書籍詳細:国連平和構築

国連平和構築 紛争のない世界を築くために何が必要か

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定価:税込 3,190円(本体価格 2,900円)
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在庫あり
発刊年月
2018.03
ISBN
978-4-535-58716-8
判型
四六判
ページ数
336ページ
Cコード
C3031
ジャンル
難易度
テキスト:中級

内容紹介

国連で平和活動の最前線に立った著者が、政策の軌跡を振り返り、何が紛争解決と予防に決定的な役割を果たすのかに切り込む。

目次

序章

第1章 国連平和構築政策の誕生──ブトロス=ガーリが志したもの
第1節 ブトロス=ガーリの志と遺産
 「平和への課題」
 「開発への課題」
 「民主化への課題」
第2節 ブトロス=ガーリの平和政策論の意義と課題

第2章 「人間の安全保障」の誕生と進化──マブーブル・ハックの構想
第1節 概念の誕生と進化
第2節 概念の展開と深化

第3章 平和維持から平和構築へ──ブラヒミ勧告と国連の新しい指針
第1節 ブラヒミ・ドクトリンの意義と限界
第2節 「保護する責任」の台頭
第3節 ハイレベル・パネル・レポートとコフィ・アナン国連事務総長の対処
 脅威・挑戦・変革に関するハイレベル・パネル・レポート
 コフィ・アナン国連事務総長の提案:全人類のための「より大きな自由を求めて」
第4節 二〇〇五年特別国連総会会議の成果文書
第5節 平和維持から平和構築への移行
第6節 国連事務局の指針案
 キャップストーン・ドクトリン
 ニュー・ホライズン

第4章 国連平和活動の政策転換──二〇一五年の三つの報告書と二〇一七年の改革案
第1節 HIPPOの政治優先策
 本質的な変革に必要な四つの重要事項
 平和達成への処方箋
 東京意見交換会の成果
第2節 国連平和構築アーキテクチャー報告書
第3節 平和のための女性のより効果的な役割を求めて
第4節 三つの報告書と東京討論会で共有された問題意識
第5節 グテーレス事務総長の国連改革案
 二〇三〇年維持可能な開発に向けての国連改革
 平和と安全保障分野の統合に向けた国連アーキテクチャーの改造
 政治平和構築局(DPPA)の創設 161 平和活動局(DPO)の創設
 「一体となった柱」アプローチ──単一の地域別政治・実践活動構造
 成果主義と現地主義に基づいた業務執行の確立
 グテーレス事務総長の国連改革案の意義と展望

第5章 平和構築と民主化──移行期正義と「法の支配」の課題
第1節 移行期正義の確立に向けて
 「起訴し処罰せよ」(Prosecute and Punish)
 人権侵害の予防
 和解と地域共同体再建のための正義
 紛争終結後社会の平和構築と民主化のための正義
 東ティモールにおける「移行期正義」
第2節 人権と法の支配
第3節 平和構築における民主主義化の動向
 民主化プロセスにおける国連の役割
 民主化プロセスにおける選挙支援の役割
 国家選挙を行うための国連の支援策
 選挙支援の形式と骨子 215 選挙の究極的な役割

第6章 紛争後の経済社会開発──持続可能な開発目標の意義
第1節 紛争と経済の相互関係
第2節 紛争克服のための「持続可能な開発」
第3節 持続可能な開発目標16:平和と包摂的な社会
第4節 「持続可能な開発」を実現できるガバナンス体制

第7章 政治文化と政治行動──指導者の役割はどう変化したか
第1節 歴史的観点からの政治文化と政治行動
第2節 平和構築における政治文化の役割
 紛争多発国家、紛争後国家における政治文化と政治行動
 集団的帰属意識の意義 271 民主主義文化の醸成
第3節 紛争後の国家指導者の心理状態と権力闘争
 平和構築の推進者と対向者の意識と関係

第8章 紛争後社会における指導者の志──「永遠なる平和」のために
第1節 『永遠なる平和のために』必要な条件とは
第2節 紛争後の社会での平和構築の核心的な要素
第3節 国家指導者と国際社会の平和構築支援者の志
 紛争後の国家の指導者の志 308 国際社会の平和構築支援者の志
 紛争後の社会の変革と指導者の役割

あとがき

書評掲載案内

■図書新聞2018年10月6日(土)第3369号 2面
「国連の内側から見た平和構築 国家指導者を支える平和構築支援者の役割」
評者:片柳真理・広島大学大学院国際協力研究科教授