書籍詳細:自然アクセス

自然アクセス 「みんなの自然」をめぐる旅

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  • 紙の書籍
定価:税込 2,640円(本体価格 2,400円)
在庫あり
発刊年月
2023.10
ISBN
978-4-535-58765-6
判型
四六判
ページ数
224ページ
Cコード
C3030
ジャンル

内容紹介

一定の条件のもと自然環境を享受する権利=万人権を軸に、遠くなった自然を取り戻し、自然とのあるべき関係を問い直す思索の旅。

目次

第1章 今なぜ自然アクセスなのか——遠く離れた自然を取り戻す

1 どれほど「遠くなった」のか?

2 なぜこんなに自然が遠くなったのか?

3 過少利用のパラドックスの内実

4 あらためて問われる「自然は誰のものか」 


第2章 ノルウェーの旅——万人権が紡ぎ出す人と自然の関係

1 旅の準備

2 万人権の実際——春

3 夏のベリー摘み

4 幼児教育と万人権

5 冬の万人権

6 まとめ——万人権の実像


第3章 スウェーデンの旅——長く国民に支持されてきた万人権

1 アクセスを楽しむ場としての自然の広がり

2 スウェーデンの人々の野外生活のひとこま

3 世代を超え、自然アクセスを楽しむために

4 技法と作法を身体で覚えて楽しむ野外生活

5 組織的な野外活動の基盤をつくる政府とアソシエーション

6 就学前教育と家族が育む自然アクセス

7 野外活動の背後を成す童話の世界を旅する


第4章 フィンランドの旅——自然に親しむ者が自然を守る

1 森と湖の国フィンランド

2 フィンランドの森にアクセスする

3 フィンランドの水辺にアクセスする

4 フィンランドの自然アクセスの課題と対応


第5章 英国の旅——変化しつづける自然アクセスの世界

1 コモンズ保全から自然アクセス制へ——市民が獲得した権利

2 自然アクセスを可能にするしくみ

3 自然を愛でる文学や思想が持つ力


第6章 スイスの旅——身近な森を気軽に楽しむ人々

1 クリスマスのチューリヒ

2 普段の暮らしに溶け込む森

3 子ども時代から育まれる森との関係

4 スイスの森林アクセス権——権利と責任

5 森へ誘う道と標識

6 スイスの人々の多様性


第7章 ドイツの旅——自然の中をガシガシ歩く

1 森の国ドイツ

2 森や村落風景などを楽しむヴァンデルング

3 森林アクセス権への道のり

4 ドイツの森林アクセス権

5 なぜドイツの人々はヴァンデルングが好きなのか?


第8章 米国の旅——強固な私有制下で創り出される自然アクセス

1 旅の準備——自然アクセス事情と自然

2 ノースカロライナ州の自然アクセスを訪ねて

3 米国における自然アクセスを実現するしくみ


第9章 日本の旅の始まり——日本は自然アクセスに恵まれた国か

1 日本人の自然に対する眼差し

2 自然の恵みをともに享受する考え方

3 海辺の危機からの問い——「浜辺は誰のものか」

4 伝統的コモンズを拓く自然アクセスの試み


第10章 旅の終わりに——「みんなの自然」への道筋

1 初心者トラベラーの旅ノート——人と自然を近づけるには

2 旅から考える自然アクセスの未来——自然アクセス制を創るには

3 自然アクセス研究の源流から未来を見つめる



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【執筆者紹介】

嶋田大作(しまだ・だいさく)
 龍谷大学農学部准教授
 専門:環境経済学・政策学、農林経済学


齋藤暖生(さいとう・はるお)
 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林樹芸研究所所長
 専門:森林政策学、植物・菌類民俗


石崎涼子(いしざき・りょうこ)
 博士(学術)
 国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所チーム長
 専門:森林政策学


神山智美(こうやま・さとみ)
 博士(法学)
 富山大学学術研究部社会科学系(経済学部)教授
 専門:環境法・行政法