書籍詳細:戦争と文化的トラウマ

戦争と文化的トラウマ 日本における第二次世界大戦の長期的影響

  • 紙の書籍
  • 電子書籍
定価:税込 3,520円(本体価格 3,200円)
紙の書籍・POD・アーカイブズの価格を表示しています。
電子書籍の価格は各ネット書店でご確認ください。
在庫あり
発刊年月
2023.04
ISBN
978-4-535-58772-4
判型
A5判
ページ数
352ページ
Cコード
C3011
ジャンル

内容紹介

現在にまで及ぶ日本の戦争体験を「文化的トラウマ」の視点から、歴史学、臨床学、ジャーナリズム等の協働により学際的に検討する。

目次

まえがき……森 茂起
__________________________

第1部 日本における第二次世界大戦の経験
__________________________

第1章 [実践報告]第二次世界大戦と日本に関する
    ドキュメンタリー番組に取り組んで
      ……東野 真

第2章 戦争はどのようにして拡大し、何が起きたのか
    ——日本の中国侵略から太平洋戦争への道
      ……伊香俊哉

第3章 労働力動員からとらえる日本の戦時体制
      ……佐々木啓

第4章 「戦争孤児」たちが最も苦しんだのは「親戚」「家族」
      ……本庄 豊

第5章 かろうじて語られること・それでも語られないこと
    ——四つの論考から考える
      ……宮地尚子

__________________________

第2部 日本の戦争への対応
__________________________

第6章 [実践報告]メディアの戦争責任に関する断章
    ——国策通信社の末裔として絵本『かわいそうなぞう』を読む
      ……佐々木央

第7章 戦時下の軍人の妻の立場について
    ——一九四三・四四年の軍事援護学会における議論
      ……一ノ瀬俊也

第8章 戦死者はどのように扱われたのか?
    ——日本における海外戦没者処理の展開……浜井和史

第9章 追悼の形式——悲劇的な出来事と文化的トラウマ
      ……粟津賢太

第10章 戦後日本の「喪の不能」と神話的思考
    ——恥と罪悪感のあいだ……荻本 快

__________________________

第3部 トラウマとポジショナリティ
    ——戦争の被害者・加害者としての日本
__________________________

第11章 [実践報告]慰安婦被害者の聞き取り調査という体験から
    気づかされたこと……岡 檀

第12章 「いけにえの島」における住民と兵士の相克、
    そして沖縄戦PTSDの発見……蟻塚亮二

第13章 日本軍兵士と「加害者のトラウマ」……中村江里

第14章 なぜこんな目に遭わなくてはならなかったのか
    ——原爆被害者の苦しみとその意味の追求
      ……根本雅也

第15章 コミュニティ心理学からみたトラウマ
    ——四つの論考から考える……川野健治

__________________________

第4部 第二次世界大戦の長期的影響
__________________________

第16章 [実践報告]日中戦争によるトラウマの世代間連鎖と
    修復の試み……村本邦子

第17章 第二次世界大戦のメンタルヘルスへの影響
    ——自殺に焦点を当てて……竹島 正

第18章 「身体化された軍隊経験」、「復員兵の子」という
    ポストメモリー……蘭 信三

第19章 なぜ日本人は戦争体験をオープンに語り、
    経験を振り返ることができないか……森 茂起

第20章 沖縄戦の記憶と「沈黙の共謀」——四つの論考から考える
      ……北村 毅

__________________________

第5部 連続シンポジウムへの応答
__________________________

第21章 トラウマを学びつつ、旧満州に渡った女性たちの
    語りを振り返る……杉山 春

第22章 トラウマ記憶の抑圧・否認をめぐる文化的構造
    ——表象文化論および映像研究の立場から
      ……角尾宣信

第23章 海外の精神科医の視点から
    ——戦争で反対の立場にいた者の子孫として
      ……キャリー・チェン

第24章 [講演]日本の第二次世界大戦のトラウマを癒す
    ——世代間、集団的、文化的観点から
      ……オイゲン・コウ


あとがき……竹島 正

書評掲載案内

■2023年5月15日『毎日新聞』夕刊 4面にて掲載
「画期的成果 今後にも期待」

■2023年8月15日『ふぇみん 3361号』6面にて掲載

■2023年8月20日『四国新聞』9面にて掲載