◆10月号(88巻11号) 民法と戸籍制度

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実体的な法律関係を反映させるもの以上の性格を有する戸籍制度は、戦後「家」制度が廃止され、新たに築かれた家族法といかに関わるか。深く論じられてこなかった難題を問う。

 
<特集「民法と戸籍制度」より>

◆企画趣旨

 家族法に関わる問題を扱う場合、民法の規定とともに戸籍法が重要な意味を有していることは、あらためて確認をするまでもない。ごく概略的には、身分に関する実体法を規律するのが民法であり、形式的な側面を規律するのが民法であり、形式的な側面を規律するのが戸籍法だということができる。その点では、実体的な権利を定める民法(物権法)とその権利関係を公示する登記制度を規律する不動産登記法とに対応するような起案系を見出すことができる。 … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!
 
 

—— 2016年10月号目次——

 

◇特集=民法と戸籍制度

企画趣旨 … 窪田充見
身分法としての民法の変容と戸籍 … 岩志和一郎
〈戸籍〉の成立 … 小野博司
韓国の戸籍制度と住民登録制度 … 金 敏圭
現在の戸籍制度が果たしている役割 … 増田勝久
戸籍の虚偽記載と訂正等をめぐる問題 … 水野紀子
戸籍制度と氏をめぐる問題 … 常岡史子
戸籍法の立法的課題 … 床谷文雄

 
 

▼小特集 性犯罪処罰の基本問題

企画趣旨 … 樋口亮介
強制わいせつ罪におけるわいせつ概念について … 佐藤陽子
性犯罪における「暴行脅迫」について … 嶋矢貴之
児童に対する性犯罪規定を巡る現状と課題 … 深町晋也
性犯罪被害者の性的経歴に関する証拠 … 成瀬 剛
性犯罪の主要事実確定基準としての刑法解釈 … 樋口亮介
 
【連載】グローバル化と法の変容・10
グローバル化と開発法学――マルチラテラルな法形成への法学の対応 … 松尾 弘
 
【連載】憲法学からみた最高裁判所裁判官・18
初めての女性最高裁判事――高橋久子 … 齊藤 愛
 
【連載】「国家と法」の主要問題・16
聖獣物語――中性国家のわいせつ性に関する憲法哲学的断章 … 金井光生
 
【連載】民法理論の対話と創造・4-1
財貨帰属と代位法理(上) … 水津太郎
 
イギリスのEU脱退国民投票と法【法律時評】 … 中村民雄