書籍詳細:自分の社会学

自分の社会学 メディア経験と受動性

の画像の画像
  • 紙の書籍
予価:税込 6,050円(本体価格 5,500円)
発刊年月
2026.09
ISBN
978-4-535-58804-2
判型
A5判
ページ数
304ページ
Cコード
C3036
ジャンル

内容紹介

社会学の立場から「自分」をめぐって理論的に検討し、「自分」が破れるという現象を見出せる具体的なメディア体験を考察する。

目次

_______________________________

第Ⅰ部 自分の社会学――「脱・自分」論の試み
_______________________________

第1章 「脱・自分」という問い

1 「脱・自分」とその具体例

2 「脱」について

3 「脱」の対象としてのself
  ――従来の諸用語の批判的検討から


第2章 「自分」という語と概念「脱・自分」論のための
    認識枠組みへ


1 「自分」という語に着目する社会学的意義
  ――「自己」との比較

2 語用的特徴からみた「自分」の性質――個別性と標準性

3 「自分」の語と概念の歴史的・社会的経緯
  ――近代日本における自分のself化

4 再帰的な「脱」の対象となる自分
  ――明治後末期以降の文学的言説

5 文化的自己観としての自分と,
  近現代日本社会における自分のあり方

6 結論


第3章 社会学的アイデンティティ論・自己論,
    および実存社会学の批判的検討


1 社会学的アイデンティティ論の批判的検討

2 社会学的自己論の批判的検討

3 実存社会学の批判的検討

4 結論


_______________________________

第Ⅱ部 メディア経験と受動性
_______________________________

第4章 メディア・オーディエンス論における受動性
    ――身体という《場》へ


1 「受動性/能動性」の探究とその発展的解消

2 受動性が体現される《場》という考え方の必要性

3 《場》としての制度身体と,重層的な身体像変容

4 身体像という観点からみたメディア・オーディエンスの実践

5 小括


第5章 音楽オーディエンスのメディア経験
    ――音の質感の享受から


1 音楽享受のもつ,アイデンティティへの構成的機能

2 音の質感に触れること

3 自己・自分の揺らぎと身体像変容

4 小括


第6章 自分がひらかれる深い受動性
    ――日本社会での「老いがい」を手がかりに


1 問いと目的 

2 「老いがい」を捉えることの難しさ

3 「老いがい」への問いが生じる地点

4 「老いがい」のもつ批判的可能性

5 主体的老年観の限界

6 社会の制度的次元で生きる自分を破る老い

7 生成される「老いがい」――社会学的な理論枠組み  

8 結論

補論 「萎れ」の引き受け


第7章 実存が転換される深い受動性のメディア経験
    ――作家・折原脩三の「廻心」を例に


1 折原脩三における特殊なメディア経験――「廻心」について

2 「廻心」体験の解釈

3 「廻心」体験への社会学的接近

4 結論


第8章 深い受動性を待つ,現代のニヒリズム状況における自分
    ――鍋倉夫のマンガ『路傍のフジイ』を手がかりに


1 鍋倉夫『路傍のフジイ』について

2 実存転換の発動

3 「ない」と深い受動性

4 作品上に現れる「ない」

5 結論