書籍詳細:客家と毛沢東革命

客家と毛沢東革命 井岡山闘争に見る「民族」問題の政治学

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  • 紙の書籍
定価:税込 6,600円(本体価格 6,000円)
在庫あり
発刊年月
2022.01
ISBN
978-4-535-52591-7
判型
A5判
ページ数
540ページ
Cコード
C3022
ジャンル

内容紹介

江西・湖南省境の 井岡山から始まった毛沢東の農村革命と、根拠地の主要な族群(エスニック集団)であった客家の関係性の研究。

目次

序章 「客家と革命」をめぐる検討課題 

一 中国革命の中の客家
二 「官方歴史学」と客家
三 客家にまつわる疑問点
四 客家の鬱屈と自己主張
五 本書の視点と先行研究の問題点
六 史資料と研究方法


第一章 毛沢東と客家の邂逅――井岡山の「山大王」との同盟

一 毛沢東式農村革命の起点
  1 客家居住地域への進軍
  2 袁文才と王佐
  3 「土匪」と「緑林」の間
  4 毛沢東の統一戦線工作

二 根拠地の「特殊」部隊
  1 古城会議での袁王問題論議
  2 「山大王」の遊民気質
  3 袁王部隊の改造作戦

三 革命闘争とアウトロー
  1 土匪・会党・客家
  2 革命闘争初期の土匪勧誘策
  3 毛沢東の「ごろつき」観

第二章 パンドラの箱――土籍と客籍の永年抗争

一 井岡山のエスニック矛盾
  1 毛沢東の目に映った「民族」闘争
  2 客家への歴史的な偏見・差別
  3 土客籍の不平等関係

二 「土籍の党」対「客籍の銃」
  1 先鋭化する土客籍の対立
  2 土客籍闘争と階級闘争
  3 根拠地化に伴う権力構造の変化

三 革命陣営から見た客家の特性
  1 客家民衆と革命闘争
  2 毛沢東ら現場指導者の客家評価

第三章 「土匪首領を殲滅せよ」
       ――モスクワからの指令と井岡山の動揺

一 六全大会決議と袁王問題
  1 モスクワの土匪殲滅方針
  2 コミンテルンと中共中央の強硬論
  3 革命現場への波紋

二 袁王政策をめぐる内部対立
  1 柏路会議の紛糾
  2 毛沢東の袁王擁護の思惑
  3 狭まる袁王包囲網

三 袁文才逃亡事件の波紋
  1 袁文才の戦線離脱と処分問題
  2 特委の袁王排除論
  3 土客籍の報復合戦

第四章 仕組まれた赤色テロ――土客籍矛盾の暴発

一 機関決定された袁王殺害方針
  1 雩田会議での共同謀議
  2 中央巡視員・潘心源の任務

二 事件前夜の毛沢東
  1 二七会議の「左」傾路線
  2 雩田会議と二七会議の連続性
  3 毛沢東と雩田会議

三 袁王殺害と客籍民衆の離反
  1 引き金になった羅克紹事件
  2 永新県城の惨劇
  3 根拠地崩壊――内紛の重い代償

四 『彭徳懐自述』の虚実
  1 彭徳懐証言の矛盾点
  2 彭徳懐と滕代遠の袁王批判
  3 陳正人のアリバイ問題

第五章 毛沢東の「不都合な事実」――袁王への対応の変化

一 袁王事件の原因と責任
  1 主要な論点と二大要因
  2 彭徳懐の「罪状」の政治的背景
  3 「袁王殺害は誤り」――毛沢東発言の意味
  4 研究の空白部分と本書の仮説

二 毛沢東の対応をめぐる矛盾点
  1 南陽会議での袁文才断罪
  2 前委の袁王排除策
  3 事件関与者の「抜擢」
  4 削除された毛沢東発言――中国語版『中国の赤い星』

三 「異分子」排除――分水嶺の一九二九年
  1 毛沢東の主導権掌握と急進主義
  2 紅軍「階級純化」の加速
  3 袁王事件と党内粛清の幕開き

終章 中国共産党政治とエスニック問題

一 トラウマの根拠地――革命史における袁王事件
二 革命イデオロギーと客家
三 毛沢東の「客家」社会調査
四 「語られる客家」と「語られない客家」