書籍詳細:統治論に基づく人口比例選挙訴訟3

統治論に基づく人口比例選挙訴訟3

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  • 紙の書籍
予価:税込 1,320円(本体価格 1,200円)
発刊年月
2021.05(上旬)
ISBN
978-4-535-52555-9
判型
A5判
ページ数
176ページ
ジャンル

内容紹介

一票の格差訴訟に取り組む著者が、憲法の統治論に基づく主張を更に深めて詳述する第三弾。

目次

第1章 不当な判例変更

 平成26年大法廷判決(参)の投票価値の較差に関する
二段階の判断枠組み(以下、「二段階の判断枠組み」ともいう)は、
平成29年大法廷判決(参)によって不当に判例変更されたので、
現在もなお、最高裁判所(ただし、大法廷を含む)及び
下級審裁判所に対し、判例として拘束力を有す
 1 不当な判例変更(その1)
 (1)平成26年大法廷判決(参)の「二段階の判断枠組み」は、
 現在もなお、判例として拘束力を有す
 (2)不当な判例変更
 (3)「最高裁判所判例解説」平成29.9.27(民事関係)の中の当該記述
 (4) 【仮想の議論】とそれに対する反論

 2 不当な判例変更(その2)

 3 不当な判例変更についての11人の憲法学者の意見
 (1)佐藤幸治京都大学名誉教授は、
 佐藤幸治『憲法訴訟と司法権』286頁(日本評論社、1984年)で、
 (2)芦部信喜東京大学名誉教授は、「合憲限定解釈と判例変更の限界」
  ジュリストNo.536 1973.6 53~54頁で、
 (3)伊藤正己東京大学名誉教授・元最高裁判事は、
 「判例の変更」公法研究第22号20~21頁(有斐閣、1960年)で、
 (4)長谷部恭男東京大学教授(当時)は、
 長谷部恭男『憲法 第7版』449~450頁(新世社、2018年)で、
 (5)高橋一修法政大学教授は、
 「先例拘束性と憲法判例の変更」芦部信喜編
 『講座 憲法訴訟(第3巻)』173~176頁(有斐閣、1987年)で、
 (6)松井茂記大阪大学教授は、
 「憲法判例の法源性・先例拘束性と憲法判例の変更」
 樋口陽一編『講座・憲法学 第6巻 権力の分立(2) 』221頁
 (日本評論社、1995年)で、
 (7)浦部法穂神戸大学名誉教授は、
 『憲法学6《統治機構の基本問題3》』56~57頁(有斐閣、1977年)で、
 (8)君塚正臣横浜国立大学教授は、
 「判例の拘束力」横浜法学会第24巻第1号96頁で、
 (9)向井久了帝京大学教授は、
 「155 判例の法源性」339頁(ジュリスト増刊 有斐閣、2008年)で、
 (10)青井未帆学習院大学教授は、
 「130 憲法判例の変更」288~289頁
 (ジュリスト増刊 有斐閣、2008年)で、
 (11)畑博行広島大学名誉教授は、「憲法判例の変更について」
 公法研究第37号57~58頁(有斐閣、1975年)で、

 4 平成29年大法廷判決(参)の敢えて、
 3年毎の半数改選ルール(憲法46条参照)を再度持ち出して、
 それを理由に、「参議院議員の選挙における投票価値の平等は、」
 「二院に係る上記の憲法の趣旨との調和の下に実現さるべきである」
 との判示は、平成26年大法廷判決(参)の
 「参議院議員につき任期を6年の長期とし,解散もなく,
 選挙は3年ごとにその半数について行うことを定めている
 (46条等)。」こと(すなわち、参院選の3年毎の半数改選のルール)
 を考慮したうえで、「参議院議員の選挙であること自体から,
 直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は
 見いだし難い。」との判示
 (ただし、平成24年大法廷判決(参)も同じ)不当な判例変更である


第2章 「合理的期間論」(参)は、憲法98条1項に反するので、
    憲法98条1項により、「その効力を有しない」


 「合理的期間論」(参)と憲法98条1項

 11人の憲法学者の意見
 1 淺野博宜神戸大学教授は、「合理的期間論の可能性」
 『憲法理論とその展開』169頁(信山社、2017年)で、

 2 毛利透京都大学教授は、
 「憲法訴訟の実践と理解【第9回】
 ーー投票価値較差訴訟の現状と課題ーー」判時2354号140頁で、

 3 安念潤司中央大学教授は、「いわゆる定数訴訟について(四)」
 成蹊法学第27号(1988年)168~169頁で、

 4 只野雅人一橋大学教授は、「議員定数不均衡と改正の合理的期間」
 憲法判例百選2 325頁で、

 5 篠原永明甲南大学教授は、
 「平成24年衆議院議員選挙における選挙区割り規定の合憲性」
 法学論叢175書5号(京都大学法学会)125~126頁で、

 6 内藤光博専修大学教授は、判例百選2[第6版]331頁で、

 7 工藤達朗中央大学教は、「衆議院議員選挙と投票価値の平等」
 判時2838号135頁で、

 8 安西文雄九州大学教授は、憲法判例百選2〔第6版〕339頁で、

 9 武田芳樹山梨学院大学准教授は、
 「0増5減の改正を経た衆議院小選挙区選出議員の選挙区割規定の
 合憲性」新・判例解説Watch憲法No.3
 (日本評論社、2016.10 Vol.19)22頁で、

 10 高作正博関西大学教授は、
 「公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の
 議員定数配分規定の合憲性」
 判時2265号(判例評論680号6)136頁で、

 11 原田一明立教大学教授は、平成30年大法廷判決(衆)について、


第3章 事情判決の法理は、比較衡量に基づく

【要約】「(1)選挙無効判決が言渡されないことにより被害を被る
原告らの不利益(すなわち、正統性を欠く、国会議員および
内閣総理大臣の国家権力の行使により、
毎日被害を被る原告らの国民の不利益)の大きさ(前者)と、
(2)(選挙無効判決の結果生じ得る)憲法の予定しない事態が
出現されることによってもたらされる不都合、
その他諸般の事情(後者)との比較衡量により、
「選挙が無効か否か」を決する昭和60年大法廷判決(衆)の
事情判決の法理によれば、前者の不利益が後者の不利益より、
より大なので、本件選挙は無効である

 19人の憲法学者の意見
1 長谷部恭男東京大学教授(当時)は、
 「投票価値の較差を理由とする選挙無効判決の帰結」
 法学教室No.380 2012年5月号40~41頁で、

 2 藤田宙靖東北大学名誉教授・元最高裁判事は、
 「『一票の格差訴訟』に関する覚書」法の支配171号87~89頁で、

 3 浅野博宜神戸大学教授は、「合理的期間論の可能性」
 『憲法理論とその展開 浦部法穂先生古稀記念』
 (信山社、2017年)180~186頁で、

 4 山本真敬新潟大学教授は、
 (山本真敬執筆「第2章 終わらない事情
 ーーいつになれば無効になるのか?
 実際に無効となれば、どうなるのか?」
 大林啓吾ら編『憲法判例のエニグマ』)
 (成文堂、2018年)185頁で、

 5 芦部信喜東京大学教授は、
 『人権と憲法訴訟』(有斐閣、1994年)263~265頁で、

 6 野中俊彦法政大学名誉教授は、
 野中俊彦『憲法訴訟の原理と技術』
 (有斐閣、1995年)381~383頁で、

 7 佐藤幸治京都大学教授は、『現代国家と司法権』
 (有斐閣,1988年)294~295頁で、

 8 君塚正臣横浜国立大学大学院教授は、
 「事情判決の法理」横浜法学第25巻第2号
 (横浜法学会、2016年)30~31頁で、

 9 阿部泰隆神戸大学名誉教授は、
 ジュリスト1976.7.15(No.617)60頁で、

 10 宍戸常壽東京大学教授は、
 『一票の較差をめぐる「違憲審査のゲーム」』
 論究ジュリスト2012春48~49頁で、

 11 井上典之神戸大学教授は、
 「定数訴訟における投票価値の平等と最高裁の役割」
 論研ジュリストSpring 2019 No.29 194~195頁で、

 12 今関源成早稲田大学教授は、
 「参院定数不均衡最高裁判決
 ーー最高裁2004年1月14日大法廷判決をめぐって」
 ジュリストNo.1272(2004.7.15)96~97頁で、

 13 赤坂正浩立教大学教授は、
 『平成25年度重要判例解説』ジュリストNo.144 10頁で、

 14 高作正博関西大学教授は、
 「公職選挙法14条、別表第3・参議院(選挙区選出)議員の
 議員定数配分規定の合憲性」判時2265号(判例評論680号6)
 136頁で、

 15 市川正人立命館大学教授は、
 『基本講義 憲法』(新世社、2014年)242頁で、

 16 吉川和宏東海大学教授は、
 吉川和弘「平成22年7月に施行された
 参議院選挙区選出議員選挙の選挙区間の1対5.00の投票価値の
 不平等が、違憲の問題が生じる程度に達しているとされた事例」
 判例時報2187号(判例評論654号)152頁で、

 17 山岸敬子明治大学教授は、
 「選挙無効訴訟・事情判決・間接強制」
 明治大学法科大学院編集19号66、68頁で、

 18 南野森九州大学教授は、「一票の格差」法学教室No.427 
 2016年4月号12~13頁で、

 19 松本哲治同志社大学教授は、
 「投票価値の平等と事前の救済」阪本昌成先生古稀記念論文集
 『自由の法理』(成文堂、2015年)393~394頁で、

 21個の最高裁大法廷判決の各反対意見、意見、補足意見


第4章 2020年大法廷判決(参)
補遺