◆5月号(97巻5号)「法律」の現代的意義と課題

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いま、「法律」の役割は損なわれつつあるのか。法律の現代的意義と課題を、民主主義的意義と自由主義的意義に分けて検討する。

企画趣旨

 法形式としての「法律」の地位は、長年にわたって脅かされてきた。「議会の世紀」ともいわれた19世紀が終わると、20世紀には行政国家化、司法国家化が喧伝され、行政立法や判例法の重要性が増すことになった。そして、今日では、ソフトローやガバナンスによる規律の重要性が強調される。こうした状況の中 … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!

——2025年5月号目次——

◇特集 「法律」の現代的意義と課題

総論――企画趣旨説明を兼ねて … 曽我部真裕
現代における「法律」の憲法学的意義――ドイツ公法学の観点から … 宮村教平
くじ引き民主主義と民意の反映 … 石原佳代子
立法評価――立法の質を向上するための制度及び手法に関する考察 … 木下和朗
内閣法制局の立案事務の活用可能性に関する考察――A wakening of the Inflexible Bureau ? … 奥村公輔
法制執務の観点から見た「法律」の変容と課題――法令の一部改正における「新旧対照表」方式について … 橘 幸信
法の多元化・ソフト化と議会制定法の役割・あり方 … 川﨑政司

◇特別企画 受刑者の選挙権を考える(下)
――普通選挙100年からその先へ

憲法問題としての受刑者選挙権――象徴的論証による選挙権剥奪の終わりに向けて … 木下昌彦

[座談会]憲法学・国際人権法学・刑事政策学との対話から
江島晶子・長谷部恭男・本庄 武・吉田京子・木下昌彦(司会)

論説

弁護士に法律事務所の名称変更を求める権利はないのか? … 長谷部恭男

台湾におけるディープフェイクによる性的画像に関する刑法規制の動向(上) … 黄 士軒

メタ「法学入門」・7
民法学 その1 … 小粥太郎

法的判断において「議論」が果たす役割の諸相――法学と議論学との協働・4
要件事実論は普遍的な議論か――要件事実論をウィーン売買条約(CISG)にあてはめてみた … 曽野裕夫

民事法律扶助制度の改革・3
民事法律扶助制度をめぐる実証と理論 … 橋場典子

憲法と家族法の交錯・5
令和6年民法改正と親権法の今後の検討課題 … 石綿はる美

行政法学のリ・デザイン――二元的思考を超えて・14-2
憲法学に学んで比例原則を鍛えなおす(下)――行政法における目的と利益衡量 … 興津征雄

名誉毀損・侮辱を巡る比較刑法研究・1-3
ドイツにおける名誉に対する罪(3) … 嘉門 優

拘禁刑時代の施設内処遇・7
刑事施設で治療的関係性を構築するには … 毛利真弓

公判外供述の比較法研究・4-1
イギリスの刑事手続上の公判外供述(1) … 佐藤友幸

法律時評

AIと知的財産権――「温故知新」と「不易流行」小島 立

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