黙秘権告知と憲法38条1項
――黙秘権告知は黙秘権の内容に含まれるのか … 関口和徳
【連載】イギリス憲法の実像――その歴史的文脈・30 … 戒能通厚
【連載】憲法学のゆくえ・1-2
[座談会]憲法と刑事法の交錯(前篇)
… 亀井源太郎・宍戸常寿・曽我部真裕・山本龍彦
【連載】福島原発事故賠償の研究・2
原子力損害賠償紛争審査会「中間指針」の性格――審議経過から見えてくるもの … 吉村良一
【連載】強行法と任意法
法人法規定の強行法規性 … 織田博子
プーチンの「法治国家」とクリミア問題【法律時評】 … 渋谷謙次郎