◆10月号(89巻11号) 相続法の分析と構築

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現在改正に向けて議論が進められている相続法。本特集では、日本の相続法における構造的不備を捉え、この相続法の改正に関わる基本問題をテーマに抜本的な議論を試みる。

 
<特集「相続法の分析と構築」より>

◆相続法の分析と構築――企画の趣旨

 1 相続法改正の抱える困難
 相続法の改正作業が行われている。今回の相続法改正提案においては、非嫡出子相続分最高裁違憲決定を契機とするもともとの改正経緯から予期されたのは、配偶者の保護という課題であったが、それを超えて多くの点が対象となっている。 … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!
 
 
 

—— 2017年10月号目次——

 

◇特集=相続法の分析と構築

相続法の分析と構築――企画の趣旨 … 水野紀子
相続という制度 … 窪田充見
相続による債権・債務の承継――預貯金債権の共同相続を中心に … 白石 大
遺産の管理――遺産分割の遡及効からの考察 … 小粥太郎
具体的相続分と持戻し … 阿部裕介
遺言と登記をめぐる相続法改正の課題 … 田髙寛貴
遺言執行――民法の規定の特色とその背景 … 加毛 明
遺留分減殺請求権 … 潮見佳男
特別縁故者に対する相続財産分与 … 久保野恵美子
信託と遺留分 … 角 紀代恵
試金石としての相続法改正――その背景・意義・現状 … 西 希代子

 
 

▼小特集 責任無能力者による不法行為と「家族」の責任


企画趣旨――問題の所在 … 窪田充見
近時の判例にみられる監督義務者責任の流れとその評価
 ――サッカーボール事件・JR東海事件を中心に … 前田陽一
不法行為責任と「家族」の関わり … 久保野恵美子
認知症の影響下にあって生じた事故の損失への対処
 ――考えられる制度設計 … 手嶋 豊
監督義務者責任を巡る対立する要請と制度設計 … 大塚 直
最高裁判決の意義と今後の制度設計のあり方 … 米村滋人
 
 
性犯罪規定の改正 … 樋口亮介
 
 
【新連載】原発問題から検証する公法理論・1-1
原子力法制度に求められる機能とは何か(上) … 山下竜一
 
【新連載】拐取罪を巡る比較法的・沿革的分析・1-1
企画趣旨 … 深町晋也
ドイツ刑法における未成年者の引離しを巡る議論状況(上)
 ――両親による子の奪い合い事例を中心に … 深町晋也
 
【連載】戦後憲法学の70年を語る――高橋・高見憲法学との対話・1-3
第3回 国民主権からデモクラシーへ――ドイツ憲法研究とフランス憲法研究(2)
  … 高橋和之・高見勝利/宍戸常寿・林 知更・小島慎司・西村裕一
 
【連載】民法理論の対話と創造・9-2
個人保証規制のあり方を考える(下)――フランスにおける事業債務の保証規制を手がかりに
  … 齋藤由起
 
【連載】労働法理論の探究・3-2
労働法における法律行為(下)――意思と合理性の史的位相変化 … 米津孝司
 
【連載】債権法判例の行方・4
相殺における「相互性」「合理的期待」「牽連性」 … 石田 剛
 
新仮想通貨に関するいくつかの「大きな」問題【法律時評】 … 小塚荘一郎
 
供述心理学で「嘘」は見抜けるか――大崎事件再審開始決定鹿児島地決平成29年6月28日に接して
 【判例時評】 … 水野智幸