書籍詳細:水俣病にまなぶ旅

水俣病にまなぶ旅 水俣病の前に水俣病はなかった

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  • 紙の書籍
定価:税込 2,808円(本体価格 2,600円)
在庫なし
発刊年月
1985.01
ISBN
978-4-535-57526-4
判型
A5判
ページ数
320ページ
ジャンル

内容紹介

水俣病は、歴史上初めての最大にして最悪の工場排水による環境汚染事故であり、また「経済大国日本」の陰にある公害事件の典型である。本書は一人の医師がこの水俣病にとりくみ続けてきた現時点での総括である。

目次

序章、いま、なぜまた水俣病か

 水俣病の新局面

 水俣病は終わったのか



第1章 水俣病の前に水俣病はなかった

     ーー教科書は被害民の中に

 水俣病の病名変更運動

 人類初の新しい病気の発生

 水俣病像の真相と教訓



第2章 職業病から公害病へ、工業先進国から発展途上国へ

     ーー中毒の技術史的パターンと地球的パターン

 危険な有機水銀中毒

 職業性の有機水銀中毒例

 環境汚染事件の国際化



第3章 公害病の前兆

 表伝統的文化の破壊

 水俣に おける自然界の異変

 カナダ ・ インディアンの場合

 伝統的文化の破壊

 居留地における水銀汚染

 自給自足生活思想の復活



第4章 水俣病の解明と実態

     ーー「上りの研究」と「下りの研究」

 有機水銀中毒との一致

 「上りの研究」と「下りの研究」

 宮沢レポート

 放置された健康調査

 一つのエピソード

 困難な固定観念の打破



第5章 誤れる水俣病

     ーー水俣が世界の手本

 フィンランドの水銀問題

 中国における水銀汚染

 カナダの水銀汚染

 活かされていない水俣の教訓

 水俣病研究のマイナス効果



第6章 子宮は最初の環境である

     ーー胎児性水俣病は人類の未来か

 胎児性水俣病の発見

 胎児性水俣病とその結論

 胎児性水俣病のもっ意味

 三つの種類の人たちが住んでいる



第7章 環境と現代

     ーー三つの環境問題

 獲得性の先天異常

 胎内被爆による胎児障害

 「黒い赤ちゃん」

 農薬汚染

 ダイオキシン

 サリドマイド児

 青少年の事故死

 自殺の問題



第8章 医学にとって認定とはなにか

     ーー救済に立ちはだかる認定制度

 認定とはなにか

 企業と行政の合作による認定制度

 認定制度の歩みと役割

 潜在患者と県の対応

 救済に立ちはだかる認定制度

 行政の怠慢と医学の怠慢と

 認定審査会では



第9章 患者たちの医学への反逆

     ーー行政不服審査請求と環境庁裁決

 歴史的な審査請求

 診断書

 審査会の対応

 反論

 水俣病認定の原則

 環境庁事務次官通知

 恵者たちの医学への反逆



第10章 汚染の実態を求めて

     ーーさまざまな住民検診

 一斉検診

 新潟水俣病

 二次研究班の功罪

 熊本県の一斉検診

 手弁当に上る掘りおこし

 何のための掘りおこしかーー反省



第11章 裁判と医学 (1)

     ーー第一次訴訟、公訴棄却、胎児傷害致死など

 水俣病の三つの責任

 一次訴訟の争点

 判決

 思わぬ展開

 水俣病は防げなかったか

 漁民騒動とチッソの責任

 水俣病発見20年めの起訴

 胎児の傷害致死罪



第12章 裁判と医学 (2)

     ーー水俣病像をめぐって

 争われた水俣病像

 鑑定ーーAとB

 二次訴訟判決

 追及されない行政の責任

 水俣を離れた人の追跡調査



第13章 裁判と医学 (3)

     ーーへドロ処理差し止めで負け、待た社賃訴訟で勝つ

 ヘドロ処理問題

 へドロ処理をめぐる争点

 水俣病像の論議こそ根源的な問題

 待たせ賃訴訟

 医学と法学の連携こそ必要



第14章 中毒に関する切り捨ての思想

     ーー他の中毒の場合

 水俣と同根の問題

 中毒の新しい概念



第15章 科学技術の神話

 高度成長期の二大事件

 三井鉱山の炭塵爆発

 学際的研究の必要

 科学技術の神話

 専門家の神話

 暴走する科学技術への歯どめ



第16章 水銀を追って

 終わっていない水俣病

 水俣病像のマイナス面

 中国への旅

 中国における水銀汚染の点検

 心を失わない近代化

 中南米の環境問題

 ジャカルタ湾の汚染

 ジャカルタへの旅

 汚染の流れを把握せよ



第17章 救済から自立・再生へ

 救済とは

 補償処理委の斡旋案の問題点

 チッソ本社における自主交渉

 補償とは何か

 大きい医学研究者の責任

 水俣宣言ーー水俣病問題に関する提言

 救済から自立・再生へ



参考資料



1 (見舞金)契約書

2 公害の影響による疾病の範囲等に関する研究(公害の影響による疾病の指定に関する検討委員会)

3 裁決書(環境庁)ーー行政不服審査請求による

4 補償協定書

5 後天性水俣病の判断条件について

6 水俣病の認定に係る業務の促進について(通知)

7 小児水俣病の判断条件について(通知)

8 水俣病関係出版物



あとがき