書籍詳細:政治的公共圏の憲法理論

政治的公共圏の憲法理論 民主主義憲法学の可能性

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  • 紙の書籍
定価:税込 5,170円(本体価格 4,700円)
在庫僅少
発刊年月
2012.02
ISBN
978-4-535-51855-1
判型
A5判
ページ数
292ページ
Cコード
C3032
ジャンル

内容紹介

民主主義を、国家機構内部の制度構築のみならず、市民社会レベルまで射程を拡げて考察することにより、憲法学の可能性を探究する。

目次

序 章 本書の課題──「政治的公共圏」と憲法・憲法学



第1部 憲法学と民主主義──taking democracy seriously

第一章 民主主義のパースペクティヴ──民主的自己統治の可能性

 第一節 民主主義の「普遍化」と現在的〈危機〉

 第二節 改憲論議における民主主義観

 第三節 憲法学における民主主義論

  1 主権 vs. 民主主義?

  2 国会中心主義 vs. 内閣中心主義?

  3 多数決民主主義 vs. 熟議民主主義?

 第四節 熟議民主主義論の意義と限界

 第五節 グローバリゼーションと民主主義

第二章 「グローバル格差社会」における民主主義──taking globalization seriously

 第一節 グローバル化の中の日本憲法学

 第二節 「グローバル格差社会」とは何か

  1 グローバリゼーションとは何か

  2 「グローバル格差社会」の構造──四つのディメンジョン

 第三節 「グローバル格差社会」と「グローバル民主主義」

  1 「グローバル民主主義」構想の必要性

  2 二つの「格差」の相互連関

 第四節 「グローバル格差社会」の是正──「もう一つの世界」は可能か

  1 「新福祉国家」の構想

  2 「グローバル民主主義」の諸構想

   (1) 「コスモポリタン民主主義」論

   (2) 「帝国/マルチチュード」論

   (3) 「グローバル公共圏」論

 第五節 日本国憲法の可能性と憲法学の課題



第2部 「制度的公共圏」の現在的変容──「内閣統治」の諸形態

第三章 内閣機能の強化──首相への権限集中が目指すもの

 第一節 行革会議「最終報告」における「内閣機能の強化」論

  1 「内閣機能の強化」論の内容

   (1) 「内閣」の機能強化

   (2) 内閣総理大臣の指導性の強化

   (3) 内閣および内閣総理大臣の補佐・支援体制の強化

  2 「内閣機能の強化」論の特徴

 第二節 「内閣機能の強化」と憲法

  1 内閣総理大臣の権限強化

  2 閣議への多数決制の導入

 第三節 「内閣機能の強化」の政治的文脈

  1 臨調・行革審における「内閣機能の強化」

  2 「内閣機能の強化」と国家戦略

第四章 「内閣中心」構想の批判的検討──「首相公選論」・「国民内閣制」・ 「内閣機能の強化」をめぐって

 第一節 首相公選論の再浮上

 第二節 1960年代の首相公選論

 第三節 高橋和之の「国民内閣制」論

 第四節 佐藤幸治の「内閣機能の強化」論

 第五節 「行政権までの民主主義」と憲法学の課題

 第六節 現実政治における「行政権までの民主主義」

第五章 「政治主導」と憲法──「国会中心構想」の可能性

 第一節 憲法学から見た「政治主導」の位相

 第二節 政官関係と「執政権」の強化

  1 近時の「政治主導」論の特徴

  2 「国会中心構想」による「政治主導」の可能性

 第三節 政策意思決定過程のあり方

  1 「政治主導」の「論理」と現実

  2 鍵を握る政党民主政のあり方

 第四節 「国会中心構想」から見た憲法学の課題

 補論 「首相統治制」の一形態──「武力攻撃事態」における決定と統制

  1 「武力攻撃事態等」の「認定」

  2 「対処基本方針」の法的性格

  3 「対処基本方針」の決定過程と国会──軍事行動に対する民主的統制

  4 安全保障会議の機能強化──「平時」からの「有事」即応態勢づくり

  5 「首相統治制」の構造──「対処措置」の実施プロセス



第3部 「非制度的公共圏」の多層的構想──taking 'Offentlichkeit' seriously

第六章 現代資本主義国家と「市民的公共圏」

 第一節 「公共圏」論の再興

 第二節 「市民的公共圏」とは何か

 第三節 「市民的公共圏」再構築の戦略論

 第四節 多層的「対抗的公共圏」形成の可能性

第七章 現代民主政と多層的「公共圏」

 第一節 「公共の憲法学」の可能性

 第二節 森憲法学における民主政理論の変容?

 第三節 民主政理論における「公共圏」論のインパクト

  1 「資本主義の強制力」による民主政の歪み

  2 民主政の「複合型モデル」

  3 「市民的公共圏」の性格と機能

 第四節 多層的な「対抗的公共圏」の構想

  1 ハーバーマスの「政治的公共圏」論

  2 ハーバーマス理論の問題点

  3 「非制度的公共圏」における「公論」形成の意義

  4 「非制度的公共圏」の機能条件

  5 「対抗的公共圏」の性格と主体形成の可能性

 第五節 政党民主政論の再構築にむけて

第八章 「非制度的公共圏」論と政党民主政──党内民主主義の法的規律をめぐって

 第一節 「国家のゆらぎ」と「政党民主主義」

 第二節 デモクラシー・イメージと中間団体の位置づけ

 第三節 政党の「公共性」論の再検討

 第四節 「党内民主主義」の理論的基礎

 第五節 日独政党法制比較の留意点

附論 主権論のレゾン・デートル、または成立可能性について

──書評 辻村みよ子『市民主権の可能性──21世紀の憲法・デモクラシー・ジェンダー』(有信堂、二〇〇二年)