●2022年10月号(9月12日発売)

▼法学者の本棚
「Abschied von Bullerbü――ブラービュとの決別――」を考える……柴田潤子
――アストリッド・リンドグレーン「やかまし村の子どもたち」
▼♯ゼミを語ろう
大阪公立大学法学部 中井愛子ゼミ(国際法)
過去から「いま」と「その先」を見つめる
♯先生の研究内容
♯ゼミの活動内容
♯ゼミの雰囲気
♯どんなゼミ生が多い?
♯卒業後の進路
♯後輩(読者)へ向けて
▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」と「論説」
[特集]
お金って何だ?
近代貨幣制度の成立を巡って――日本の事例を中心に……鎮目雅人
1.はじめに
2.19世紀後半の欧米と日本の貨幣制度
3.「銀行論争」に至る経緯
4.明治初年の「銀行論争」
5.国立銀行制度の展開
6.おわりに
金銭債務の弁済と通貨の役割――民法の視点から……川地宏行
1.現金通貨(法貨)の定義
2.通貨の名目主義と債務免責力
3.債務額の名目主義
4.外貨債務の目的と円貨での代用給付権
5.外貨債務における代用給付請求権と換算基準時
6.法貨と自由貨幣
7.金銭債務の弁済と現金通貨の債務免責力
8.預金通貨と電子マネーの法的性質
9.仮想通貨(暗号資産)をめぐる民法上の課題
10.金銭所有権
罰金刑――金銭による「刑罰」の意義と実態……小島 透
1.はじめに
2.罰金刑の存在意義と問題点
3.罰金刑運用の状況
4.罰金刑改革の議論
5.罰金刑をめぐるわが国の法改正
6.おわりに
身近なところから租税の存在意義を考える……酒井貴子
1.はじめに
2.租税の存在意義
3.所得税法上の問題
4.消費税法上の問題
5.おわりに
年金制度の意義と法的問題――高齢者の所得保障と若年世代の負担の観点から……西村 淳
1.年金制度の存在意義
2.年金制度の法的問題
3.制度設計以外の法的問題
4.展望
財政の特殊性とその憲法的統制の可能性……上代庸平
1.はじめに
2.財政の特性と財産法の領分
3.財政に対する法的統制とその内容
4.財政に対する法的統制の諸相――「コロナ予備費」問題
5.おわりに
[論説]
在外国民国民審査権訴訟違憲判決の意義と課題……市川正人
はじめに
1.在外国民と国民審査
2.投票できる地位の確認
3.立法不作為の違憲の確認
4.立法不作為に対する国家賠償
結びに代えて
公立学校教員の「働きすぎ問題」をどう考えるか?――ヒューマンライツを保障する国際法の視点から……戸塚悦朗
1.問題の所在
2.「働きすぎ問題」の原因はどこにあるのか?
3.この難問をどう考えるか?
4.不可視化されたヒューマンライツを保障する国際法
5.ヒューマンライツを保障する国際法の視点から見た給特法
6.給特法廃止後の働き方改革の方向