書籍詳細:子どものための小さな援助論

シリーズ:こころの科学叢書

子どものための小さな援助論

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  • 紙の書籍
定価:税込 1,980円(本体価格 1,800円)
在庫なし
発刊年月
2011.06
ISBN
978-4-535-80421-0
判型
四六判
ページ数
228ページ
Cコード
C3011
ジャンル

内容紹介

四半世紀もの間、子どもの治療・援助に関わり続けてきた児童精神科医が、

本質論から説き起こした渾身の援助論。

目次

第1章 「小さな援助論」とは

   はじめに/やむにやまれぬ関係/援助と主体性/小さな援助論/援助職を求める現代

    援助ブームの背景/「援助したい欲求」について/援助の基本



第2章 援助の専門化と侵襲

   援助の専門化/専門的な援助関係/専門的援助と侵襲/心理療法における侵襲

   対等でない治療関係



第3章 心理的援助の専門化について

   「こころのケア」の登場/日常における援助の多様性/専門的援助と効果/

    心理的援助と専門性/心理的援助の専門家



第4章 総体としての援助を考える

   「援助のとらえ方」の変遷/自由と不自由の関係/専門的援助の価値観/

    制約と援助の関係について/総体としての援助/間接的な援助という視点



第5章 臨床家の仕事と専門的援助

    臨床家は悩み続ける/精神科医療での体験/精神科臨床の実態/

    専門的援助の不完全性/専門的援助の使い方



第6章 児童精神科臨床――発達障害の援助を考える(1)

    援助の専門化と良質の援助/専門家のせりふから/学問は変化する/

    非日常的な専門家/専門的な視点によって見えなくなるもの/言語だけの発達?



第7章 児童精神科臨床――発達障害の援助を考える(2)

    発達障害への注目/発達障害の概念/発達障害の本質/

    発達障害が誤解されたとき



第8章 児童精神科臨床――発達障害の援助を考える(3)

    個人ベースの援助/「自立」と発達障害/「自立」と成長/実用性の持つ問題



第9章 社会参加をめぐって――不登校やひきこもりへの援助(1)

    社会に参加する?/「社会参加」の意味する社会とは/「社会参加」が広まった

    わけは/不参加と不在



第10章 何に対して援助するのか――不登校やひきこもりへの援助(2)

    「社会参加」の落とし穴/子どもたちの苦悩について/「不登校」として対応

    してしまう危険



第11章 摂食障害と援助の関係について

    摂食障害の治療関係/普遍的な援助と専門的な援助/契約による専門的援助

    契約のなかで起きていること/契約の影で起きていること

    契約に閉じ込められないために



第12章 心理的援助のこれから――科学の相対性と心的外傷理論

    変化への対応という課題/専門的援助は「正しい」のか/科学と相対性について

    心的外傷理論について



第13章 当事者としての治療者(青年や家族との治療関係)

    はじめに/青年の対人関係と治療関係/当事者としての治療者/組み立ての実際

    時間の流れに沿いながら/家族へのサポート/具体的な変化への準備と治療者の

    当事者意識



第14章 患者の現実生活と精神療法との関係について

    はじめに/精神療法の範囲/現実生活の時空と精神療法における時空との関係に

    ついて/現実生活の側から見た精神療法/精神療法のなかでの現実生活の扱われ方

    実際の精神療法における現実のやりとり



第15章 悩みを聞く人。話す人

    悩みを聞く?/診断(分類)のために聞く/ストーリーを聞く/思いの宿るところ

書評掲載案内

■2011年08月21日付『朝日新聞』