書籍詳細:海のさかなの正しいトリセツ

海のさかなの正しいトリセツ 政策論から見た「新たな水産資源管理」

の画像の画像
  • 内海 和彦
  • 紙の書籍
予価:税込 2,420円(本体価格 2,200円)
発刊年月
2025.09(中旬)
ISBN
978-4-535-58802-8
判型
A5判
ページ数
256ページ
ジャンル

内容紹介

日本漁業の安定のため、国際的な漁業管理の動向を踏まえつつ、問題点を分析。日本が目指すべき最適な水産資源管理の方向を示す。

目次

はじめに
______________________________

第1章 水産資源管理を行う上での困った誤解
______________________________

漁業に対する高い関心

驚いた”論壇時評”

世界の漁業を巡る状況

過去の栄光がもたらす日本漁業のイメージ

資源以上に弱体化する漁業生産の基盤

食料安全保障上重要なのは資源と漁業


______________________________

第2章 「数量管理」の持つ厄介な性格
______________________________

水産改革がもたらす「新たな資源管理」

資源管理を行う三つの方法

「数量管理」への過大な思い入れ

TAC・ABCのこと

「数量管理」の厄介な性格(当たらない)

「数量管理」の理論と不確実性

最も大きな「環境」の問題

「数量管理」の失敗事例(サバがいない!)

IQ(個別割当)が資源を潰す

「数量管理」の厄介な性格(コントロールできない)

「数量管理」の厄介な性格(間に合わない)

「数量管理」の厄介な性格(小周りが利かない)

「数量管理」の厄介な性格(金がかかる)

「数量管理」だけで資源管理ができるのか


______________________________

第3章 MSY(最大持続生産量)は存在するのか
______________________________

MSY(最大持続生産量)とは?

MSYの国際社会における華麗な活躍

科学として見たMSY

理念としての「MSY」と科学としての「MSY」の妥協

「MSY」の目標化に突き進んでしまった日本


______________________________

第4章 「新たな資源管理」がもたらす災禍
______________________________

「新たな資源管理」におけるMSY

資源の実態から見ても疑問符が付く「MSY」

「新たな資源管理」におけるABCの計算方法

資源予測の誤り(ABC計算の失敗)

資源予測の誤り(動きを予測できない)

資源予測の誤り(原因がわからない)

保護主義的管理方策を米国から学んだことによる失敗

他国のしりぬぐいを強いられる日本漁業

不見識な「乱獲」発言がもたらす影響


______________________________

第5章 資源管理を巡る世界の混沌
______________________________

「乱獲」について

自国漁業を擁護する外国・非難する日本

資源管理を巡る混沌その1(保護派vs利用派)

資源管理を巡る混沌その2(結論が出ない)

北太平洋で起きている国際的資源管理問題

数量管理に苦しむ欧米諸国

混獲問題とは

資源管理を進める上での世界的課題―混獲・投棄問題―


______________________________

第6章 IQのこと、IUUのことなど
______________________________

個別割当(IQ)に関する問題

IUU漁業(違法・無報告・無秩序漁業)問題―暴走する先進国―

妄想が先走る水産の世界


______________________________

第7章 日本が資源管理で行うべきこと
______________________________

資源管理をどう行うべきか―「資源管理」の中身とそれを支える制度との関係―

エビデンス(証拠)に基づく管理と実行可能な目標設定

行政機関(水産庁)がやるべきこと

「漁業調整」から見たIQ―リアリティーの欠如―

IQ実施の前に必要な漁業規制の撤廃

食料安全保障を真剣に考える―日本漁業の「獲れる力」の維持―

日本だけで出来ない資源管理をどうする

IUU漁業対策について(情緒に流れやすい水産政策)

制度の再構築を誰が行うのか?


おわりに