◆10月号(84巻11号) 「取り残された」会社法罰則の検証

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会社法秩序を取り巻く環境変化や刑事法・刑事行政における揺らぎをふまえ、会社法と刑事法との対話を通して、会社法中の刑罰によるエンフォースの意義について考察する。

 
<特集『「取り残された」会社法罰則の検証』より>

◆序論――会社法秩序の変容とその規律手段としての刑事法の役割

1 企画の趣旨
 会社法制にあっては、その時々の経済状況の激変に伴い、不正な企業運営が明るみに出たことに対応して、明治44年改正、昭和13、25、49、56年改正そして平成9年改正にあって、効果的な規則手段として罰則規定群が整備された。これらの会社法罰則規定群は、現時点までに抜本的な改革はなされず、「取り残された」ままとなっている。 … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!

 

—— 2012年10月号目次 ——

 

◇特集=「取り残された」会社法罰則の検証

序論――会社法秩序の変容とその規律手段としての刑事法の役割 … 山田泰弘
会社法における開示規制・分配規制への刑事的制裁 ●会社法からの分析 … 久保大作
資本制度の変容と開示・剰余金分配の規律としての罰則規定
 ――会社の財産を危うくする罪 ●刑事法からの分析 … 神例康博
資本制度の変容と出資行為の規律としての罰則規定
 ――預合いと見せ金 ●会社法からの分析 … 小出 篤
資本制度の変容と出資行為の規律としての罰則規定
 ――預合いと見せ金 ●刑事法からの分析 … 川崎友巳
「株主権行使に関する利益供与」に関する規律 ●会社法からの分析 … 久保田安彦
「株主権行使に関する利益供与」に関する規律 ●刑事法からの分析 … 松宮孝明
会社経営の規律の重層化と刑事罰の規律の意義
 ――特別背任罪と図利目的なき経営判断の刑事責任 ●会社法からの分析 … 松井秀征
会社経営の規律の重層化と刑事罰の規律の意義
 ――特別背任罪と図利目的なき経営判断の刑事責任 ●刑事法からの分析 … 伊東研祐
総論的分析――会社法学と刑事法学とのクロスオーバー … 伊東研祐・山田泰弘

 
◇9月号特集補遺・国際社会におけるルール形成と国内法
マネー・ロンダリング規制と組織犯罪対策 … 新倉 修
 
発声障害をもつ議員の発言保障 … 川崎和代
 
性同一性障害の夫婦による嫡出子出生届をめぐる法律問題・下 … 梶村太市
 

▼日仏物権法セミナー(第2回) 21世紀における物権法の改正に向けて――日仏比較研究

はじめに――開催の経緯 … 金山直樹
物権と債権の区別 … 森田宏樹
財に関する共通法と特別法 … 吉井啓子
財産の管理――信託、用益権および委任 … 片山直也
財の法、担保法における個人の意思 … 平野裕之
有体物と無体物の占有 … 金山直樹
物権法セミナー質疑について … 小柳春一郎・山城一真・原恵美・高秀成
 (※本文内容に一部訂正があります。→訂正・追録履歴
21世紀の「財の法」構築に向けて――第2回日仏物権法セミナー総括 … 吉田克己
 
【連載】イギリス憲法の実像――その歴史的文脈・17 … 戒能通厚
 
【連載】強行法と任意法
学説・判例にみる親族編・相続編規定の強行法規性 … 前田 泰
 
【連載】刑事訴訟法理論の探究
犯罪対策と新しい捜査手法 … 内藤大海
 
国会の現状をどうみるか【法律時評】 … 只野雅人