書籍詳細:エナジー・エコノミクス

エネルギー産業の「自由化」は何をめざすべきか エナジー・エコノミクス 電力・ガス・石油:理論・政策融合の視点

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  • 紙の書籍
定価:税込 2,750円(本体価格 2,500円)
在庫なし
発刊年月
2002.10
旧ISBN
4-535-55280-0
ISBN
978-4-535-55280-7
判型
A5判
ページ数
260ページ
Cコード
C3033
ジャンル

内容紹介

「地域独占」に象徴される規制に守られてきたエネルギー産業にも自由化の風が吹きはじめた。エネルギー産業のリストラクチャリングを経済学の基本的なフレームワークで分析、望ましいエネルギー市場の姿を展望する。

目次

第1章 エナジー・エコノミクスの視点
1 エネルギーの産業組織
2 再生不可能資源としての生産要素
3 埋蔵量と生産要素価格
4 資源制約と経済成長
5 地球環境の制約
6 エナジー・エコノミクスの課題
第2章 発電部門の産業組織
1 効率的な発電の条件
2 複数の発電技術
3 自然独占のケース
4 発電における競争の可能性
5 ピークとオフ・ピーク
第3章 送電ネットワークの特性
1 問題の所在
2 井戸と貯水池
3 需要増加と規模の経済
4 発電と送電のシステム
5 電力プール・システムと競争
第4章 電力市場の公正な競争の条件1
1 発電の機会費用
2 IPPのコスト構造
3 入札制の競争としての含意
4 不可欠設備
第5章 電力市場の公正な競争の条件2
1 競争の2類型
2 FI型とマラソン型
3 競争スタイルの比較
4 不可欠設備における混雑構造
5 2つのエリアのモデル
6 託送モデルへの応用
7 政策上の含意
第6章 発電と送電
1 発電と送電の分離とマッチング
2 電気の流通
3 電力における垂直統合と自由化
4 需給マッチングの主体
5 電気エネルギーの系統管理
6 自由化の政策設定上のアキレス腱
第7章 発電市場はどのように作られるのか
1 「発電市場」とは
2 北欧型プールシステムの前提
3 ノルウェー・スウェーデンの電力改革
4 北欧型プールシステムの価格決定
5 英国型プールシステム
6 「ざらば(マッチング)」による卸電力市場
7 プールか「ざらば」か
8 電力取引(契約)の体系と系統運用の体系
9 パワー・マーケティングをめぐって
10 発電市場形成の課題
第8章 参入の制度設計と託送料金
1 小売市場導入時にクリアすべき問題
2 託送料金の算定ルールと経済学的意味
3 託送料金の画定実務
4 託送料金の体系
5 ネットワーク部門の中立性、公正性
6 振替供給料金をめぐって
第9章 自由化実験の帰結
1 何が起こったのか
2 どこに問題があったのか
3 なぜ防げなかったのか
4 内生的要因の重み
5 日本への示唆
6 電力危機後のカリフォルニアの状況
第10章 ガス産業の産業組織と競争システム
1 電力とガスのネットワーク
2 都市ガスネットワークの効率性
3 LNGターミナルと長期固定契約問題
4 都市ガス
5 天然ガスナショナルパイプライン
第11章 石油産業の産業組織と市場の圧力
1 石油は決して特殊な財ではない
2 規模政策の失敗と市場の洗礼
3 石油産業の概要と市場自由化の影響
4 ガソリン市場変化の経済分析
5 SSの過剰とガソリン市場の姿
6 製油所をめぐって
7 エネルギーセキュリティ問題
第12章 環境問題へのミクロ的アプローチ
1 エネルギーと環境
2 排出権取引の基礎
3 コマンド・アンド・コントロールの世界
4 排出権市場の実証分析
第13章 エネルギーの卸売市場と小売市場
1 2つの電力市場
2 卸・小売の基本的問題
3 ネットワーク産業における内部補助問題
4 電力の全面自由化とは何か
5 なぜ価格を自由化できないか
6 卸売電力市場の性格
7 卸売市場・小売市場の特性差が示すもの
8 わが国制度改革への含意
第14章 不確実性
1 何が問題か
2 不確実性とのつき合い方
3 リアル・オプションの発想
4 モデルによる分析
5 政策的な含意
第15章 ネットワーク型産業における自由化への課題
1 不確実性の支配
2 スポット市場と機会主義的行動
3 競争への信頼