◇ 蟻川恒正教授 「明日の最高裁判決を読む」
編集部注
本企画の趣旨については、蟻川教授による下記解題をご覧ください。( 2012年12月6日 午前11時30分 )
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この稿の由来の一端について述べる。筆者は、これまで社保庁事件に関して複数の論稿を公にし、本誌・法学セミナー誌上に連載した「プロト・ディシプリンとしての読むこと 憲法」でも、最終回(2011年5月号)に控訴審判決を取り上げ、来るべき上告審判決へのつながりを意識した所見を記している。同連載を『憲法事例問題の解き方』(2013年、日本評論社)として単行本化する作業中の本年11月9日、来る12月7日に第2小法廷判決が言渡されることが予告されたため、筆者は、同判決を踏まえた補筆を迫られることとなった。ある敬愛する友人のとりはからいによりここに掲載の機会を得た本稿は、この補筆のための準備の一環である。それにしても、当の判決が下される直前に、その判決についての一文を草することは、何とも説明のつかない不思議な作業である。それをしたのは、判決が下されてからではおそらく失われてしまう本判決に対する現在の筆者の張りつめた意識に表出の場を与えることが必要と思われたからであるとしか言いようがない。敬愛する小粥太郎さんとその唐突な依頼を快諾して下さった法学セミナー編集長・上村真勝さんに感謝したい。
蟻川恒正( 日本大学大学院法務研究科 )
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