書籍詳細:概説 教育経済学

概説 教育経済学

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  • 紙の書籍
定価:税込 3,300円(本体価格 3,000円)
在庫あり
発刊年月
2022.08
ISBN
978-4-535-54014-9
判型
A5判
ページ数
360ページ
Cコード
C3033
ジャンル
難易度
テキスト:中級

内容紹介

教育経済学の歴史的展開を網羅しつつ、人への投資、学び直し、国際化、格差といった今日の世界的課題に学術的裏付けをもって取り組む。

目次

はじめに
図表の出所、参照文献の著者名表記等に関する注記
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第1章 教育経済学とは
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1 教育経済学とは

 1-1 教育経済学の定義
 1-2 アダム・スミスによる教育の資本形成
 1-3 準公共財としての教育


2 教育経済学発展の経緯

 2-1 教育経済学発展のプロローグと四つのコーナーストーン
 2-2 貧困との戦い
 2-3 危機に立つ国家
 2-4 スキル偏向的技術進歩
 2-5 知識基盤経済・社会
 2-6 学際的学問としての教育経済学


3 教育経済学のテーマ

 3-1 教育の効果
 3-2 教育と労働市場
 3-3 教育管理と学校運営
 3-4 教育の機会と選択
 3-5 教育の国際化
 3-6 教育財政

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第2章 教育の効果
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1 教育の効果分析の枠組み


2 教育の経済効果はいかにして明らかになったか

 2-1 成長会計における「残差」から教育の効果へ
 2-2 生産関数による教育効果の推計
 2-3 教育の経済発展への効果


3 教育の効果をもたらす要因
 3-1 教育成果の要因分析
 3-2 教育の生産関数


4 教育への資源配分と教育内の資源配分

 4-1 教育への資源配分
 4-2 教育内の資源配分
 4-3 コールマン・レポート
 4-4 定量分析から政策策定につなげるリスク

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第3章 教育と労働市場1:人的資本論
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1 人的資本の役割と意義

 1-1 人的資本論とは
 1-2 人的資本論発展の背景
 1-3 人的資本論に関わる研究


2 人的資本論の基本概念

 2-1 就学年数はなぜ増えるのか
 2-2 教育と初任給との関係
 2-3 教育と生涯賃金との関係


3 人的資本の推計方法と推計結果

 3-1 推計方法:教育の経済効果の測定モデル
 3-2 人的資本の推計結果
 3-3 人的資本推計の可能性と留意点

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第4章 教育と労働市場2:人的資本論で説明できないこと
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1 人的資本論への疑問と反論     

 1-1 教育と経済成長の因果関係
 1-2 教育の効果測定の可能性
 1-3 教育と賃金との不整合性
 1-4 初任給に反映されない学びの実質
 1-5 学歴で説明できない生産性
 1-6 教育量と労働市場のニーズの乖離


2 アルファ要因による効果

 2-1 アルファ要因とは
 2-2 代理変数を用いたアルファ要因の認識方法
 2-3 一卵性多胎児の研究


3 シグナリング効果

 3-1 シグナリング理論と情報の非対称性
 3-2 シグナリングのメカニズム
 3-3 人的資本論とシグナリング理論


4 教育過剰

 4-1 教育過剰とは
 4-2 なぜ教育過剰が起きるのか
 4-3 教育過剰はどのようなかたちで表れるか
 4-4 教育過剰で何が問題なのか

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第5章 教育と労働市場3:学校教育後の技能形成
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1 訓練と生産性と賃金

 1-1 就学年数と賃金カーブ
 1-2 生産性と賃金と雇用の継続性


2 技能種と訓練費用負担と転職

 2-1 一般的技能と企業特殊型技能
 2-2 ベッカーの理論モデル
 2-3 一般的訓練の費用は誰が支払うのか
 2-4 企業特殊型訓練の費用は誰が支払うのか
 2-5 企業特殊型訓練が示唆すること
 2-6 ベッカーモデルの日本への適用


3 外生的(環境的)要因の技能需給への影響

 3-1 コーホート効果とスキル需給バランス
 3-2 産業構造の変化が与える影響

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第6章 教育費の負担構造と教育における政府の役割
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1 教育費の負担者と負担の理由

 1-1 教育費負担者と負担の流れ
 1-2 教育費負担の理由


2 教育への公的関与の理由

 2-1 教育費政府負担の理由
 2-2 教育の外部性
 2-3 外部性の実証
 2-4 教育の社会的利益を考える枠組み


3 教育への公的関与の問題

 3-1 教育は経済発展をもたらすのか
 3-2 教育の外部性に政府の関与は必要か
 3-3 学校教育は国民共通の価値形成の場か
 3-4 政府主導による教育機会の向上は経済的・
      社会的公平性をもたらしたか
 3-5 公共財の供給と運営の分離

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第7章 教育の民営化
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1 教育の民営化とは

 1-1 各国の教育民営化
 1-2 教育経済学による教育民営化の研究


2 教育民営化の経緯

 2-1 政府主導への批判から民営化の要請へ
 2-2 フリードマンから始まった民営化論争
 2-3 ウエストによって具体化する民営化の論理
 2-4 私立学校就学率と教育費民間負担の動向


3 民営化の実際と方法

 3-1 バウチャー制度
 3-2 チャーター・スクール
 3-3 マグネット・スクール


4 日本における教育の民営化

 4-1 私立学校在籍者数の推移
 4-2 民営化の政策と実践
 4-3 学校選択制への反応

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第8章 学校選択と教育機会の平等と公平
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1 なぜ「選択の機会」を望むのか


2 学校選択に対する賛否

 2-1 教育の効果、効率、平等・公平を評価軸とした賛否両論


3 学校選択制の効果検証

 3-1 実証研究の試み
 3-2 バウチャー効果検証の理論的枠組み
 3-3 今後の課題


4 学校教育機会の平等と公平

 4-1 平等と公平
 4-2 水平的公平と垂直的公平
 4-3 公平性と効率性
 4-4 アクセス(Access)と参加(Participation)

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第9章 ジェンダーをめぐる課題と教育経済学
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1 就労状況と賃金統計から見た男女間格差

 1-1 増加する日本の働く女性
 1-2 続く男女間賃金格差


2 ジェンダー格差をめぐる経済学理論

 2-1 賃金格差検証の枠組み
 2-2 差別の経済学


3 日本女性のキャリア中断と格差

 3-1 勤続年数と職位の効果
 3-2 キャリア中断の実態


4 格差に対応する職業と教育

 4-1 勤続年数が長く、給与が高めの職業
 4-2 勤続年数が短くても、給与が高めの職業
 4-3 女性にとって就業年数が長く給与が高い職業の教育レヴェル
 4-4 高等教育機関がなし得ること

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第10章 「学び直し」の経済学
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1 「学び直し」の諸形態

 1-1 生涯学習
 1-2 成人学習
 1-3 継続学習
 1-4 リカレント学習


2 「学び直し」の経済学理論と方策

 2-1 「学び直し」を説明する経済学理論
 2-2 「学び直し」をめぐる世界的政策と動向
 2-3 日本での政策動向


3 労働市場の構造的変化と「学び直し」のゆくえ

 3-1 労働市場の流動化
 3-2 「学び直し」のための資源:情報と場所

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第11章 教育の国際化
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1 教育の国際化の現状:留学生数に焦点をあてて

1-1 世界の状況
1-2 日本の状況
1-3 なぜ留学するのか


2 自己選択に基づく学生と人材の国際移動と経済効果

 2-1 留学と人材移動の経済効果を説明する理論


3 国際市場における教育の経済効果

 3-1 期待は成果へとつながっているのか
 3-2 留学の効果の実証性

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第12章 これからの教育経済学――まとめにかえて
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1 人的資本論再考:場所も時間も超えて

 1-1 投資国と回収国の乖離
 1-2 教育の社会的便益の確認
 1-3 社会的効果のシミュレーション
 1-4 結果の考察


2 国際化のなかの教育費用負担:変わる人的資本投資の分担

 2-1 個人による教育費・留学費負担の現状
 2-2 大学による積極的かつ自律的な取り組み
 2-3 期待される政府の機能


3 教育の国際化を支える財政

 3-1 所得連動返済型学資ローン
 3-2 日本の所得連動返還型奨学金制度の概要


4 まとめにかえて
おわりに

事項索引
人名索引