特集「国際貿易のゆくえ」経済セミナー2021年10・11月号(2021/10/06)

『経済セミナー』2021年10・11月号発売!

特集「国際貿易のゆくえ」

新型コロナウイルス・パンデミックは、世界中の社会・経済を大きく変えています。その影響は当然、国境を越えた財・サービスの取引や人の移動、国際貿易にも及びました。しかし、コロナ下での状況だけを見ていても、貿易の本質的な変化をつかむことはできません。2008年の世界金融危機以降、保護主義の台頭や、グローバリゼーションがもたらす格差への懸念など、世界の貿易体制は10年以上も前から、さまざまな揺らぎの要因に直面してきたからです。

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そこで今号特集では、企業活動の国際化に関する実証研究がご専門の伊藤萬里先生(青山学院大学)と、主に貿易政策の理論研究に取り組んでこられた椋寛先生(学習院大学)に、国際貿易の過去・現在を俯瞰し、未来を見据えた対談を巻頭に、下記のようなラインナップで、コロナの影響、経済安全保障、保護主義、デジタル化、サプライチェーン、サービス貿易、雇用や格差など、さまざまなトピックについて解説します。

【対談】新型コロナ危機を超えて、貿易のあるべき姿を考える/伊藤萬里×椋寛
貿易を取り巻く情勢と政策的課題/木村福成
グローバル・サプライチェーンは変わるのか/伊藤恵子
国際貿易は雇用と格差をどう変えるか/笹原彰
サービス貿易の重要性:その現状と今後/伊藤由希子

貿易は、私たちにとって遠いようで身近な存在、生活に欠かせない機能を担っている存在です。コロナで外国が遠くなった一方、デジタル技術が使いやすくなったおかげで外国にいる方とお話しする機会はかえって増えたような気もします。また、政治情勢が動く中で貿易体制や国際関係にさまざまな変化が顕在化しています。これを機に貿易について改めて考えてみる際に、本誌が少しでもお役に立てれば幸いです。

なお、本号のウェブ付録を【こちら】で公開中。関連するさまざまな参考資料を提供していますので、ぜひチェックしてみてください!