書籍詳細:どうする!? 巨大津波

どうする!? 巨大津波 津波に対して粘り強いまちづくり

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  • 紙の書籍
定価:税込 2,640円(本体価格 2,400円)
在庫なし
発刊年月
2015.03(中旬刊)
ISBN
978-4-535-58628-4
判型
四六判
ページ数
392ページ
Cコード
C3036
ジャンル

内容紹介

防波堤・防潮堤は無駄なのか、価値があるのか? 津波に対して粘り強いまちづくりとは? 津波力に関する専門家が、調査や実験をもとに海に囲まれた日本の津波防災のあり方を問う!

目次

プロローグ

 ◆漆黒のハイウェイ/三月一一日午後二時四六分/横浜大学研究管理棟/被害状況入電/仙台入り



第一章 東日本大震災における巨大津波による被害実態



 ◆現地での最初の打ち合わせ/衝撃の光景/団体行動/女川/個人プレイ

 ●葉山教授の講義ノート(1)【東日本大震災における津波の高さ】

   陸地に向かうにつれて高さが増す津波/津波のエネルギーの収斂/局所的にも違う津波の高さ/津波到達までの時間/コラム・津波の高さの定義/津波の高さと速度の簡便な計算方法

 ●堀場教授の講義ノート(1)【東日本大震災の地震の規模】

   東日本大震災の地震の大きさとメカニズム/地殻変動と震度/津波発生のメカニズムと大きさ/地震と防護施設/コラム・マグニチュード/アスペリティモデルと地震の想定



第二章 防護施設の破壊



 ◆釜石湾口防波堤/理想と現実/防護施設と避難/田老

 ●葉山教授の講義ノート(2)【東日本大震災における被害の概要】

   湾口防波堤の被害/海岸堤防の被害/建物の被害/漂流物と火災/コラム・津波の高さと構造物の破壊の関係/堤防の高さの決め方の難しさ

 ●葉山教授の講義ノート(3)【東日本大震災における人的被害】

   東日本大震災における警報の実際/死亡者の年齢構成について/避難行動の開始について/死亡率/コラム・ハザードマップの役割/避難と警報慣れや防護施設に対する安心感



第三章 津波の威力



 ◆実験/防護施設の被災メカニズム/メディア対応/すべて流されたまち

 ●葉山教授の講義ノート(4)【津波の力】

   津波と風波の違い/津波の力と勢い/津波のエネルギー/漂流物の力/コラム・水の力/津波による衝撃的な水の力

 ●葉山教授の講義ノート(5)【津波による構造物の破壊のメカニズム】

   滑動と転倒現象/支持力破壊と洗掘/浮力と揚力/越流状況における安定性/コラム・どの程度の津波で人は流されるのか/構造物の安定性に関する簡便な計算



第四章 津波防護の考え方



 ◆三カ月後/津波専門委員会/防護施設の効果/二つの津波のレベル

 ●葉山教授の講義ノート(6)【津波に対する防護施設の低減効果】

   釜石湾口防波堤の破壊状況と津波低減効果/湾口防波堤の締切効果/釜石湾口防波堤の津波低減効果のメカニズム/堤防の防護効果/コラム・津波と浴槽からあふれ出る水/津波に対する堤防の効果

 ●葉山教授の講義ノート(7)【津波に対する防護施設の役割】

   防護施設による減災という考え方/防護施設の津波に対する粘り強い構造/防護施設による逃げ遅れと背後への影響/防護施設の特性/コラム・二つの津波レベル/堤防の高さと津波の発生頻度



第五章 防護施設のあり方



 ◆防護施設の役割/粘り強い堤防/津波シンポジウム/粘り強いまちづくり

 ●葉山教授の講義ノート(8)【津波からの早期復旧・復興】

   津波被害を軽減する工夫/津波による産業の被災と復旧/業務継続計画の重要性/まち全体の復旧と復興/コラム・災害とは/高度化する社会と災害に対する脆弱性

 ●葉山教授の講義ノート(9)【避難と教育】

   避難行動の開始における課題/避難経路と避難場所の課題/公助と自助・共助/防災教育と防災スペシャリスト/コラム・避難指示と避難勧告/避難と防災教育



第六章 巨大津波に対する備えとは



 ◆南海トラフ地震の想定/堤防が建設できないまち/避難訓練/防災と減災

 ●葉山教授の講義ノート(10)【観測と警報】

   津波警報の歴史/東日本大震災における警報の課題/改善に向けて/予測精度の高度化に向けた観測網の整備/コラム・警報とオオカミ少年効果/避難に対する警報の活用

 ●堀場教授の講義ノート(2)【将来の巨大地震と津波】

   南海トラフ地震の長期評価の検討方法/南海トラフにおける最大クラスの地震想定/日本海側の巨大地震と津波/地震と津波による複合災害への取り組み/コラム・日本と世界における巨大地震/今後の地震予知と津波予測の可能性



第七章 そして五〇年後



 ◆十数年後/二十数年後/そして五十数年後

 ●天川教授の講義ノート(1)【津波に対する最新の対策技術】

   可動式の防波堤/可動式の陸域における堤防/漂流物対策/避難救命ボート/コラム・計算機を用いた浸水予測計算の取り組み/公助と減災

 ●天川教授の講義ノート(2)【沿岸減災設計演習】

   防護施設の役割の整理/防護施設の高さと背後地の高さ/防護施設の決め方のパターン/合意形成の必要性/コラム・風化の問題と防護施設/防災・減災に対する〈まちづくり〉の役割



エピローグ

 ◆懐旧/釜石湾口防波堤



参考文献

あとがき

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■2015年4月号『月刊ガバナンス』