訃報

志賀浩二(しが・こうじ)氏(東京工業大学名誉教授)が2月17日に逝去された.享年93歳.専門は微分位相幾何学.
矢野健太郎氏に師事.東京工業大学教授と桐蔭横浜大学教授を歴任.深い思索に基づく数学啓蒙書を執筆,多くの学徒に影響を与えた.主な著書に『数学30講シリーズ(全10巻)』(朝倉書店),『多様体論』『数学が生まれる物語(全6巻)』『中高一貫数学コース(全11巻)』(岩波書店),『無限からの光芒』『数の大航海』(日本評論社)など多数.雑誌『数学のたのしみ』(日本評論社)を発案し,企画・編集に深く携わった.第1回日本数学会出版賞受賞.小誌にも1960年代より多くの記事をご寄稿いただいた.

加藤順二(かとう・じゅんじ)氏(東北大学名誉教授)が2023年1月30日に逝去された.享年87歳.専門は常微分方程式,有限または無限の遅れをもつ微分方程式の定性的研究.
著書・訳書に『関数方程式』(筑摩書房,1974年),『常微分方程式』(朝倉書店,1978年),ハラナイ『微分方程式』上・下(吉岡書店,1968年,1974年),レフシェッツ『非線形制御系の安定性』(産業図書,1974年)など.また高校の数学教科書(数研出版)の編集・執筆にも力を注がれた.

江沢洋(えざわ・ひろし)氏(学習院大学名誉教授) が9月10日に逝去された.享年91歳.専門は理論物理学.2011年瑞宝中綬章.
場の量子論をはじめとして幅広く業績がある.物理教育・普及活動にも力を注ぎ,とくに教科書・入門書を多様な分野で執筆,多くの学徒に影響を与えた.主な著書に『だれが原子をみたか』(岩波書店,1976,現在は岩波現代文庫所収),『演習詳解 力学』(中村孔一・山本義隆との共著,東京図書,1984,現在はちくま学芸文庫所収),『相対性理論』(裳華房,2008),『江沢洋選集I-VI』(日本評論社,2018-2020)など.小誌でも1977年5月号「物理的直感と数学」から2018年5月号「科学エッセイの楽しみ」まで,多数の記事をご執筆いただいた.

伊東俊太郎(いとう・しゅんたろう)氏(東京大学名誉教授)が9月20日に逝去された.享年93歳.専門は歴史学.2009年瑞宝中綬章,2020年文化功労者.
中世科学史・ギリシャ数学史等の科学史,比較文明論にて顕著な国際的業績を挙げた.主な著書に『近代科学の源流』(中央公論社,1978,現在は中公文庫所収),『比較文明』(東京大学出版会,1985),『十二世紀ルネサンス』(岩波書店,1992,現在は講談社学術文庫所収),『伊東俊太郎著作集』(全12巻,麗澤大学出版会,2008-2010)など.小誌には1970年代からご登場いただき,最近では2012年6, 7月号座談会「世界史の中の数学」にご参加いただいた.

デイヴィド・B・シングマスター(David B. Singmaster)氏(ロンドン・サウス・バンク大学名誉教授)が2月13日に逝去された.享年84歳.
アメリカ生まれ.ルービックキューブの研究やメカニカルパズルの収集で著名.パスカルの三角形に現れる数の重複に関する「シングマスター予想」(小誌2022年9月号「せいすうたん」参照)が彼の名に因んで命名されている.
邦訳著書に『シングマスター教授の千思万考パズルワールド』(共立出版,2019)がある.

荒木不二洋(あらき・ふじひろ)氏(京都大学名誉教授)が昨年12月16日に逝去された.享年90歳.
荒木-ウッズ因子環の構成など,場の量子論の基礎や作用素環論等に多大な業績がある.1996年朝日賞,2003年ポアンカレ賞,2007年フンボルト賞受賞.
著書に『統計物理の数理』(岩波書店)など.小誌では1965年以降,「生い立ちの記」(わが師・わが友・わが数学,1981年9月号)等多数の記事をご執筆いただいた.

ユーリ・イヴァノヴィチ・マニン(Yuri Ivanovich Manin)氏(マックス・プランク数学研究所名誉所長)が1月7日に逝去された.享年85歳.
ソ連生まれ.代数幾何学等の分野に顕著な功績があり,ガウス-マニン接続,マニン-マンフォード予想などが彼にちなんで名付けられている.1999年ショック賞受賞.
小誌では1990年9月号にインタビュー記事「できることなら,あらゆることをやりたい」(聞き手:浪川幸彦)を掲載している.

佐藤幹夫(さとう・みきお)氏(京都大学数理解析研究所名誉教授)が1月9日に逝去された.享年94歳.
代数解析学の分野で世界をリードする研究を行い,とくに佐藤超函数の理論の創始で著名.1969年朝日賞,1997年ショック賞,2003年ウルフ賞など受賞多数.
小誌では「私の数学/佐藤超函数とその周辺」(1981年4月号)や「佐藤幹夫 数学を語る/超函数から超局所解析まで」(増刊『数学の50年』)等のインタビューでご登場いただいた.

諏訪紀幸(すわ・のりゆき)氏(元・中央大学理工学部)が11月14日に逝去された.
1955年生まれ.専門は代数幾何学.著書に『有限体と代数曲線』(朝倉書店,2021)がある.
小誌では,2006年12月号「ヴェイユ」(特集「1906年生まれの数学者」),2019年5月号「群と環/透き通った言葉として」(特集「大学数学のキーポイント(後篇)」)等,たびたびご登場いただいた.

小松彦三郎(こまつ・ひこさぶろう)氏(東京大学名誉教授)が10月2日に逝去された.享年87歳.
専門は関数解析と微分方程式.佐藤幹夫氏の創始した佐藤超関数の理論を発展させたことで著名.後年は和算の研究に従事.1969年度朝日賞受賞,2015年春の瑞宝中綬章受章.
著作に『超関数論入門』(岩波講座基礎数学,1988),「暗記のすすめ」(小平邦彦編『新・数学の学び方』,岩波書店,2015所収)などがある.
小誌では,1963年5月号の座談会「私のえらぶ数学入門書」等でご登場いただいた.

後藤四郎(ごとう・しろう)氏(明治大学名誉教授)が7月26日に逝去された.享年76歳.
専門は可換環論.著書に『可換環論』(渡辺敬一氏との共著,日本評論社),『可換環論の勘どころ』(共立出版)がある.小誌では,増刊『数学ガイダンス2018』にて「数学を学ぶ上での心構え」をご執筆いただいた.

ソール・アーロン・クリプキ(Saul Aaron Kripke)氏(ニューヨーク市立大学教授,プリンストン大学名誉教授)が9月15日に逝去された.享年81歳.
アメリカ生まれ.数理論理学,言語哲学に多大な業績がある.数理論理学では,可能世界論やクリプキモデルと今日呼ばれる,様相論理の意味論の導入でとくに著名.2001年ショック賞受賞.邦訳著書に『名指しと必然性――様相の形而上学と心身問題』(八木沢敬,野家啓一訳,産業図書),『ウィトゲンシュタインのパラドックス――規則・私的言語・他人の心』(黒崎宏訳,筑摩書房)がある.

ジョン・ヘンリー・コーツ(John Henry Coates)氏(数学者,ケンブリッジ大学名誉教授)が5月9日に逝去された.享年77歳.
オーストラリア出身.専門は整数論.特に楕円曲線論および岩澤理論で世界をリードする研究を行った.フェルマーの最終定理の解決で知られるアンドリュー・ワイルスはその学生であり,ワイルスとの共同研究では,バーチ-スウィナートン・ダイヤー予想について重要な成果をあげた.短歌や源氏物語などの平安文学を愛し,江戸時代の貴重な陶器を収集するなど,日本文化にも造詣が深かった.

ジャック・ティッツ(Jacques Tits)氏(コレージュ・ド・フランス名誉教授)が2021年12月5日に逝去された.享年91歳.専門は群論.
群論における「建物(ビルディング)」の概念を導入し,ティッツ群やティッツ択一性などに名を残している.
1993年にウルフ賞数学部門を,2008年にJ.G. トンプソン氏とともにアーベル賞を,それぞれ受賞した.

辰馬伸彦(たつうま・のぶひこ)氏(数学者)が7月13日に逝去された.享年90歳.専門は表現論.
著書に『位相群の双対定理』(紀伊國屋書店)がある.
今月号の連載「対称性のさざなみ」(梅田亨)に追悼文がありますので,あわせてご覧ください.

岩井齊良(いわい・あきら)氏(京都大学名誉教授)が8月6日に逝去された.1936年生まれ.専門はホモロジー代数.
著書に『ホモロジー代数入門』(サイエンス社)などがある.高校の数学教科書の執筆にも関わった.
小誌では「カテゴリーの考え方」(1982年11月号)以降,特集や「エレガントな解答をもとむ」などで多数の記事をご執筆いただいた.

鍜治真起(かじ・まき)氏(株式会社ニコリ創業者)が8月10日に逝去された.享年69歳.
1983年ニコリを設立,『パズル通信ニコリ』編集長を長年務め,良質のペンシルパズルを発信し続けた.アメリカのパズル「Number Place」を「数独」と名付け日本で展開,後年「Sudoku」として海外に輸出し大ヒットとなった.
小誌でも2010年からの6年間,ニコリ社にパズルを出題していただいた.

加古孝(かこ・たかし)氏(電気通信大学名誉教授)が,3月2日に逝去された.享年74歳.専門は応用数理,数値解析.
著書に,『自然科学の基礎としての微積分』(朝倉書店),『MPEG理論と実践』(共著,NTT出版),『数値計算』(コロナ社)などがある.
小誌では1970年代にご登場いただき,「エレガントな解答をもとむ」の常連出題者などとして長年ご執筆いただいた.

楠幸男(くすのき・ゆきお)氏(京都大学名誉教授)が,3月22日に逝去された.享年95歳.専門は複素解析学,複素函数論.
著書に,『解析函数論』(廣川書店),『函数論』(朝倉書店),『現代の古典 複素解析』(現代数学社)などがある.
小誌では1960年代にご登場いただき,「ワイルと複素函数論」(1985年9月号)などをご執筆いただいた.

三村昌泰(みむら・まさやす)氏(広島大学・明治大学名誉教授)が,4月8日に間質性肺炎のため逝去された.享年80歳.専門は現象数理学,非線形解析学.
編著に『パターン形成とダイナミクス』『現象数理学入門』(いずれも東京大学出版会)などがある.
小誌では1980年代にご登場いただき,連載「生態系の数理現象学」(共著,1982年5月号~1984年6月号,1987年5月号~1989年6月号),「数理モデルができるまで」(編著,2020年4月号~連載中)など数多くの記事をご執筆いただいた.

イサドール・シンガー(Isadore Manual Singer) 氏(マサチューセッツ工科大学・カリフォルニア大学バークレー校名誉教授)が2月11日に逝去された.享年96歳.専門は微分方程式・トポロジーなど.
マイケル・アティヤとともに行ったアティヤ-シンガーの指数定理の研究などで知られ,2004年にアーベル賞を受賞した.

安野光雅(あんの・みつまさ)氏(画家・装幀家・絵本作家)が2020年12月24日に逝去された.享年94歳.
画家としてのみならず,数学・科学・文学などに非常に造詣が深く,豊富な知識と想像力を駆使した作品を数多く発表した.
著書に『ABCの本』(福音館書店),『算私語録』(朝日新聞社),『対談 数学大明神』(森毅共著,ちくま学芸文庫)などがある.
小誌では,1960年代から登場いただき,連載「算私語録」(1978年月3号~1987年1月号)などを執筆いただいた.

細井勉(ほそい・つとむ)氏(元・東京理科大学)が2020年12月28日に逝去された.享年83歳.専門は数理論理学.
著書に『算数・数学の迷い路』『はじめて学ぶイプシロン・デルタ』『数学とことばの迷い路』(いずれも日本評論社)などがある.
小誌では,1960年代から数多くの記事を執筆いただき,「エレガントな解答をもとむ」の出題も担当いただいた.

齋藤正彦(さいとう・まさひこ)氏(東京大学名誉教授)が2020年12月31日に逝去された.享年89歳.専門は解析学.
著書に『数のコスモロジー』(ちくま学芸文庫),『線型代数入門』(東京大学出版会),『はじめての群論』(日本評論社)などがあり,『線型代数入門』により日本数学会出版賞を受賞した.
小誌では,1960年代から登場いただき,連載「日本語から記号論理へ」(2009年4月号~2010年3月号)をはじめ,多くの記事を執筆いただいた.

高橋礼司(たかはし・れいじ)氏が2020年11月19日に癌のため逝去された.享年93歳.専門は表現論.
著書に『新版 複素解析』(東京大学出版会),『線型代数講義』(日本評論社),『線型代数(I), (II)』(放送大学教育振興会)があるほか,ブルバキにまつわる翻訳書が多数ある.
小誌では,創刊の頃より登場いただき,数多くの記事をご執筆いただいた.

佐々木力(ささき・ちから)氏が2020年12月4日に逝去された.享年73歳.専門は科学史・科学哲学.
著書に『近代学問理念の誕生』(岩波書店),『二十世紀数学思想』(みすず書房),「三上義夫著作集」「近藤洋逸数学史著作集」(編集,日本評論社)などがある.
小誌では,1980年代よりご登場いただき,数学史の話題をご執筆いただいた.

小柴昌俊(こしば・まさとし)氏(東京大学特別栄誉教授・名誉教授,東海大学特別栄誉教授)が,11月12日に逝去された.享年94歳.専門は,素粒子物理学,天体物理学など.
ニュートリノ観測などにおいて卓越した業績を挙げ,「天体物理学とくに宇宙ニュートリノの検出に対するパイオニア的貢献」により,2002年にノーベル物理学賞を受賞した.
著書に,『ニュートリノ天体物理学入門』(講談社ブルーバックス),『やれば、できる。』(新潮文庫),『ニュートリノの夢』(岩波ジュニア新書)などがある.
小誌では,「ノーベル物理学賞受賞・小柴昌俊インタビュー」(数学セミナー別冊『どうして、理科を学ぶの?』所収)にてご登場いただいた.

小林泰三(こばやし・やすみ)氏(小説家)が,11月23日に癌のため逝去された.享年58歳.
企業の研究所に勤める傍ら,ホラー,ミステリ,SF等の小説を執筆した.
著書に『玩具修理者』(角川ホラー文庫),『アリス殺し』(創元推理文庫),『海を見る人』,『見晴らしのいい密室』(ともにハヤカワ文庫)などがある.
小誌では,短編小説「探偵助手」(萩原学+小林泰三+平野美子著,2009年4月号)をご執筆いただいた.

久保田富雄(くぼた・とみお)氏(名古屋大学名誉教授)が,6月30日に逝去された.享年89歳.専門は整数論.
日本を代表する整数論研究者の一人で,久保田-レオポルドのp進L関数で著名.
著書に『数論論説』(牧野書店),『整数論入門』(朝倉書店)などがある.
小誌では「代数的整数論の発展と現状」(1976年7月号)をご執筆いただいた.

竹之内脩(たけのうち・おさむ)氏(大阪大学名誉教授)が,9月20日に逝去された.享年94歳.専門は関数解析学,数学史.
著書に『トポロジー』(廣川書店),『関数環』『ルベーグ積分』(培風館),『集合・位相』(筑摩書房),『関孝和の数学』(共立出版),『微分方程式序論』(数学セミナー・リーディングス,日本評論社)などがある.
小誌では1970年代からご登場いただき,数多くの記事を執筆いただいた.

ジョン・D・バロウ(John D. Barrow)氏(ケンブリッジ大学)が,9月26日に大腸癌のため逝去された.享年67歳.専門は宇宙論,数理物理学.
一般読者向けの科学啓蒙書を数多く著しており,翻訳された著書として『宇宙はいかに創られたか』(共著,岩波書店),『宇宙に法則はあるのか』『無の本』『無限の話』『数学を使えばうまくいく』(いずれも青土社)などがある.

ヴォーン・ジョーンズ(Vaughan Frederick Randal Jones)氏(ヴァンダービルト大学特別教授,カリフォルニア大学バークレー校名誉教授,オークランド大学招聘教授)が,9月6日に逝去された.享年67歳.専門は作用素環論,数理物理学,低次元位相幾何学,代数解析学.
「ジョーンズの指数理論」や「ジョーンズ多項式」などで知られ,作用素環とトポロジーなど,これまで遠いと思われていた分野間の密接な関係を明らかにした.1990年にフィールズ賞を受賞している.

銀林浩(ぎんばやし・こう)氏(明治大学名誉教授)が,8月18日に逝去された.享年93歳.専門は数学教育.
数学教育協議会に初期から加わり,遠山啓氏や現場教師たちと実践を踏まえつつ「水道方式による計算体系」や「量の理論」を創出したことで知られる.1980年より約15年,委員長を務めた.
著書に『数の科学』『量の世界』(麥書房),『どうしたら算数ができるようになるか』(日本評論社),訳書に,『ファン・デル・ヴェルデン
現代代数学』(東京図書),『数学をつくった人びと』(E.T.ベル著,共訳,ハヤカワ文庫)などがある.
小誌では,1960年代より数多くの記事をご執筆いただいた.

ロナルド・ルイス・グラハム(Ronald Lewis Graham)氏(カリフォルニア通信情報技術研究所/カリフォルニア大学サンディエゴ校)が7月6日に逝去された.享年84歳.専門は計算機科学.
組合せ数学,情報科学,グラフ理論,スケジューリング理論などにおいて重要な業績を残し,2003年にスティール賞を受賞した.
日本語での著書に『離散数学入門』(共著,朝倉書店)などがある.小誌では,「グラハム博士中学生に語る 数学はわくわくするほどおもしろい」(1986年1月号)でご登場いただいた.

高田敏恵(たかた・としえ)氏(九州大学)が4月11日に逝去された.専門はトポロジー,結び目・3次元多様体の量子不変量.
小誌では「今月のひと」(1994年4月号),「3次元多様体の量子不変量の誕生(現代数学スナップショット・量子不変量をめぐって)」(1998年6月号)にてご登場いただいた.

中村義作(なかむら・ぎさく)氏(静岡県立大学名誉教授)が6月4日に逝去された.享年92歳.専門は情報工学,組合せ論,レクリエーション数学.
著書に,『マンホールのふたはなぜ丸い?』(日本経済新聞社),『美の幾何学』(共著,中央公論社),『ゲームにひそむ数理』(共著,森北出版)など多数あり,2017年に日本数学会出版賞を受賞した.
小誌では1970年代からご登場いただき,「エレガントな解答をもとむ」を長年ご出題いただいた.

ジョン・ホートン・コンウェイ(John Horton Conway)氏(プリンストン大学名誉教授)が新型コロナウイルス感染による合併症により4月11日に逝去された.享年82歳.専門は代数学.
対称群・モンスター群などの研究をはじめ,生命の誕生や死をコンピューターでシミュレーションする「ライフゲーム」,巨大数におけるチェーン表記を考案したことでも知られる.
邦訳された著書に,『数の本』(共著,丸善出版),『四元数と八元数』(共著,培風館),『素数が香り,形がきこえる』(丸善出版)などがある.

キャサリン・ジョンソン(Katherine Johnson)氏(元・アメリカ航空宇宙局(NASA))が2月24日に逝去された.享年101歳.専門は軌道力学.
軌道計算の専門家として35年間NASAで活躍し,映画『ドリーム』の主人公のモデルとなった.

リチャード・ガイ(Richard K. Guy)氏(カルガリー大学名誉教授)が3月9日に逝去された.享年103歳.専門は数論,組合せ論,レクリエーション数学.
著書に『数論「未解決問題」の事典』(朝倉書店),『数の本』(共著,丸善出版),『数学ゲーム必勝法(1)~(4)』(共著,共立出版)などがある.

ルイス・ニーレンバーグ(Louis Nirenberg)氏(ニューヨーク大学名誉教授)が1月26日に逝去された.享年94歳.専門は解析学.
2010年に「非線形楕円型偏微分方程式の現代理論の構築への貢献と,その分野の学生とポスドクを数多く育成したこと」によりチャーン賞を受賞した.

野村隆昭(のむら・たかあき)氏(九州大学名誉教授)が1月27日に逝去された.享年66歳.専門は幾何学的調和解析学.
著書に『微分積分学講義』『複素関数論講義』(ともに共立出版),『球面調和函数と群の表現』(日本評論社)などがある.
小誌では,「微積は計算だけ?」(2015年6月号,『大学数学の質問箱』所収),「駆け足で巡るフーリエ変換」(2018年3月号)を執筆いただいた.

金田康正(かなだ・やすまさ)氏(東京大学名誉教授)が2月11日に逝去された.享年70歳.専門は計算機科学.円周率のコンピュータによる計算の世界記録を更新したことで知られている.
著書に『πのはなし』(東京図書),『スパコンとは何か』(ウェッジ)などがある.
小誌では,「計算機によるπの計算」(1989年3月号),「πの計算とスーパーコンピュータ」(1990年4月号),「πを求める公式」(1993年11月号)などを執筆いただいた.

入江昭二(いりえ・しょうじ)氏が2019年12月23日に逝去された.享年92歳.専門は関数解析,関数方程式.
著書に『常微分方程式』,『複素関数論』,『フーリエの方法』(いずれも内田老鶴圃)などがある.
小誌では,1970年代を中心にご執筆いただいた.

赤攝也(せき・せつや)氏が11月4日に逝去された.享年93歳.専門は数学基礎論,大域解析.
著書に『微分学』『積分学』『実数論講義』(いずれも日本評論社),『数学序説』(吉田洋一と共著)『集合論入門』『確率論入門』(いずれもちくま学芸文庫)などがある.
『数学セミナー』創刊の1962年より,およそ30年間編集顧問を務めた.

和田誠(わだ・まこと)氏が10月7日に逝去された.享年83歳.イラストレーターとして活動するかたわら,映画監督やエッセー執筆など多彩な分野で活躍された.
1964年から80年代初頭まで,SYSTEM5の連載をはじめとする小誌のイラストをご担当いただいた.

ジョン・テイト(John T. Tate)氏(ハーバード大学名誉教授)が10月16日に逝去された.享年94歳.専門は代数的整数論,数論幾何学,代数幾何学.
数論・代数幾何学におけるテイト予想や,数論における佐藤-テイト予想などで知られ,整数論への甚大かつ永続的な影響力に対して2010年度のアーベル賞が授与された.

寺澤順(てらさわ・じゅん)氏が6月18日に逝去された.享年72歳.専門は,集合論的位相空間論,コンパクト空間論,次元論.
著書に『πと微積分の23話』『はじめてのルベーグ積分』『トポロジーへの招待』『現代集合論の探検』(いずれも日本評論社)がある.
小誌では,「位相の質問箱」(2014年6月号特集,『大学数学の質問箱』所収)にてご登場いただいた.

清水達雄(しみず・たつお)氏(元・清水建設株式会社)が6月24日に逝去された.享年91歳.専門は数学と語学.
1950年代に,谷山豊,久賀道郎,杉浦光夫らとともに「新数学人集団(SSS)」を設立し団長を務める.企業の研究所で勤務するかたわら,『数学セミナー』創刊の1962年より,およそ30年間編集顧問を務めた.
著書に,『数と形の探索』『方形分割』(日本評論社),『文字と言葉の世界一周』(東京図書)など多数あり,「ブルバキ『数学原論』シリーズ」(東京図書)の編集委員・翻訳などを担当された.

志村五郎(しむら・ごろう)氏(プリンストン大学名誉教授)が5月3日に逝去された.享年89歳.専門は整数論.楕円関数の性質に関する「志村-谷山予想」を提唱し,「フェルマーの最終定理」の解決に貢献した.
著書に『数学をいかに使うか』『数学の好きな人のために』『数学で何が重要か』『数学をいかに教えるか』(いずれも筑摩書房)などがある.

岡本清郷(おかもと・きよさと)氏(広島大学名誉教授)が3月26日に逝去された.享年83歳.専門は幾何学.
著書に『フーリエ解析の展望』(朝倉書店),『等質空間上の解析学』(紀伊國屋書店),
『数学まなびはじめ(第1集)』(共著,日本評論社)などがある.

高橋陽一郎(たかはし・よういちろう)氏(京都大学名誉教授)が3月3日に逝去された.享年72歳.専門は確率解析・力学系理論.
著書に『力学と微分方程式』(岩波書店),『実関数とFourier解析(1)(2)』(岩波書店),『漸近挙動入門』(日本評論社),『伊藤清の数学』(編集,日本評論社)などがある.
小誌では,1980年代からご登場いただき,連載「漸近挙動で何が見えるか」(2000年4月~2001年3月号)などを担当いただいた.

吉沢尚明(よしざわ・ひさあき)氏(京都大学・岡山理科大学名誉教授)が3月6日に逝去された.享年95歳.専門は表現論,函数解析学.
著書に『多変数超幾何函数』(監修,日本評論社),『20世紀の数学』(共著,日本評論社)などがある.

梅村浩(うめむら・ひろし)氏(名古屋大学名誉教授)が3月8日に逝去された.享年74歳.専門は代数幾何学.
著書に『楕円関数論』(東京大学出版会)などがある.
小誌では,「20世紀数学におけるブルバキの役割/P.カルチエ氏にきく」(2013年10月号),「微分方程式のガロア理論/その起源と発展」(1992年7月号),「数学は構造の学問?」(1994年1月号)などを担当いただいた.

江口徹(えぐち・とおる)氏(東京大学・京都大学名誉教授)が1月30日に心不全のため逝去された.享年70歳.専門は素粒子物理学.
著書に『共形場理論』(共著,岩波書店),『数理物理 私の研究』(共編,丸善出版)などがある.
小誌では,1990年代からご登場いただき,「デュアリティーと超対称性(1)(2)」(1996年4~5月号),「数学に期待する[物理学]:素粒子論と数学」(1998年5月号),「ミラー対称性とは」(2006年10月号,リレー連載・ミラー対称性入門)などを執筆いただいた.

杉原正顯(すぎはら・まさあき)氏(青山学院大学教授)が1月5日に逝去された.享年64歳.専門は数値解析.
著書に『線形計算の数理』(共著,岩波書店),『複素関数論』(共著,岩波書店)など多数ある.
小誌では,連載「応用から生まれつつある新しい数学…数理工学」(2006年4月号~2007年3月号)の編纂をご担当され,後に『数理工学最新ツアーガイド』(共編,日本評論社)として書籍化された.

マイケル・アティヤ(Michael F. Atiyah)氏が1月11日に逝去された.享年89歳.専門は幾何学・微分方程式・数理物理学など多岐に亘る.1966年にフィールズ賞,2004年にアーベル賞を受賞した.
邦訳された著書に『可換代数入門』(共立出版),『アティヤ 数学とは何か』(朝倉書店)などがある.
小誌では,「マイケル・アティアとのインタビュー」(1984年9月号),「科学者はなにができるか」(1997年1月号)でご登場いただいた.

米沢富美子(よねざわ・ふみこ)氏(慶應義塾大学名誉教授,元・日本物理学会会長)が1月17日に逝去された.享年80歳.専門は物性理論.
著書に,『ブラウン運動』(共立出版),『猿橋勝子という生き方』(岩波書店),『人生は,楽しんだ者が勝ちだ』(日本経済新聞出版社)など多数ある.

垣田高夫(かきた・たかお)氏(早稲田大学名誉教授)が2018年10月11日に逝去された.享年90歳.専門は偏微分方程式論,関数解析学.
著書に『シュワルツ超関数入門』,『フーリエ解析と超関数』,『ルベーグ積分しょーと・こーす』(いずれも日本評論社)などがある.
小誌では,1980年代からご登場いただき,「超関数から見た演算子法」(1982年7月号),「リーマン積分とルベーグ積分の比較」(1988年3月号)などを担当いただいた.

伊理正夫(いり・まさお)氏(東京大学名誉教授)が8月13日に逝去された.享年85歳.専門は数理工学.
著書に『数値計算』(朝倉書店),『線形計画法』(共立出版),『一般線形代数』(岩波書店),『線形代数汎論』(朝倉書店)など多数ある.
小誌では,1960年代よりご登場いただき,連載「セミナー 最大最小問題」(1964年10月~1965年11月号,不定期連載)などを担当いただいた.

本田欣哉(ほんだ・きんや)氏(立教大学名誉教授)が5月30日に逝去された.享年94歳.専門は無限アーベル群論.
著書に『アーベル群・代数群』(共立出版)がある.
小誌では,1960年代よりご登場いただき,連載「高木貞治の生涯」(1975年1月~1975年6月)などを担当いただいた.

アラン・ベイカー(Alan Baker)氏(元・ケンブリッジ大学)が2月4日に逝去された.享年78歳.専門は数論.
1970年に,ディオファントス方程式に関する功績により,フィールズ賞を受賞した.

増田久弥(ますだ・きゅうや)氏(東北大学名誉教授)が2月27日に逝去された.享年80歳.専門は非線形解析学.
著書に『発展方程式』(紀伊國屋書店),『関数解析』(裳華房)などがある.
小誌では,「第19問題 正則な変分問題の解は常に解析的か」(1994年2月号,特集「ヒルベルト23の問題」),「微分方程式(上・下)」(2002年1月号)をご担当いただいた.

スティーヴン・ウィリアム・ホーキング(Stephen William Hawking)氏(元・ケンブリッジ大学)が3月14日に逝去された.享年76歳.専門は理論物理学.
邦訳された書籍は多数ある.小誌では「ホーキング滞在記」(長沢倫康,1991年1月号)などで登場いただいた.

矢ヶ部巌(やがべ・いわお)氏(九州大学名誉教授)が2017年12月19日に逝去された.享年87歳.専門は代数学.
著書に『数学での証明法』(共立出版),『数III方式 ガロアの理論』(現代数学社)などがある.
小誌では,1970年代からご登場いただき,特に「エレガントな解答をもとむ」で長年ご出題いただいた.

板倉聖宣(いたくら・きよのぶ)氏(国立教育研究所名誉所員)が2018年2月7日に逝去された.享年87歳.専門は科学史,科学教育.
著書に『科学と仮説』(季節社),『ぼくらはガリレオ』(岩波書店),『日本理科教育史』(仮説社)など多数ある.
小誌では,1970年代からご登場いただき,「算数教育を考える」(1980年2月号),「高校生諸君!! 江戸時代の円周率の値」(1987年2月号)などをご執筆いただいた.

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