◇ 表紙デザインにみる法学セミナーの歴史

1956年4月「法律時報」誌の学生版として産声を上げた「法学セミナー」は、2013年5月号に通巻700号を迎えました。
半世紀を超える歩みのなかで、その時代時代に対応し、数多くの読者・執筆者に支えられながら、今日まで発行し続けることができました。
小誌の過去を表紙の変遷とともに、法学セミナーの歴史を紹介します。

「法学セミナー」は、これからもその時代に切り結びながら、法学を学ぶすべての方々に有益となる雑誌として歩み続けたいと思っています。

法学セミナー編集部

1956年4月号 創刊

 

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左:創刊号(1956年4月号)表紙 右:「創刊のことば」

「法学部へ通る門はどこの大学も狭い。………何とかして各大学の優れた教授たちを一堂に集まってもらい、各々得意とするテーマを講義してもらって、居ながらにして全部を聴講できたらどんなに素晴らしいだろう――これがわれわれの夢であり、また「法学セミナー」の生まれる動機でもあった。………」(「創刊のことば」より)

創刊時の法学セミナーには「学生版・法律時報」と表紙に銘打たれている。創刊時は中川善之助・木村亀二両教授が編集代表として名前を連ねており、当時の著名な学者が連載する「法律学150講」とともに、「各大学の試験問題」、「どんな本が出ているか」など学習以外の関心を持つテーマもフォローした。

創刊から7年後に、表紙と内容をリニューアル

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1963年4月号表紙

この号から、表紙が2色刷となり、「法学セミナー」というロゴが縦組みになった。ページ数も80数頁から現在の130頁くらいに増え、法社会学入門「日本の社会と法」や「法原則を創った歴史的判決」などの連載も始まった。

■法学セミナー成長期

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1975年3月号表紙

1960年代後半から、70年代にかけて法学セミナーは、法学を学ぶ学生の雑誌として定着。この時期から通称「法セミ」として、親しまれはじめる。事件、裁判の論評も積極的に掲載。『学習六法』など、現在書籍として販売されているものの中には、最初は本誌付録としてスタートしたものも多い。

特集を中心とした誌面構成としてバージョン・アップ

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1980年8月号表紙

さまざまな法律学習誌が創刊されたこの時期、「法セミ」は毎号、トピカルな特集を本格的に開始する。ジャーナル的な特集、学習的な特集と現在の「法セミ」の原型が創られる。全体の構成も事件・社会問題を扱った記事と法律学習のための論文がバランスよく配置されている。

 通称「法セミ」を表紙に採用

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1987年6月号表紙

表紙に大きく「法セミ」のロゴを掲載。創刊以来、2度目の大きなリニューアル。この時期は特集、法律学の基礎講座、最新判例演習室(現在も続く判例解説原型)、そしてルポルタージュなど誌面構成もメリハリがつく。

ジャーナル雑誌としてリニューアル、再びロゴは「法学セミナー」

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1991年10月号表紙

冷戦崩壊後の90年代は、法学セミナーもそれまでの構成から、国際人権を基軸に、内外を問わず、事件、裁判など「現代の視点」から分析する記事を多数掲載。法学学習誌から、法学ジャーナル誌的要素を強める。特集以外の記事も「ロー・クラス」、「ロー・ジャーナル」、「ローフォーラム」と区分をはじめたのもこの時期。
この時期のキャッチフレーズ「人、事件、裁判――ヒューマンな眼で追う」

■通巻500号を迎える

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1996年8月号表紙

区切りの500号を迎える。再び、「創刊のことば」と初代編集長・清水英夫(青山学院大学名誉教授・弁護士)に創刊期を振り返っていただく。この時期は、ロー・ジャーナル系の特集とロー・クラス系の特集がほぼ各号交互に組まれていた。

異なった2つの特集を中心に誌面構成

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2001年1月号表紙

各号交互に掲載していたロー・ジャーナル系の特集とロー・クラス系の特集をコンパクトにした形で、1号に同時掲載をはじめる。また、「最新判例演習室」もこの時期に復活する。

法科大学院時代を迎え、横組みとしてリニューアル

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2004年4月号表紙

法科大学院時代を迎え、多くの法律文献、法律弁権が横組みになる中で、2004年4月号から本文横組みにリニューアル。法科大学院の誕生による新しい読者層に向けた連載や、司法改革など司法をめぐる様々な事象にも対応した記事の掲載が始まる。

通巻600号を迎える

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2004年12月号表紙 2005年4月号表紙

2004年12月号で通巻600号を迎える。これを契機に法科大学院、法学部生の総合学習誌として、新たなスタートを切る。2005年3月には、創刊600号記念シンポジウム「法科大学院教育と新司法試験」を行う。
2005年4月号から、法科大学院生のためのバリエーションに富んだ連載も開始する。

表紙を変更、ホームページもリニューアル

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2006年4月号表紙

2006年4月号より、表紙をシンプルかつインパクトのあるデザインに変更。併せて、特集などの誌面レイアウトを変更。多様な読者の関心に応える誌面づくりを目指す。
また、法学セミナーの各コンテンツの紹介、活用法の提案を含めた、ホームページの大幅なリニューアルを行う。読者に法学セミナーをより活用していただくための新しいチャレンジをはじめる。

携帯サイトをスタート

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2007年3月より、携帯サイトをスタート!より多くのチャンネルから読者の方々に情報提供を行う試みを始める。
 

表紙デザインを変更

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2008年4月号表紙

表紙デザインを変更

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2010年4月号表紙

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2013年5月号表紙

2013年5月号で通巻700号を迎える。記念特集として「時代の中での司法・法学」を掲載。