月別: 2016年1月

経済セミナー2・3月号発売中!

経セミ2・3月号

特集 文学と経済学

対談 大竹文雄 × 又吉直樹

人間社会の本質を描く、小説と経済学

トピックス 軽減税率の何が問題か?

―アカデミアが反対する理由について…佐藤主光


訂正とお詫び

p.54に以下の誤りがありました。訂正してお詫び申し上げます。
[正]
2 「情報の非対称」と「損失回避」を描いた『悪医』
[誤]
2 「情報の非対称」と「損失回復」を描いた『悪医』

◆特集

再販制、著作権など、出版にまつわる諸制度を経座学的にはどう分析できるのか。また、経済学者は小説をどのように読んでいるのか。さらに、小説家が経済学を利用することはあるのか。ベストセラー小説の経済波及効果なども含め、さまざまな観点から文学と経済学を考察する。

【対談】 人間社会の本質を描く、小説と経済学……大竹文雄×又吉直樹

又吉直樹氏による初の長編小説『火花』を、経済学者・大竹文雄氏が読むと、経済学的な考え方があちらこちらに見える!?
4年近くテレビ番組『オイコノミア』にて“コンビ“を組んできたお二人に、改めて経済学とはどのような学問なのか、小説と経済学の関係、そして又吉氏が経済学に期待することまで、おおいに語り合っていただいた。


  • ベストセラー本の経済波及効果……宮本勝浩
  • 出版不況が叫ばれて久しいなか、『火花』の発行部数が239万部を突破した。 ここでは『火花』をはじめ、『窓ぎわのトットちゃん』など過去のベストセラー本がどれほどの経済波及効果を持つのかを、順を追って分析する。

  • 書籍の流通――再販制、返品制と経済厚生……成生達彦
  • 小説を読むには本を入手しなければならない。本稿では書籍の流通を取り上げ、そこでの特徴的な取引制度である再販制や返品性について検討する。

  • 著作権の経済分析……新井泰弘
  • 著作権とはどのような権利なのだろうか。また、著作者や消費者の行動にどのような影響を与えているのだろうか。著作権の役割について、経済学的に考えてみよう。

  • 日本近代文学の経済史……山本芳明
  • 日本近代文学の発展を、小説家の収入(原稿料)という経済的な視点からみるとどうなるか。エミール・ゾラと夏目漱石の論評・分析を手掛かりに考察する。

  • モデルはストーリーを求めている……猪木武徳
  • 小説と経済学にはどのような類似性があるのだろうか。また、両者の差異とは?
    小説、そして経済学の分析は、われわれにとってどのような役割があるのか、
    医学、美術等とも対比させつつ検討する。

  • 行動経済学と小説作法……久坂部羊
  • 行動経済学によって分析が進んでいる人間行動のクセを利用すれば、読者が面白いと感じる小説が書ける? 具体的な例を挙げながら、小説の中に出てくる行動経済学のテクニックを解説する。

  • 経済学で小説を読む……大竹文雄
  • まったく経済学とは関係なさそうな小説でも、その場面設定や登場人物の行動などから、経済学的な要素が読み取れることがある。
    『火花』『悪医』『サラバ!』を例に、経済学の視点から小説を読む楽しみを紹介する。


    ◆トピックス 軽減税率の何が問題か? アカデミアが反対する理由について佐藤主光


    連載

    • 【インタビュー】女性経済学者を訪ねて vol.36
      生産性の計測から日本経済を考える……
      滝澤美帆
    • 公共政策入門 経済的アプローチ vol.3
      気候変動や大気汚染の問題に、経済学は答えを持っているのか?……
      伊藤隆敏
    • 部分識別入門 vol.6
      部分識別の推定……
      奥村綱雄
    • オークションとマーケットデザイン vol.18
      繰り返しゲームと感情……
      松島斉
    • 学会・研究会レビュー vol.10
      経済理論学会第63回大会を振り返って……
      宇仁宏幸

    ★現役大学院生による海外論文サーベイ vol.57 増田一八(政策研究大学院大学博士課程)

    「緑の革命」の隠されたコスト:農薬による水質汚染は子どもの早期死亡率を高めるか」
    Brainerd, Elizabeth and Nidhiya Menon (2014) “Seasonal Effects of Water Quality: The Hidden Costs of the Green Revolution to Infant and Child Health in India,” Journal of Development Economics, 107, pp.49-64.

    ★現役大学院生による海外論文サーベイ vol.58 明坂弥香 (大阪大学大学院経済学研究科博士課程)

    「所得の世代間伝達はどのように起こるのか?:操作変数法を用いた要因の分解」
    Lefgren, Lars, Matthew J. Lindquist, and David Sims (2012) “Rich Dad, Smart Dad : Decomposing the Intergenerational Transmission of Income”, Journal of Political Economy, Vol. 120, No.2, pp. 268-303

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    ◆第Ⅰ部 経済学のいま

    経済学はその長い歴史の中で、どのように問題に直面し、どのような発展を遂げてきたのか。そしていま、いったいどんな学問になったのだろうか。経済学の「これまで」を振り返り、「いま」を洞察し、「これから」を展望する。

    【鼎談】 経済学はどこから来て、どこに向かうのか?……岩井克人×橋本努×若田部昌澄

    トマ・ピケティの『21世紀の資本』(みすず書房、2014年)の空前のブームをきっかけに、いま、経済学に熱い注目が寄せられている。経済学とはそもそもどんな学問であるのか。そして、これから何が課題になっていくのか。橋本先生を司会に議論していただいた。


    ◆第Ⅱ部 挑戦する経済学

  • ジャンル1: 歴史的大転換に挑む
    【インタビュー】 歴史の流れと経済学……吉川洋
  • ジャンル2: 経済学のフロンティアに挑む
    【インタビュー】 サイエンスとしての経済学を始めよう:フューチャー・デザインを目指して…西條辰義
  • ジャンル3: 政策運営に挑む
    【インタビュー】 経済学と政策をつなぐ…安田洋祐
  • ジャンル4: ピケティの問題提起に挑む
    【インタビュー】 経済学に懐の深さを…中山智香子

  • ◆図解! 経済学説史 History of Economics 学説からたどる経済学の歴史…山崎好裕



    経済セミナー2015年12月号・2016年1月号発売中!

    経セミ12・1月号表紙

    特集1 これからの通貨問題

    特集2 追悼 青木昌彦教授――比較制度分析への道


    ◆特集1

    ギリシャ国際のデフォルト問題に対するEUの支援、中国の人民元切り下げなど、通貨に関する話題が大きく取り上げられている。通貨問題は、経済学ではどのように理解できるのか、日本経済にはどのような影響があるのかをわかりやすく解説する。

    【対談】 ドル基軸通貨体制の行方――ユーロ・人民元の台頭と日本のあり方……浅川雅嗣×小川英治

    国際通貨を取り巻く状況はつねに変化している。財務官として国際金融にたずさわっておられる浅川氏と、学術研究を続けてこられた小川氏を迎え、人民元やユーロの動向やIMFなどの国際機関の役割、そして日本の今後の政策について、理論、実務の双方からお話しいただいた。


  • 基軸通貨としてのドル……藤田誠一
  • 欧州の通貨統合と経済危機……嘉治佐保子
  • アジアの通貨の動向と展望……清水順子
  • 人民元と中国の通貨政策……関根栄一

  • ◆特集2

    経済学者として、また、プロデューサーとして、さまざまな研究プロジェクトに取り組んできた青木昌彦教授。息を引き取るその瞬間まで進化しづづけた「青木昌彦の経済学」を追う。

    追悼 青木昌彦教授――比較制度分析への道


    ▼青木昌彦先生追悼特集を機に、過去の経セミに収録された青木先生関連記事を公開いたします。
    【PDF】青木先生、比較制度分析ってなんですか?…青木昌彦×山形浩生
    【PDF】経済発展と制度進化の5つの局面:中国・日本・韓国(朝鮮)…青木昌彦/著 高槻泰郎/訳
    【PDF】 【特別対談】制度分析のこれまでとこれから――時代、地域を超えて深まる社会への理解…青木昌彦×安田洋祐
    • 最後の一息まで――青木昌彦教授を偲んで……車 嘉華
    • 作り込まれた制度、磨き込まれた分析――青木昌彦先生が捉えた日本の経済発展……中林真幸
    • 青木昌彦の日本経済論……星 岳雄
    • 比較制度分析とゲーム理論……松井彰彦
    • 経済計画・所得分配・企業……岡崎哲二
    • 逝きしラディカルズの面影――青木先生以前の青木昌彦……成田悠輔
    • 実務の世界からみた青木昌彦の「制度」観……山形浩生
    ★現役大学院生による海外論文サーベイvol.56 遠山祐太(ノースウェスタン大学大学院博士課程)

    「新製品の導入・撤退を通じた市場競争の実証分析」
    Wollmann, Thomas (2015) “Trucks Without Bailouts: Equilibrium Product Characteristics for Commercial Vehicles,” Working Paper.

    2016年新年のご挨拶

    ks2016_newyearcard.jpg

    明けましておめでとうございます。

    本年もよろしくお願いいたします。

    経済セミナー2015年10・11月号発売中!

    経セミ10・11号表紙

    特集 公平とは何か

    新連載 公共政策入門 経済学的アプローチ vol.1
    公共政策の経済学的アプローチとはなにか……伊藤隆敏

    どのような状態をもって公平というのかには、さまざまな考え方がある。 経済学、動物行動学、倫理学など多方面から、何を公平というのか、そしてなぜ公平が良しとされているのかを明らかにする。


    【対談】 法哲学と経済学の対話

    ――効率性・衡平性・正義をめぐって……宇佐美誠×鈴村興太郎

    私たちは、平等であったり、公平であったりすることを望ましいことだと感じる。とはいえ、いったい「平等とは何か」、そして「何の平等か」? この問題について、これまでドゥオーキン、ロールズ、センらが取り組んできた論点を追うとともに、宇佐美先生、鈴村先生それぞれの効率性、衡平性、正義に関する考え、また今後の展開について、お話しいただいた。


  • 規範経済学における公平性の研究……坂本徳仁
  • 経済学は「公平性」をどう捉えるのか――所得格差の拡大が望ましくない理由……小塩隆士
  • 正義における比較アプローチと契約論アプローチ――「公平な観察者」と「公正としての正義」の問題……福間聡
  • 協力社会を支える公平感とその進化的基盤……山本真也
  • 行動経済学からみた公平性――公平性は実験室でもやっぱり一筋縄ではいかない……西村直子
  • 新連載

    公共政策入門 経済学的アプローチ vol.1
    公共政策の経済学的アプローチとはなにか……伊藤隆敏

    ★現役大学院生による海外論文サーベイ

    vol.55 飯島良太(ハーバード大学大学院博士課程)
    「確率的な意思決定モデル:反応時間」
    Clithero, John and Antonio Rangel (2013) “Combining Response Times and Choice Data Using A Neuroeconomic Model of the Decision Process Improves out-of-sample predictions,” Working Paper.